FIBA女子バスケットボール ワールドカップ2018


【第17回】アメリカがオーストラリアを一蹴!東京オリンピック出場を決める!!

4年に一度の祭典、『FIBA女子バスケットボール ワールドカップ2018』は、いよいよ大会最終日。決勝戦ではアメリカがオーストラリアを73-56で圧倒し、3年連続10回目の栄冠に輝いた。

振り返れば、勝負の分かれ目は試合の出だしだった。開始からいきなり#10ブレアナ・スチュワート、#12ダイアナ・トーラジの3Pシュートで順調に得点し、10-0と好スタートを切ったアメリカ。大黒柱の#15ブリトニー・グリナーも、オーストラリアの#8リズ・キャンベージを完璧に抑え、攻めてはバスケットカウントを獲得するなど攻防にわたる活躍を見せた。試合は終始アメリカペースで進み、後半はベンチメンバーに。それでも、主導権を渡さず層の厚さを見せ付けたアメリカが、17点差の快勝。今回の優勝で、2020年の東京オリンピックへの出場が決定となった。

MVPに輝いたのは、アメリカのスチュワート。内外角を問わずプレーできるオールラウンダーで、渡嘉敷来夢とはWNBAのシアトル・ストームでのチームメイトだ。9月中旬にWNBAの2018シーズンMVPに輝いたばかりで、続けざまに今回のMVP受賞と、乗りに乗っている。まだ24歳とあって、どこまで化けるか末恐ろしい選手。東京オリンピックでも、注目の逸材となるだろう。

一方、敗れたオーストラリアは、キャンベージの不調が最後まで響いた。前日の準決勝でホームのスペイン相手に33得点を挙げたキャンベージは、この決勝戦でも、ボールを持つだけでブーイングが巻き起こり、シュートが外れれば大歓声。それはエースの称号でもあるが、アウェイの空気にのまれた印象もある。結局キャンベージが7得点に抑えられると周りの歯車も狂いだし、アウトサイドの軸である#9ベック・アレンもわずか2得点。自分たちの力を出せないまま、2006年以来の優勝はかなわなかった。

なお今大会、3位決定戦では地元・スペインがベルギーを67-60で下し、グループリーグのリベンジを達成。次いで5位フランス、6位中国、7位カナダ、8位ナイジェリアという最終順位になった。

日本は惜しくもベスト8入りを逃し、決勝トーナメント1回戦敗退でベスト12という形に。一方、アジア2位で出場したオーストラリアが準優勝、アジア3位の中国が今大会6位にランクインしており、アジア地区の競争力が増していることは明らかだ。来年9月に行われるFIBA女子アジアカップは、4連覇のかかる日本も気を引き締めて臨まなければならないだろう。今大会で得た収穫を胸に、間もなく開幕するWリーグで一人一人さらなる進化を遂げたいところだ。

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