FIBA女子バスケットボール ワールドカップ2018


【第2回】1975年に銀メダルを獲得した女子日本代表!162cmの生井いく子が得点王&MVPを獲得!!

世界選手権(ワールドカップ)での日本女子代表の歴史を振り返ると、前回トルコ大会(2014年)は14位。この大会は、日本の至宝・渡嘉敷来夢の世界デビュー戦で、アジア選手権で優勝&MVP獲得した力を世界に見せ付ける場となるはずだった。

しかし、世界は甘くなかった。日本のエースとして渡嘉敷は相手にスカウティングされており、チームもまた世界レベルのハードなディフェンスに持ち前の速いオフェンスを消されてしまっていた。「ディフェンスが寄ってきたときに味方をうまく使う技術が自分にはまだありませんでした」と、渡嘉敷。日本はスペイン(50‐74)、チェコ(57‐71)、ブラジル(56‐79)に敗れてグループAで全敗。前々回のチェコ大会(2010年)ではスピード武器に10位に入っていたが、このトルコ大会はそれを下回る悔しい結果となってしまった。

そんな日本だが、過去に1度だけメダル(銀)を獲得したことがある。それが1975年のコロンビア大会で、日本はアメリカ、チェコスロバキア、オーストラリアという強豪と同じグループCとなったものの、アメリカに73‐71、チェコスロバキアに70‐58で勝利すると、オーストラリアには60‐62で敗れたもののグループCを1位通過。決勝ラウンド(当時は7チームによるリーグ戦)でも韓国(89‐62)メキシコ(80‐49)、イタリア(50‐49)、コロンビア(97‐65)に勝利し、ソ連に75‐106で敗れたものの準優勝という結果を手にしたのだ。

実は、この世界選手権には裏話がある。前年に行われたABC大会(世界選手権の予選を兼ねたアジア選手権)で韓国に敗れ2位となった日本には、本来、世界選手権に出場する資格がなかった(このときのアジアからの枠は1つ)。しかし、続くアジア大会の決勝戦、生井けい子(旧姓)の放ったブザービーターのショットが入り逆転勝利。この試合を見ていたFIBAの役員であるジョーンズ氏が「日本を世界選手権に呼ばない法はない」と言ったことで世界選手権に出場(それだけおおらかな時代だったといえる)。そして、その世界選手権で127得点を挙げ銀メダル獲得の立役者となった生井は、得点王とMVPのダブル受賞。ちなみに、生井は翌1976年のモントリオールオリンピックでも102点を挙げ得点王に。しかも身長は全出場選手中最低身長の162cm。つまり、最も低い選手がオリンピックという大舞台で最も高い得点を挙げたのだ。

今回、スペイン大会に臨む女子日本代表も、当時の日本と同じく決して高いチームではない。そこで、カギとなるのがスピードと3Pシュートだ。特に3PシュートはFIBAでは1984年から採用されたルールで、1975年の世界選手権時にはなかったもの。通常の1.5倍という3Pシュートの特性をどこまで生かせるかが、日本のメダルにかかっているといっていいだろう。

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