FIBA女子バスケットボール ワールドカップ2018


【第11回】[序盤戦まとめ] 世界ランキング上位5チームは危なげなく2連勝!アフリカ勢の躍進も光る!!

22日にスペイン(テネリフェ)で開幕した『FIBA女子バスケットボール・ワールドカップ2018』。ここまで出場16チームは各2試合を戦い、グループリーグの中で明暗は分かれつつある。休息日で試合のない本日のコラムは、大会序盤戦の模様をお伝えする。

2試合を終えて、全勝中なのがグループAのカナダとフランス、グループBのオーストラリア、グループCのスペイン、グループDのアメリカだ。この顔ぶれは世界ランキングの上位5チーム(1位アメリカ、2位スペイン、3位フランス、4位オーストラリア、5位カナダ)と同じで、それぞれ競り合う時間帯はあっても、強豪としてのプライドを守って2連勝を挙げている。

中でも絶対的王者のアメリカは、9月12日にWNBAのファイナルが終わったばかりという状況でも、WNBA優勝の立て役者となった#10ブリアナ・スチュアートや#6スー・バードを始め、多くのタレントが息の合ったプレーを披露。大会2日目には、若手主体で勢いのある中国を100-88で退け、観客を魅了した。

また、カナダとフランスはグループリーグ1位通過を懸けて25日に対戦する。フランスはヨーロッパでスペインに次ぐ強豪として知られるが、対するカナダも危なげなく連勝して高い完成度をうかがわせており、この大会に合わせて仕上げてきた様子。ハイレベルな戦いが繰り広げられるだろう。

そのほかのチームに目を向けると、大きな話題となったのはアフリカ勢の大躍進だ。これまでバスケットといえばアメリカやヨーロッパが先進国で、遅れを取っていたアフリカ。だが大会2日目、セネガルがラトビアに70-69で勝利し、ナイジェリアがトルコに74-68で勝利。アフリカのチームがヨーロッパのチーム相手に2試合アップセットを遂げるという、歴史的な1日となった。

そして日本は、2試合を終えて1勝1敗。初戦のスペイン戦は前半から差を付けられる展開となり、後半追い上げたものの一歩及ばず。それでも続くベルギー戦は、負けられないゲームだったが延長戦の末に大きな一勝を挙げた。全員20代という若いチームゆえに、まだ好不調の波もあり、「このチームは(良いときと悪いときの)2つの顔を持っている」とトム・ホーバスHC。続くプエルトリコ戦も、“良いときの日本”を遺憾なく発揮できるよう、気を引き締めて戦いたいところだ。

あまり先の話をしすぎるのは良くないが、日本がもしグループC2位で決勝トーナメント1回戦に進むことになれば、グループDの3位と対戦する。となれば現状、中国もしくはセネガルが対戦相手になるだろう。歴史的な1勝を挙げたセネガルは、ラトビア戦で19得点を挙げた37歳のベテラン#10アストゥ・トラオレを柱に、今まさに勢いに乗っているチーム。一方、中国も平均年齢23.0歳と、日本以上に若いチームながら、高い潜在能力を秘める不気味なチーム。特に19歳と18歳(同学年)の#14李月汝(200cm)、#15韓旭(205cm)のビッグマン2人は、経験を積みながら驚異的な成長を見せており、韓はアメリカ戦で22分の出場ながら20得点と大きなインパクトを残した。

いずれにせよ、結局どこが来ても日本にとっては手強い相手。平均身長175.8cmは、出場チームの中で最も小さい数字で、毎試合ミスマッチも当たり前だ。それでも、持ち味のスピードや度重なる合宿で磨いてきた精度の高さを生かせれば、どこのチームとも戦える実力があるのは間違いない。ホーバスHCと選手たちが口を揃える「メダル獲得」という目標に向け、一戦一戦集中して戦っていくだけだろう。

BS-TBS
Copyright© BS-TBS, INC. All rights reserved.