FIBA女子バスケットボール ワールドカップ2018


【第4回】[ 大会展望 ] アメリカの牙城を崩すのはどこだ!?日本も虎視眈々とメダル獲得を狙う

いよいよ9月22日の開幕するFIBA女子ワールドカップ。世界から16チームが集い、No.1を決める大会だが、優勝候補は何と言ってもアメリカだ。1953年に第1回大会が開催された大会において、ここまで全17回中9回の優勝を誇り、現在2連覇中と圧倒的な強さを誇っているのだ。

ほとんどの選手が世界最高峰のリーグWNBAに所属しており、国内の激しい争いを勝ち抜いた12名は誰が試合に出ても戦力が落ちない層の厚さがある。

その中で今大会、エースとして期待されるのが9月12日に終了したWNBAで2018シーズンのチャンピオンとなったシアトル・ストームのブリアナ・スチュワート。レギュラーシーズンとプレーオフのダブルMVPを受賞した彼女は、193cmながら3Pシュートにドライブにインサイドプレーにと何でもこなすポイントゲッター。大学時代から“逸材”として騒がれ、4年前の前回大会では唯一の大学生としてアメリカ代表入りを果たしている。

さらに、ガードでは同じくシアトルに在籍するスー・バードやフェニックス・マーキュリーのダイアナ・トーラシが健在。ともにオリンピックでは4個の金メダル、ワールドカップではバードが3回、トーラシが2回という飛び抜けた実績を持つベテランたちだ。ほかにも名前を挙げたらきりがないほど、トップレベルの選手を擁するアメリカは、今回も死角なしといったところだ。

そのアメリカの対抗馬と目されているのが地元開催で気合いの入るスペイン。前々回大会は3位、前回大会は準優勝、そして2年前のリオデジャネイロ・オリンピックでも準優勝と、ここ数年、世界大会では確実にメダルを獲得していて、エースのアルバ・トレンスをはじめ主力に大きな変動がないことも強みとなっている。WNBA経験者やヨーロッパのトップで活躍する選手が多く、初の優勝に向けて実力は申し分ない。

ほかにもヨーロッパ選手権準優勝でスペイン同様に世界大会では好成績を収めているフランスや不気味な存在としては予選で日本、スペインと同リーグのベルギー。ワールドカップ初出場となるベルギーは、U17、19世界選手権の経験がある20代の選手たちが主軸を担っており、勢いのあるチームだ。

また、アジアに目を向ければ、もちろんアジアカップ3連覇の日本もメダル圏内に十分に入っているといえる。トム・ホーバスヘッドコーチがここまで作り上げてきた速さと3Pシュートを武器とした日本のスタイルがどこまで通用するか!?

幾多の合宿や国際強化試合を重ね、世界と渡り合うのに十分な力を付けてきた。キャプテンの高田真希を中心に前回大会での予選敗退という雪辱を果たし、一気に上位へと駆け上がりたい。アジアではほかにもアジアカップ準優勝で世界ランキング4位のオーストラリアや大型選手がそろう中国もあなどれない。オーストラリアは、アジアカップでは不在だった203cmのエリザベス・キャンベージが加われば高さではアメリカにも引けをとらない布陣となる。

いずれにせよ、激しい大陸予選を勝ち上がった16チームが集結する今大会は、どのチームも予選から一つも気の抜けない戦いが待っている。

BS-TBS
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