FIBA女子バスケットボール ワールドカップ2018


【第10回】ベルギー戦は延長にもつれる大熱戦に!タフな戦いになるも集中を切らさず!!

大会2日目の9月23日、ベルギーとのグループリーグ第2戦を迎えた日本。この試合は、非常にタフな戦いになることが予想されていた。というのも、前日の夜、スペインとの試合を終えて選手たちがホテルに戻ったのは23時頃。それから食事を済ませ、翌日の8時15分から練習、そして13時30分から試合開始という、過密スケジュールの中でのゲームだったのだ。

スペイン戦では#8高田真希が38分、次いで#52宮澤夕貴が30分の出場時間となっており、不安視されたのが疲労から来るパフォーマンスの低下。特にベテランの高田はチーム最年長の29歳、なおかつ相手チームの屈強なインサイド陣を相手にしなければいけないパワーフォワードというポジションで、当然疲れもあるだろうと思われた。

だが、その心配は杞憂に終わったようだ。ないしは、疲労があってもそれを微塵も感じさせないほど選手たちは頼もしかった。第1Qの入りはロースコアだったものの、堅いディフェンスで相手のビッグマンたちをよく抑え、攻めては高確率の3Pシュートや速攻で得点。中でも高田は次々とバスケットカウントを獲得し、前半だけで16得点の大活躍を見せた。

対するベルギーも連続3Pシュートで追い上げ、前半を終えて日本のリードは3点に。それでも後半、日本は#1藤岡麻菜美が起点となり、素早いボール回しから#30馬瓜エブリンや高田が得点して主導権を渡さない。4Q残り6分には、藤岡&高田のコンビプレーで9点リードに成功した。

しかし、ベルギーのタイムアウト後、日本は得点がピタリと止まる。「相手のゾーンディフェンスに対して自分たちの速いペースが止まり、シュートが入らなくなって少し焦りもありました」(藤岡)と約4分間ノーゴールが続いて、残り1分半には3点ビハインドに。それでも、この勝負どころで馬瓜が値千金の3Pシュートを沈めて同点にし、試合は延長戦へと突入した。

延長戦の開始早々、ベルギーの#5キム・メスダーグにこの日7本目となる3Pシュートを決められるが、日本も落ち着いて宮澤が決め返し、リズムに乗る。延長戦だけで8得点を挙げた宮澤の活躍もあり、日本が僅差でリード。大接戦が続く中、最後まで集中を切らさなかった日本が77-75の2点差で逃げ切った。

「今日の勝利は気持ちの部分が大きいです。気持ちでベルギーに負けていなかった」とホーバスHCが語るように、劣勢になっても強気な姿勢を貫いた日本。高田が「相手が疲れているときこそ、自分たちがもう一段ギアを上げて走ることはこれまでの試合でも徹底していることです」と言うように、タイトスケジュールにも言い訳することなく、たくましく戦い抜いて手にした大きな一勝だった。

ワールドカップでの勝利は、2010年以来8年ぶり。ホーバスHCは「8年前、(#99オコエ)桃仁花選手と(#88赤穂)ひまわりは11歳です」と報道陣を少し笑わせたあと、「ベルギーは強く、ヨーロッパ3位。それに勝てたことは、本当に大きいです。選手たちに感謝します」と称賛していた。

日本は一日休息日をおいて、25日にグループリーグ最終戦でプエルトリコと対戦する。初出場のプエルトリコは、大会初勝利を目指して全力でぶつかってくるだろう。荒削りだが、一人一人の1対1能力は非常に高いチーム。気を引き締めて大会2勝目を挙げ、決勝トーナメントにつなげたいところだ。

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