FIBA女子バスケットボール ワールドカップ2018


【第13回】猛追するも中国に惜敗。「悔しさを忘れないでこの先につなげたい」

グループリーグを終えて2勝1敗で3チーム(ベルギー、スペイン、日本)が並び、得失点差でグループCの3位通過となった日本。26日、決勝トーナメント1回戦は、グループDの2位・中国との対戦になった。

中国は平均年齢が23.0歳と、日本(24.3歳)以上に若手主体の布陣。しかし平均身長は187.2cmで、175.8cmの日本より平均で10cm以上も上回る超大型チームだ。日本は大会直前、現地で中国と練習試合をして敗れている。

それでも今回、立ち上がりで最高のスタートを切ったのは日本だった。相手のインサイド陣にダブルチームを仕掛けてボールを奪い、攻めては司令塔の#15本橋菜子が「空いたらシュート、出てきたらドライブと、頭をシンプルにして常に得点を狙うようにしました」と、攻め気を見せて得点を引っ張る。#30馬瓜エブリンや#52宮澤夕貴の3Pシュートも続いて、第1Qは25-19の日本リードとなった。

だが第2Q、リバウンドを掌握した中国が流れをつかみ、#11ファン・スージンや#7シャオ・ティンの活躍で反撃。日本は残り1分半に逆転され、44-46の2点ビハインドで後半へ。すると続く第3Qも、足が止まって思うようにリズムに乗れない。ディフェンスから立て直したいところだったが、「相手はインサイドが強いのでダブルチームで守らなければなりませんが、そうすると誰かが外側でノーマークになる。早いローテーションで対応したのですが、今日は確率良く決められてしまいました」とトム・ホーブスHC。後手に回った日本は、57-67の10点ビハインドで第3Qを終えた。

運命の第4Q、序盤は点の取り合いとなり、なかなか点差が縮まらない。一時は6点差まで詰めたが、再び中国の高さが効いて残り6分で11点差まで開かれてしまった。それでも、諦めない日本は交代で入った#99オコエ桃仁花がリバウンドやスティールで気を吐き、リズムをもたらす。じわじわ差を縮め、残り1分43秒には本橋の得点でついに2点差と、勝負は分からなくなった。

だが、ここで中国はオフェンスリバウンドに飛び込み、#14リ・ユエルがゴール下シュートを決めて再び4点リードに。その後、残り時間が刻々と削られる中、日本は中国の高さを前にして得点が奪えない。最後はファウルゲームの末、81-87で敗退となった。

試合後、悔しさをにじませながらも、「負けたからこそ勉強ができます」とホーバスHC。「高田がリーダーになり、宮澤も安心できるプレーヤーになりました。若い選手たちにとっても、大きな経験になったと思います」と、手にした収穫を語った。

キャプテンを務めた高田は、悔しさをこらえて気丈にふるまいながら、「このような舞台で負けるのはすごく悔しいことです。控室に戻ったときにみんながすごく悔しい表情をしていました。そのことを忘れないで欲しいです。東京オリンピックにつなげていくためにも、この経験ができたことが一番の収穫です」とコメント。

また、高田とともにチームを引っ張った宮澤は、「シュートを止められたときに何ができるか、ディフェンスなどシュート以外でもチームを引っ張るのがエースだと思いますが、そのエースとしての仕事ができなかったことが悔しいです。今後のWリーグで一人一人が成長し、来年のFIBAアジアカップでまず結果を残して2年後の東京オリンピックでは金メダルを獲れるように。日本に帰ったらすぐにいっぱい練習をして、また代表に戻って来たいです」と、涙をぬぐって決意を固めていた。

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