夢の鍵

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番組詳細

#100 ピンセット製造界の小さな巨人

#100 ピンセット製造界の小さな巨人

2018年09月15日放送
わずか従業員9名でありながら日本製ピンセットのシェア7割を占めるという工場が東京都葛飾区にある。この工場を支えているのは、もちろん熟練の職人たちだ。これまでに作ったピンセットの種類は200以上。ミジンコをつかみ、生きたまま移動させることができるピンセットや体にできたイボを掴み取るピンセットなど、注文は医療用、実験用、宝飾用から調理用にいたるまで実に多種多様だ。依頼主からの一見無理と思える注文も職人技でクリアーしていく。「相手の立場になって考える。これが基本です」と社長の鈴木正弘さんは言う。工場に入ると、工程の重要な部分はまさに職人技の世界だ。ある日、この工場にピンセットの先端の幅を0.05ミリにしてほしいとの依頼が舞い込む。鈴木社長自らが先端の幅を0・05ミリに削りこむ最終工程に腕を振るうのだが、それはまさに神技の世界だった。

ナレーション:賀来賢人

#99『空飛ぶ車椅子社長』

#99『空飛ぶ車椅子社長』

2018年09月08日放送
国内有数のスカイスポーツの拠点、山形県南陽市では、パラグライダーが青い空を悠然と飛ぶ光景が目に入る。車椅子生活を余儀なくされている一人の男性はその光景を眺めては「いつの日か大空を車椅子のまま飛んでみたい」と夢見ていた。加藤健一さん、山形市南陽市にある「山形バリアフリー観光ツアーセンター」の代表理事だ。年齢や障がいの有無に関わらず、身体の状態や希望に沿った宿泊施設や観光施設の紹介などを行うほか、バリアフリー交流会や車椅子生活者の視点から様々な提案を行ってきた。その加藤さんを一躍有名にしたのが大空を車椅子で飛ぶという挑戦だった。相談したのは地元でパラグライダースクールを開いている金井誠さん。金井さんはインストラクターが車椅子を押して離陸する飛行プランを日々研究しながら練り上げ、ついに二人は安全に飛行を成功させる。そしてこの成功がSNSなどを通して瞬く間に海外に広がり、遠くヨーロッパからも人がやってくるほどの評判を呼ぶのだった。加藤さんたちの新たなバリアフリーの挑戦を追った。

ナレーション:大谷亮平

#98 指で見る浮世絵

#98 指で見る浮世絵

2018年09月01日放送
一般に絵画は見るものであって触るものではないが、常磐大学の中村正之教授は目が見えない人たちに、もっと絵画を触ることで鑑賞してもらいたいと真剣に考え続けてきた。その考えを具体化したのが『触察画』(しょくさつが)だ。絵の表面に凹凸をつけて、触るだけで絵を楽しむことができるようにした。当初は似顔絵などの簡単なものから始め、改良を重ねていった。そんな時、中村さんたちの取り組みに協力を申し出たのが欧文印刷という会社だ。点字の大量印刷技術を世界で初めて確立するなど技術力に定評がある。中村さんたちはこの会社の協力を得て、葛飾北斎の代表作と言われる冨嶽三十六景の『甲州石班澤』や『神奈川沖浪裏』に挑んだのだった。二作目となった『神奈川沖浪裏』は複雑な波の動きを表現するのがとりわけ難しい作品なのだが、中村さんたちは浮世絵のイメージが膨らむような様々な工夫を凝らした。そのヒントは多色刷り印刷にあったのだが、それは果たして…。そして展示会では、生まれつき全盲の女性が『神奈川沖浪裏』を丹念に指で触り、作品への思いを馳せるのだった。

ナレーション:賀来賢人

#97 心が前向きになる『ブラインドメイク』

#97 心が前向きになる『ブラインドメイク』

2018年08月25日放送
視力を失った女性が誰の手助けも借りずに上手に化粧をしている。以前より笑顔が増え、気持ちが前向きになったという。『ブラインドメイク』という化粧方法だ。すでに200人以上の女性がこの化粧法に出会い、生活を一変させている。考案したのは、公務員だった大石華法さんだ。きっかけは、福祉施設で出会った視覚に障害のある女性の一言だった。カバンから口紅を取り出して、「これが私のお守りです。目が見えるようになったら使いたい」とつぶやいたという。その言葉を聞いた大石さんは、目が見えなくても自分自身で化粧ができるようになれば、もっともっと笑顔になれるはずだと直感したという。以来、試行錯誤を繰り返し、『ブラインドメイク』を完成させた。この化粧法に出会った全盲の石垣さんも生き方が変わったひとりだ。今ではふるさと沖縄を離れ大阪で一人暮らしを始めている。美容関係の会社に勤め、余暇にはフロアバレーボールを楽しむまでになった。番組では『ブラインドメイク』の方法と、この化粧法に出会い生き方が変わった女性たちを紹介する。

ナレーション:大谷亮平

#96 先端医療を支える双腕ロボット

#96 先端医療を支える双腕ロボット

2018年08月18日放送
医療の最先端に身を置く研究者にとっても、働き方改革は切実な問題だ。医療研究の分野には『ピペット奴隷』という言葉があるそうだ。
薬剤などを試験管から吸い上げ、シャーレや小さな容器に移し替えるスポイトのようなものをピペットというのだが、このピペットを使って延々と繰り返される単純作業のことを『ピペット奴隷』という。
結局、最先端の研究も最後は人海戦術となる側面は否定できない。タンパク質の研究者だった夏目徹さんは、この現状を憂い、人間が行う作業をロボットに置き換えられないかと真剣に考えた。
研究者はもっと創造的な分野に時間を使うべきだと。夏目さんは18年前に開発に乗り出したのだが、前途は多難。研究費が底を尽きかけた頃、当時、安川電機が開発中だった双腕ロボットに衝撃を受け、産業ロボットの父と言われる鈴木健生さんたちとの開発が始まる。
そして完成したロボットは今や筑波大学の全ゲノム解析プロジェクトなど様々な分野で活躍中だ。番組は最先端の医療分野で威力を発揮する最新ロボットの能力を追った。

ナレーション:賀来賢人

#95 『スポGOMI』って、知ってますか?

#95 『スポGOMI』って、知ってますか?

2018年08月11日放送
これまでに、延べ7万5000人もの人が参加した日本発のスポーツがある。『スポGOMI』という競技だ。すでに、アメリカなどの海外でも行われたという。簡単に言えば、『ゴミを拾うこと!街をきれいにすること!』を団体競技にしたものだ。先のロシアワールドカップでも試合後にゴミを拾う日本人サポーターの姿が世界から注目されたように、街をきれいにすることをもっと推し進めようとするものだ。ルールはあらかじめ競技時間とチームの人数、ゴミを拾う場所を決め、集めたごみの量を競う。小さなタバコの吸い殻が高得点になるなど、拾ったゴミの種類や重さによって、ポイントが違う。東京スカイツリーで賑わう東京都墨田区では『スポGOMI』を6年前から定期的に開催してきた。主催者がいうには『スポGOMI』を重ねるに連れ、街にある変化が生じたという。また、競技に参加した人たちにも、意識の変化が出たという。果たして、それは…。

ナレーション:大谷亮平

#94 原爆投下前と後の広島再現

#94 原爆投下前と後の広島再現

2018年08月04日放送
原爆が広島に投下されて73年。
今、最新のバーチャル・リアリティ(VR)技術で、かつての広島の街並みを再現する試みが進められている。挑んでいるのは、広島県立福山工業高校の生徒たちで、計算技術研究部に所属する1年生から3年生だ。
これまでにも長谷川勝志先生の指導のもと、爆心地から2.2キロの場所にあった御幸橋の惨状や爆心地から0.79キロにあった中国軍管区司令部の防空作戦室が爆風で破壊されていく様子を忠実に再現してきた実績がある。
今回は原爆が投下される前と後の半径約200メートルの街並みを再現するという。当時の写真や証言だけでなく、自分たちも実際に爆心地を歩き再現作業を続ける。
この日は爆心地に近い寝具店で家族を失った森富茂雄さん(88歳)から丹念に話を聞いた。そして自分たちが再現した爆心直下の街並みを確認してもらう。すると、当時を知る人しか分からない貴重な証言が出てくるのだった。
番組では生徒たちがこうしたプロセスを経て改良を続けている原爆投下前と後の広島の街並みを紹介する。

ナレーション:賀来賢人

#93 痛くない乳がん診断装置に挑む

#93 痛くない乳がん診断装置に挑む

2018年07月28日放送
乳がん検査と言えば、一般的なのがマンモグラフィとエコー検査だ。マンモグラフィ検査は乳房を挟むため痛みを伴ったり、エックス線の被ばくを心配する人がいる。エコー検査は撮影技師の技量によっては、がんを見落とす可能性がある。それぞれにメリット、デメリットがあるのだが、この二つの検査のメリットを合わせたような乳がん診断装置の開発が大詰めを迎えている。開発に挑んでいるは、東志保さんたちだ。東京大学本郷キャンパス内のベンチャー企業が集まる施設で日々、開発が進められている。施設に行くと、ベッドに乳房が入るくらいの穴が一つ開いた装置があった。その穴の下には、お湯の入った水槽と一体になった診断装置が設置されている。このベッドにうつぶせに寝て、乳房をお湯の入った穴に沈めて検査をするという。これだとマンモグラフィのように乳房を挟む必要がなく、痛くない。診断には、X線ではなく、超音波を使うため被ばくの心配もない。ある日、この装置の臨床実験への協力のために、がんサバイバーの女性がやってきた。果たして、臨床実験の成果は…?

ナレーション:大谷亮平

#92 世界が注目する『新しい生地』

#92 世界が注目する『新しい生地』

2018年07月21日放送
梶原加奈子さんは日本が世界に誇るテキスタイルデザイナーだ。
生地の柄だけでなく、素材や加工方法など、トータルにデザインする。今や世界最高峰と言われるファッション見本市で日本企業と組んでグランプリを獲得するなど、その活躍は世界的だ。
例えば、見る角度でデザインが変わる3Dの生地は見るものを驚かせる。そんな梶原さんを一躍有名にしたのがレイヤージャカードの開発だった。表と裏の柄と色味が全く違う生地を作ろうというのだ。この生地の開発のために播州織りの産地、兵庫県西脇市の工場ではエンジニアが、気が遠くなるような作業を続けた。プログラムだけでも1年、完成までに2年もかかったという。
結局この生地は有名ブランドから高い評価を受けた。梶原さんのデザイン力と日本の技術力が融合した作品と言えた。
梶原さんは今、新しいレース生地の開発に取り組んでいる。レースと言えば、女性用の生地として使われるのが一般的だったが、男性用にも使えるレース生地を開発しようとしている。これまでにない風合いや肌ざわりのレースだ。
カメラは開発の現場に入った。

ナレーション:賀来賢人

#91 女性職人が挑む新たな『絞り染め』

#91 女性職人が挑む新たな『絞り染め』

2018年07月14日放送
江戸時代、歌川広重の東海道五十三次にも描かれた鳴海名物有松絞(なるみめいぶつ ありまつしぼり)。この絵が描かれた場所は現在の愛知県名古屋市有松地区に当たる。江戸時代有松絞は東海道のお土産として絶大な人気を誇った。藍色一色で彩られた柄は当時人気の歌舞伎役者にも愛用されたほどだ。この有松絞の伝統を活かしながら、新しい絞り染めに挑戦しているのが、伊藤木綿さんと村口実梨さんの二人の女性だ。二人の絞り染めは一色に染めるのではなく、たくさんの染料を使って染め上げる。カラフルなのが特徴だ。使うのは『板締め絞り』という伝統的な技法だ。真っ白な木綿を三角形になるように生地が無くなるまで折り畳んでいく。そのあと、両側を三角の板で挟み、緩まないようにきつく縛り上げる。この後、従来の有松絞ならドボンと一色の染料につけて幾何学模様に染め上げるのだが、二人は違う。それでは、カラフルに染め上らないからだ。二人はどのように様々な色彩を生地に染め上げていくのか、カメラはその技法を丹念に追う。

ナレーション:大谷亮平

#90 有明海の『さかなクン』

#90 有明海の『さかなクン』

2018年07月07日放送
有明海はかつて「宝の海」と言われ、豊かな漁場だった。干潟でムツゴロウやシオマネキが戯れる姿は風物詩のように取り上げられてきた。ところが今では環境が悪化し、有明海の生物の中には絶滅危惧種に指定されたものが驚くほど多い。福岡県柳川市の小宮春平さんは有明海とそこに住む生物を愛し、日本で絶滅したはずのカニを有明海で発見したこともある20歳の若者だ。「やながわ有明海水族館」の館長でもある。この水族館では絶滅が危惧される有明海の生物を数多く展示、そのほとんどを小宮さん自らが採集してきた。開館から1年半で、入場者は2万人を突破したという。その小宮さんたちは今、有明海を再び「宝の海」にするための実験を行っている。海を浄化する効果も期待できるという『あるもの』を設置し経過を見ているのというのだが…。小宮さんたちの有明海再生の取り組みを追った。

ナレーション:賀来賢人

#89 麻痺した手が動くようになる『リハビリ医療』

#89 麻痺した手が動くようになる『リハビリ医療』

2018年06月30日放送
脳卒中などで手や足が麻痺して、重い後遺症に苦しむ人は多い。これは脳の指令が手足を動かす神経回路に伝わらず、どこかで途切れているからだ。慶應義塾大学の牛場潤一准教授は、ある方法を使って脳を刺激することで脳細胞を活性化させ、遮断された神経回路を新たなにつくり出せると考えた。ある方法とは、BMI(ブレイン・マシーン・インターフェース)といわれる医療機器を使った治療だ。例えば「指を動かす」という脳波をヘッドセットで読み取る。そして、この読み取った指令を、指に取り付けた機器に送り、手先を動かす。これを繰り返すと、手が動いたという情報が手の神経から脳にフィードバックされて、途切れていた部分の神経に新たな回路が出来てくるというのだ。脳卒中で左手が動かなくなった50代の男性は、このBMIでの治療を受けた。毎日40分、10日間続けたことで、全然動かなかった左手が動くようになり、職場復帰を果たすまでになった。リハビリ医療の最前線を追った。

ナレーション:大谷亮平

#88 どんなに薄く小さくても切断できる刃物

#88  どんなに薄く小さくても切断できる刃物

2018年06月23日放送
日本のモノづくりがまだまだ元気だといえる代表例のような会社が九州の柳川市にある。その会社ではどんなに薄くて小さなものでも切断できる刃物を開発したという。その刃物を使うと、0.1ミリの髪の毛一本を縦に9分割できるという。実際に切断してもらい顕微鏡で確認すると、見事に9分割されていた。

開発したのは、ファインテックの本木敏彦社長たちだ。極薄の切手も、簡単に二枚にして見せた。本木社長ご自慢の刃先は、先端の厚みが0.00003ミリしかない。そのため、精密加工分野の刃先として、多様な分野のモノづくりに役立っているのだ。

最大の特徴は、その切断面にある。ためしに硬いガラスのフィルムを切断してもらうと、切断面にまったくキズがない。切断時に出やすい切りクズが出ない切れ味なのだ。塵やほこりをシャットアウトしたクリーンルームで部品を切断するにはもってこいの刃物だという。カメラはこの刃物の凄味と開発秘話を丹念に追いかける。

ナレーション:賀来賢人

#87 ゴッホの『ひまわり』を蘇らせる

#87 ゴッホの『ひまわり』を蘇らせる

2018年06月16日放送
千葉県にあるアトリエの中に厳重に梱包された大きな箱が運び込まれる。中を開けると、世界的な名画が現れた。ピカソの『肘かけ椅子の女』だ。岩井希久子さんのアトリエには、このようにしばしば世界的な名画が運び込まれてくる。岩井さんの腕を見込んで、世界的な名画の修復依頼が舞い込んでくるのだ。これまでにゴッホやモネの作品も手掛けてきた修復歴40年の日本屈指の「絵画保存修復家」である。アシスタントは、娘の貴愛さん。取材の日、アトリエは緊張感に包まれていた。世界的な名画、ゴッホの『ひまわり』の修復作業が始まったのだった。ゴッホが描いた色味やタッチを蘇らせるために一瞬たりとも気が抜けない作業である。2005年からたびたび『ひまわり』の修復を行ってきた岩井さんだが、今回は『ひまわり』の中の3輪だけを修復するという。ゴッホの油絵具は分厚く盛り上がっているため、作品を傷つけないように汚れを除去するのがきわめて難しいのだが、静かな現場で修復作業を続ける岩井さんを追った。

ナレーション:大谷亮平

#86 『現代の魔法使い』の新たな挑戦

#86 『現代の魔法使い』の新たな挑戦

2018年06月09日放送
落合陽一さんは今や『現代の魔法使い』と言われている。モノを自在に宙に浮遊させるために超音波を利用する『三次元音響浮揚』や空気中の分子をプラズマに変化させることで、光に触れることができるようにしたりと、その技術は世界から注目されてきた。2015年に受賞した「ワールドテクノロジーアワード」は日本人としては2人目の快挙だ。作り出す作品は科学でもあり、アートでもある。その落合さんが、新たな挑戦を始めている。目指すのは東京国際フォーラムでの音楽会。演奏の準備をしているのは日本フィルハーモニーだ。その会場に、落合さんが開発した光る球体がたくさん持ち込まれている。落合さんは、聴覚に障害のある人も聴覚に障害がない人も、共に楽しめる音楽会を作り上げたいと考えていた。題して、『耳で聴かない音楽会』。いったい、落合さんが開発した球体は、この音楽会でどんな活躍をするのだろうか…。

ナレーション:賀来賢人

#85 地元の杉を活かす里山再生と新技術

#85 地元の杉を活かす里山再生と新技術

2018年06月02日放送
埼玉県の休暇村の食堂に、樹齢100年近い立派な杉を使ったテーブルや椅子、衝立など80余りが次々と運び込まれる。きれいな木目、優美な曲線、家具はどれも見事な仕上がりだ。素材はすべて、地元埼玉の杉。日本の国土は70パーセントが森林、そのうち20パーセントが杉なのだが、ほとんどが使われなくなり、荒れた山が増えている。そんな現状を憂える山形県天童市にある家具メーカーの西塚直臣さんたちは、地元の杉を地元で使うという循環を作り、里山を再生できないかと考えてきた。埼玉県の休暇村の家具も、西塚さんたちが埼玉の杉で製作したものだ。これまでにも宮城県大崎市の図書館や南三陸町の議会など公共施設に数々の家具を納入してきた。ただし杉には難点があった。家具として使うには強度が弱い。そのため、西塚さんたちは懸命に杉の強度をあげるための試行錯誤を繰り返してきたのだが、それはやがて、日本初の技術につながっていく…。

ナレーション:賀来賢人

#84 東京五輪に向け『キモノプロジェクト』進行

#84 東京五輪に向け『キモノプロジェクト』進行

2018年05月26日放送
夕方6:30~
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、世界各国のお国柄をデザインした振袖を製作する『キモノプロジェクト』が進行している。目指すは(日本が承認した)世界の国の数と同じ196着だ。そして、196着目が日本のキモノとなる。このプロジェクトを推進してきたのが敏腕着物プロデューサーの高倉慶応さんだ。かつての東京五輪でも表彰台にメダルを運んだのは和服の女性たちだった。高倉さんは五輪の晴れ舞台に世界各国の着物が登場すれば世界がひとつになったというメッセージが発信できると考えている。まずは100着が目標。東京友禅、京友禅、加賀友禅から小千谷縮まで、日本の一流職人たちが担当した国をデザインに投影していくのだが、お披露目は目前に迫っていた。きらびやかな式典とその舞台裏を取材した。

ナレーション:大谷亮平

#83 和紙デザイナーが挑戦する『新たな家づくり』

#83 和紙デザイナーが挑戦する『新たな家づくり』

2018年05月19日放送
伊勢志摩サミットの舞台ともなった賢島のホテルやこの春にオープンした東京ミッドタウン日比谷の空間を彩る巨大な工芸作品が見る人に鮮烈な印象を与えている。素材の主役は手漉き和紙だ。いずれの作品も、和紙デザイナーの堀木エリ子さんが生み出した。堀木さんは和紙の世界では有名な存在で、作品の依頼は引きも切らない。その堀木さんが今度は、和紙を大胆に取り込んだ、今だかつてない家づくりに挑戦するという。福井県越前市にある工房に行くと、巨大な和紙作品を製作している真っ最中だった。堀木さんが強烈なオーラを放って、陣頭指揮を執る。水と共に刻一刻と変化する手漉き和紙作りは失敗が許されない一発勝負だ。そのため、工房内の空気は張り詰めていた…。そして、ゴールデンウイークの初日。堀木さんがプロデュースした『和紙の家』のお披露目の時がやってきた。集まった100人に及ぶ客たちは、刻々と移ろう光で表情を変えていく和紙空間に息を呑むのだった…。

ナレーション:大谷亮平

#82 農家のお母さんたちの「働き方改革」

#82 農家のお母さんたちの「働き方改革」

2018年05月12日放送
秋田県大館市で17年前、農家のお母さんたち88人がある会社を立ち上げた。今では、『地域再生大賞』を受賞するまで立派な会社になった。売上高は2億円を超えるという。代表を務めるのは、農家に嫁いで44年の石垣一子さんだ。「一生懸命働いても、私の名前で出荷されるわけではないし、主婦というのはなんだか評価されないなあ」と…。20歳の時に専業農家に嫁いだ石垣さんはいつのころからか、農家のお母さんが報われる組織を作りたいと考えるようになった。その石垣さんたちが立ち上げたのは産地直売所だ。お母さんたちが持ち寄った自慢の野菜や果物が商品棚いっぱいに並んでいる。一見どこにでもある直売所に見えるのだが、夕方にはほぼ完売する。果たして人気の秘密はどこにあるのか、そして、どのお母さんもが「ここができていがったなー」と生き生きとした表情で働くのはなぜか、秘訣を探った。

ナレーション:賀来賢人

#81 和菓子職人を憧れの職業に

#81 和菓子職人を憧れの職業に

2018年05月05日放送
夕方6:30~
伝統の技を一子相伝で引き継いできた和菓子業界でも、後継者難は深刻だ。パティシエになりたいという子供たちはいても、和菓子職人になりたいという子供たちはあまり聞かないと嘆くのは、三堀純一さんだ。横須賀の和菓子屋三代目で、この世界に新風を吹き込もうと自らは菓道家を名乗る。世界最大のチョコレートの祭典に和菓子を広めようと出展したり、オーストラリアのオペラハウスで和菓子制作のパフォーマンスを披露したり、世界を股に活躍している。『すべては和菓子業界を憧れの世界にするために』と三堀さんは考えている。カメラは心血を注いで和菓子をつくる三堀さんを追う。静謐な茶室で作りこまれる和菓子の数々は海外から注目されるほど、繊細で美しい。そこには三堀さんならではの創意工夫がちりばめられていた。

ナレーション:大谷亮平

#80 麻痺した足が動き出す『不思議な車いす』

#80 麻痺した足が動き出す『不思議な車いす』

2018年04月28日放送
ペダルがついた不思議な形状の車椅いすがある。2年前に脳出血で倒れ左半身が麻痺してしまった70代の女性がその車いすに乗ると、麻痺していたはずの左足を動かしペダルをこぐまでになった。しかも、笑顔で楽しそうにこぐ。これを開発したのは仙台にあるベンチャー企業社長、鈴木堅之さんだ。かつて東北大学の半田教授が開発したプロトタイプを目にして衝撃を受けた。実験の映像では男性が麻痺した足を軽快に動かして、車いすを操作していたからだ。鈴木さんは「これはリハビリを変える車いすになる」と確信し、製品化を急いだ。それから9年、今では6500台以上が利用されている。鈴木さんは何より、これに乗った患者さんの笑顔を見るのが好きだ。この3月には、新たな挑戦にも踏み出した。それは難病に苦しむ子供たち用の車いす製造だった。3年の歳月をかけた渾身の車いすだ。鈴木さんは障害のある子供たちが通うデイサービスの施設にこれを持って行った。すると、子供たちは…。
ナレーション:賀来賢人

#79 大腸がんの名医が取り組む最新医療

#79 大腸がんの名医が取り組む最新医療

2018年04月21日放送
大腸内視鏡治療の権威としてあまりに有名なのが工藤進英医師だ。通常なら見逃してしまいそうな大腸がんを見つけ出すだけでなく、通常なら20分以上はかかる内視鏡検査や治療が工藤医師の手にかかると3分の1で済むという。神の手のようにメディアで取り上げられることも多い。その工藤さんが力を入れているのが最先端技術への取り組みだ。今では多くの病院で使われている100倍の拡大内視鏡をオリンパスと共同開発したのも工藤さんだった。この内視鏡で発見が難しい『陥凹型ガン』を見つけ出し、海外で初めて発表し脚光を浴びた。今、工藤さんはその5倍に当たる500倍超拡大内視鏡を使った治療に踏み出している。がん細胞の核まで見える内視鏡の画像で診断すれば、精度が上がるはずだ。しかも、この画像をAIに覚え込ませて診断に使えば、経験の少ない医師でも見落としがなくなるのではないか…。工藤医師の大腸がん治療最前線を追った。
ナレーション:大谷亮平

#78 認知症を早期発見して予防する

#78 認知症を早期発見して予防する

2018年04月14日放送
知症は実に65歳以上の日本人の7人に1人が発症する病気になっている。しかも進行してしまうと治すのが非常に難しい病気だ。なんとか、この認知症リスクの早期発見ができないかと長年、研究に取り組んできたのが、筑波大学の内田和彦准教授だ。内田さんは認知症が発症する前の認知症予備軍の段階で発見できれば、認知症の予防で成果が上がると考えた。『血液中に認知症の手掛かりとなる成分がきっとあるはずだ』。内田さんはそう考えたが、どのように探せばいいのかが壁だった。そんな内田さんの前に現れたのがノーベル化学賞の田中耕一さんたちだ。今から16年前、田中耕一さんが中心となって開発した島津製作所の『質量分析装置』がその成分を探す原動力となり、ついに血液中からある成分を見つけ出した。内田さんは今ではその濃度で認知症リスクを診断できるところまで漕ぎ着け、早期発見の診断が可能になった。これを受け、認知症を食い止める予防プロジェクトが始まっていたのだが、それは…。

#77 AIと合体した未来の鏡

#77 AIと合体した未来の鏡

2018年04月07日放送
※特別編成のため夕方5:00から放送致します。

鏡の前には、間もなく結婚するふたりが普段着で立っている。ふたりが鏡をタッチすると、結婚式で着るドレスやスーツ姿にふたりは変身した。自分たちの体のサイズも計測できるし、気に入った衣装が見つかるまで、何回でも繰り返すことができる。実際の衣装合わせが不要になるのだ。これは一例だが、AIを搭載した最先端ミラーの分野はヘルスケアや遠隔医療まで可能性が広がっており、企業が開発にしのぎを削っている。ベンチャー企業社長の遠藤国忠さんも、『未来の鏡』開発を急ぐ一人だ。遠藤さんの開発する『未来の鏡』は、鏡の前に立つだけで、身体データを取得するだけでなく、「今日のウエストは1ヵ月前に比べ5㎝増えている」といった変化まで検出してくれる。さらに遠藤さんたちは、女性が化粧しているときに、メイクのアドバイスができるような試作品の開発を急いでいる。そして、お披露目の日がやってきたのだったが、女性たちの反応は…。

#76 『魔法のシート』で杖を使わず歩けるように

#76 『魔法のシート』で杖を使わず歩けるように

2018年03月31日放送
40歳以上で膝に変形が見られる人の数は2500万人以上と言われている。そのうち、痛みを感じる患者は800万人ともいわれる。そのほとんどが、『変形性ひざ関節症』だ。加齢とともに軟骨がすり減ることで、周囲の神経を刺激して痛みが走る。そう診断され、膝が痛くて杖を手放せなかった女性が、四国八十八箇所を巡るお遍路に出かけられるまでになった。その秘密は、直径2センチほどの円形のシートだ。このシートを使って軟骨をよみがえらせる研究をしているのが、東海大学医学部の佐藤正人教授。これまで一度すり減ったら再生しないといわれてきた軟骨を、このシートを使って再生させるという。まだ臨床段階で一般治療は行なわれていないが、臨床研究では参加した人全員に効果が出た。佐藤教授が進める『変形性ひざ関節症』治療の最前線を追った。

#75 地震から伝統建築を守れ!日本初のチタン成型瓦

#75 地震から伝統建築を守れ!日本初のチタン成型瓦

2018年03月24日放送
浅草の浅草寺は、東日本大震災が起こる前に本堂の屋根を葺きかえた。そのおかげで、大震災の時には本堂の瓦がひとつも落ちなかったという。浅草寺が葺きかえた瓦は、吉原正博さんの会社が開発した日本初のチタン成型瓦だった。今、この瓦で葺きかえを行う寺が増えているという。粘土瓦の屋根は日本を象徴する美しい景観のひとつだが、地震の時には瓦が重いため躯体に負担がかかる。熊本地震では、熊本城の瓦が大量に崩れ落ちるなど、崩落の危険もある。チタン瓦にすると価格は高いが、景観を損なわず重さは粘土製の30分の1。また、ビスで固定するため崩落することもない。しかし、日本初のチタン成型瓦の開発は簡単なことではなかった。硬いチタンをいかに本瓦の丸みのある形に成型していくのか、開発陣の試行錯誤が続いた…。

#74 風評被害を乗り越える福島の酒造り

#74 風評被害を乗り越える福島の酒造り

2018年03月17日放送
福島では日本酒造りが最盛期を迎えている。全国新酒鑑評会では5年連続で金賞受賞銘柄数が日本一に輝くなど、福島の日本酒の評価は高い。300年以上続く仁井田本家(郡山市)も、日本酒の力で福島を復興させようとしている酒蔵のひとつだ。18代目蔵元の仁井田穏彦さんは農薬や化学肥料を使わない自然栽培のコメと天然水を使った酒造りにこだわってきた。7年前、原発事故による風評で打撃を受けたが、くじけなかった。その仁井田さんが新たな挑戦を始めている。原発事故により避難指示区域があった南相馬市のコメを応援する酒造りだ。指定解除後、南相馬市小高区の根本さんはいち早くコメ作りを再開したが、風評で売れなかった。そこで仁井田さんは酒米作りを勧めたのだった。『田んぼを守ることが復興につながる』という信念からだ。作る酒米は栽培が難しい『雄町』で、魅力的な日本酒ができる酒米だ。あれから2年、根本さんは新米の出来は上々だという。2月に仁井田さんの酒蔵を訪れると、この雄町を使った酒造りが佳境をむかえていた。

#73 大震災にも負けず、復活した会社

#73 大震災にも負けず、復活した会社

2018年03月10日放送
日本有数の漁港だった気仙沼は7年前の東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた。その気仙沼にある水産会社が奇跡の復活を果たしている。震災が起こる前には9つの工場が稼働し、従業員およそ800人が働く気仙沼最大の水産会社だったが、津波がすべてを変えた。ここから、社長と従業員の苦闘が始まる。社長の阿部泰浩さんは、ほぼすべての工場が全壊する中で、『全従業員を誰ひとり解雇することなく』会社の再建を目指すことを決意。しかし、漁港は壊滅、魚が来ないうえに電気さえ復旧していない水産加工場に仕事はなかった。どうすれば、雇用を守れるのか。苦悶を続ける中で社長はボランティアの人たちと交わした会話が耳から離れなかった。「気仙沼で買って帰るお土産がない」。その声をヒントに、気仙沼の特産品を使った商品の開発が始まったのだった。限られた設備しかない中で、試行錯誤は続いた。そして震災から4か月後、その商品は大ヒットを飛ばすのだが、果たしてそれは…。

♯72 日本初の『量産型』筋電義手

♯72 日本初の『量産型』筋電義手

2018年03月03日放送
筋電義手とは筋肉が動く際に発生する微弱な電流を読み取って、手や指を動かす電動の義手のことだ。技術立国と言われる日本においても主流はドイツ製で、残念ながらまだ日本で量産されている筋電義手はない。兵庫県総合リハビリテーションセンターの陳隆明所長は日本製がないなら自分が頑張るしかないと開発を主導してきた。現在、ゴールまであと一歩のところまで漕ぎ着けている。ドイツ製は高額なのと、重量が重い。陳所長は日本初の量産型筋電義手は安くて軽くなければならないと考えてきたのだった。どうすれば、軽くすることができるのか。陳所長はある日テレビで偶然、愛知県犬山市で400年続く祭りを見た。山車の上で「からくり人形」が踊っていた。「そうだ。この仕組みを利用すれば…」と陳所長は確信した。陳所長はこの仕組みを筋電義手にどう活かそうとしたのか、番組は解き明かしていく。

#71 ホタルのように飛ぶLED

#71 ホタルのように飛ぶLED

2018年02月24日放送
まるでホタルのように、小型のLEDが空間を移動し光っている。この技術を使えば将来、LEDの数を増やして、空中に文字や図形などを表現することも可能だ。秘密は直径わずか4ミリの小さなLEDにある。無線給電により電池を不要にしたほか、無線給電用の受信回路をIC化して小型・軽量化にも成功した。この小型LEDを超音波スピーカーの力で浮遊させているのだ。このアイデアを出したのは、東京大学準教授の川原圭博さんだ。川原さんは様々な研究者とタッグを組み、ホタルのように飛ぶLEDの開発だけでなく、あらゆるものをスマートにして、世の中を豊かにしたいと考えている。ある日の研究室では、みんなで折り紙に挑戦している。折り紙と言ってもかなり複雑な立体構造物だ。これが未来を変える技術につながっていくというのだが、果たして…。

#70 日本初の木造5階建てマンション

#70 日本初の木造5階建てマンション

2018年02月17日放送
日本初の5階建て木造マンションが間もなく完成する。柱や梁など、そのほとんどが木でつくられた純木造のマンションだ。建設中の最上階からあたりを見渡してみると、見下ろせる鉄筋コンクリートのマンションがあったりする。これまでこのような木造マンションが建てられなかったのは、世界の中でも厳しいといわれる日本の建築基準法のハードルがあったからだ。そのハードルを、木村一義さんたちは乗り越えた。厳しい基準の中でも建物の「強度」と「耐火性」をクリアーするのが大変だったと木村さんは言う。例えば5階以上の建物には「2時間1000°Cの炎で加熱しても倒壊してはいけない」という基準がある。果たして、木村さんたちは木質の部材を使った建物で、どのようにしてこの基準をクリアーしたのか、カメラが追った。

#69 世界が驚く人工の毛皮

#69 世界が驚く人工の毛皮

2018年02月10日放送
グッチやアルマーニなど世界の一流ブランドが本物の毛皮の使用を止めると宣言するなど本物の毛皮の使用を取りやめる動きが強まっている。そんな今、世界の一流ブランドから注目されている会社がある。世界遺産、高野山の参拝口にあたる高野口町にある岡田織物だ。ここで作られる人工の毛皮、エコファーはその肌触りや光沢など、本物の毛皮とまったく遜色がない。開発をリードしてきた岡田次弘さんは、高野口町の職人技と日本の科学技術を融合させ、今では海外ブランドからも注文を受けるクオリティの高さを実現したのだった。まず、素材は三菱ケミカルと共同開発したアクリル繊維だ。そこには本物の毛皮に近づけるためのある工夫が…。そして、この繊維を本物の毛皮のように染めて、織って、仕上げていく過程にも、数々の熟練技が注ぎ込まれていた…。

#68 文字を読んでくれるメガネ

#68 文字を読んでくれるメガネ

2018年02月03日放送
全盲の新聞記者、岩下さんは、職場でも自宅でも特別なメガネをかけている。例えば名刺を手に取って、そのメガネを名刺の方向に向けると、名刺に書かれた名前などの情報をメガネが読み上げてくれる。自宅のポストに入った大量の郵便物やチラシ。これもメガネを向けると一枚一枚その内容を読み上げてくれるので、その内容を理解できる。このメガネを開発したのは、島影圭佑さんだ。目に障害のある人だけでなく、失語症やディスレクシア(文字の読み書きに困難を抱える障害)の人たちまで、このメガネが助けてくれることは多いという。開発の動機は大学生の時、父親が脳梗塞になり、その後遺症で失語症になったことだ。文字は見えるのだが、読めなくなった。島影さんは父のために既存の技術を組み合わせ、卒業制作として読むメガネの製作に取り組んだのだった。今ではこのメガネ、コンテストで数々の賞を受賞し、評判が評判を呼んでいる。今、島影さんたちは、これまでのモデルより軽くて使いやすい本格的な販売モデルを開発中だ。その行方は…。

#67 他人の手を自在に動かす発明

#67 他人の手を自在に動かす発明

2018年01月27日放送
玉城絵美さんがつくった装置は、7年前にアメリカのタイム誌が選ぶ『世界の発明50』に選ばれた。東京大学総長賞を受賞するなど、玉城さんはこの発明で日本を代表する若手研究者に躍り出たのだった。その後、玉城さんはこの装置をさらに進化・発展させたという。その装置を見せてもらうと、小さなリストバンドのようだ。その装置を玉城さんは右前腕に巻き、パソコンとつないだ。もう一人の男性の右前腕にも同じ装置を巻き、同じパソコンとつないだ。パソコンを経由して玉城さんの右手と男性の右手がつながっている状態だ。そして実験開始。玉城さんが右手を開く。すると1秒後、男性の右手が同じように開いた。今度は玉城さんがコップを握る動作をする。すると、男性が目の前にあるコップを握った。時間差はあるものの、2人の右手は見事にシンクロしている。例えばピアニストと自分の手をつなげば、ピアニストの指先の感覚が分かるようになるし、素人でもピアノが弾ける可能性を秘めている。いったい、どういう装置なのか?番組は装置の仕組みと可能性を探っていく。

#66 はけば笑顔に…『魔法のズボン』

#66 はけば笑顔に…『魔法のズボン』

2018年01月20日放送
長野県にあるデイサービスセンター。そこに通う84歳のある男性は杖がないと歩けないほど、筋力が衰えている。その男性に杖を使わないで歩いてもらうために、新たに開発したあるズボンをはいてもらった。最初は慎重に一歩を踏み出す。周囲は固唾を飲んで見守っている。すると、どうだろうか。男性は自分の足をリズムよく動かし始め、結局杖なしで、10分間も歩行を繰り返したのだった。このズボンを開発したのは、信州大学教授の橋本稔さんだ。大がかりな装置ではなく、ただはくだけで歩行を支援できるロボットを目指してきた。男性の歩く姿を見て、橋本さんや周囲に笑顔が広がった。
橋本さんが次に向かったのは病院だ。病気で歩行が困難になった人たちにも、このズボンは有効なのではないかと考えている。パーキンソン病のために車椅子で過ごす時間が増えた女性や脳腫瘍で右半身に麻痺が残る男性にこのズボンをはいてもらうという。果たして、このズボンはどれだけ歩行をアシストできるのだろうか。

#65 世界最強のドリルを目指す

#65 世界最強のドリルを目指す

2018年01月13日放送
鳥取県のある会社で、二種類のドリルを使って穴をあける実演が始まった。穴をあける対象はニッケル基超合金。航空機のエンジンなどに使われる硬い素材だ。うなりをあげながら二種類のドリルが回転を始め、超合金に刃先が当たり始める。その先端を観察すると、ひとつのドリルは刃先が超合金に入っていかない。少しの金属くずが出るだけで敢え無く断念した。もう一つのドリルは刃先が超合金にすぐに食い込み、スピーディーに超合金をくり抜いたのだった。このドリルこそ、開発に当たった木村勝世さんたちが世界最強を目指して開発したドリルだ。その秘密は、刃先の形状にある。刃先を真上から見ると、三日月のように見えることから『月光ドリル』と名付けられた。実はその形状の鍵を握るものが、安来節の踊りにあったという。番組はその謎を解き明かしていく…。

#64 目線106センチのモノづくり

#64 目線106センチのモノづくり

2018年01月06日放送
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてつくられた日本財団パラリンピック・サポートセンター。この複合オフィスのデザインについて、車椅子の目線106センチからアドバイスを行ったのが、垣内俊哉さんだ。オフィスのクローゼットの位置からコピー機の高さや空調ボタンの位置まで、106センチの目線で発想し、バリアフリーの世界で一目置かれる存在だ。垣内さんは生まれつき骨がもろい骨形成不全症に苦しめられてきた。あることがきっかけで『歩けなくても前に進もう』と考えた垣内さんは、高卒認定試験に合格して立命館大学経営学部に進学。大学2年の時にバリアフリーのコンサルタント企業を立ち上げた。龍谷大学構内のバリアフリーマップ作りを皮切りに、バリアフリーの地図アプリ、ビーマップで注目された。このアプリを開けば、どのお店が車椅子でトイレに行けるかなどの情報がわかる。その垣内さんに新たな依頼が舞い込んだ。来場客100万人以上のテーマパーク、和歌山アドベンチャーワールドからだった。垣内さんは106センチの目線からアドバイスを行うのだった…。

#63 過疎の町を元気にする仕組み

#63 過疎の町を元気にする仕組み

2017年12月30日放送
朱色の屋根瓦が夕日に映える美しい街並みの島根県江津市。この町は近年、若者に仕事がなくなり衰退の一途をたどっていたのだが、ここ数年、元気を取り戻してきた。きっかけとなったのが、2010年から始まった江津ビジネスプランコンテストだ。「てごねっと石見」というNPO法人が推進してきた。理事長の横田学さんは「町に産業がないなら作ればよい」と、このコンテストを始めた。このコンテストは江津市民に限らず内外の若者たちが町を活気づけるビジネスプランを競う。大賞には活動資金が贈られるだけでなく、入賞者には商工会議所や地元の銀行が応援や支援をする体制を整えている。例えば夫婦で3年前に大賞をとった小さな地ビール工場、東京の旅行代理店を辞めた若者のパクチーの水耕栽培、古民家をゲストハウスにしてしまった若者などなど、実に様々な挑戦が始まっている。横田さんはこうした若者の工場や店舗に足しげく通い、励ましたり相談に乗ったりする。そしていつしか、街には若者たちが集う活気を戻っていたのだった。今年もコンテストの時期がやってきた。今年の受賞者は…。

#62 世界に負けるな!手術支援ロボット

#62 世界に負けるな!手術支援ロボット

2017年12月23日放送
ロボット大国と言われる日本だが、手術支援ロボットの分野では海外製品に大きな遅れをとっている。この分野で日本ならではの技術を活かして支援ロボット作りに挑んでいるのが原口大輔さんだ。番組スタッフは原口さんが開発した手術支援ロボット取材のために鹿児島県鹿屋市の民間病院に向かった。その日はちょうど、胆のうを摘出する腹腔鏡手術が行われていた。通常の腹腔鏡手術では、手術のために内視鏡を操作する専門家が必要なのだが、原口さんが開発した手術支援ロボットを使えば、内視鏡を操作する専門家がいらなくなる。執刀医の顔の動きに合わせて内視鏡がスムーズに動き、通常の手術より一人少ない人員で胆のうが見事に摘出されたのだった。その原口さんが今、開発を急いでいるのが手術で臓器をつかんだり、切ったりする手術支援ロボットだ。手術時の感触が操作する手に伝わるようにしたいという。手術の感触が伝わるロボットが実用化されれば、世界初の快挙となる。その開発は山場を迎えていたのだが、その要となる技術は実に日本的なものだった…。

♯61 世界遺産にも使われた液体のガラス

♯61 世界遺産にも使われた液体のガラス

2017年12月16日放送
世界遺産、厳島神社の大鳥居や日本海海戦で活躍した戦艦三笠のデッキ部分には液体のガラスが使われている。これを塗れば、風雨や火災から木造の建造物などを守ることができるため、今では名所旧跡から公園のベンチにいたるまで使われるようになった。開発したのは御年80歳の塩田政利さんだ。まずは論より証拠。塩田さんはわれわれのカメラの前である実験を行った。見た目は寸分と違わない木材で作った家の模型を二つ並べ、両方に火をつけた。ひとつは燃え盛った後に崩れ落ちるのだが、もうひとつはなぜだか焼け落ちずに残っている。焼けなかった模型には塩田さんが開発した液体のガラスが塗ってあるため、火から木材を守ったのだった。11月末、鎌倉最古の寺、杉本寺ではちょうど『液体ガラス』の塗装作業が行われていた。果たして風雨と埃で傷ついたお堂は本来の姿を取り戻すことができるのだろうか…。

#60 交通弱者を救え!バスの自動運転

#60 交通弱者を救え!バスの自動運転

2017年12月09日放送
群馬県桐生市は公道での自動運転の実験に協力的な都市だ。この地で、バスの自動運転化を目指しているのが群馬大学の小木津武樹(おぎつたけき)准教授だ。桐生市内にはすでに低速電動バスが走っているが、小木津さんはこの電動バスに注目した。電動バスは自動運転との親和性が高く、この電動バスに自動運転機能を取り付ければ、もっと便数を増やせて、お年寄りなどの交通弱者を救うことができると考えた。車両の開発を担当したのは、同じく桐生市に工場がある宗村正弘(むねむらまさひろ)さんだ。現在の電動バスをさらに改良した自動運転用の車両開発は順調に進んでいる。難しいのは、この車両に魂を吹き込む自動運転システムの開発だ。カメラは桐生市内の一般公道で行われる自動運転に密着、右折や信号機の認識など小木津さんの走行実験を追った。

#59 空き家を使って地元を元気に

#59 空き家を使って地元を元気に

2017年12月02日放送
全国の空き家の数はおおよそ820万戸もある。こうした空き家をうまく活用し、地元を元気にしようと取り組んでいるのが藤原岳史さんだ。藤原さんが一躍脚光を浴びたのは、自らの故郷、兵庫県篠山市にある丸山集落での取り組みだった。12軒中7軒が空き家で、集落は消滅寸前までに追い込まれていた。藤原さんは地元を元気にするためにこの空き家を宿に改修することを思いつくが、村人たちからは素人に宿なんてできるわけがないと理解が得られなかった。それでも藤原さんは何度となく通い村人の理解を得て、ついに築160年の古民家などをホテルとして開業、評判が評判を呼んだ。「リゾート地とか日本一の観光地を作りたいわけではない。ここに来れば、お客さんたちと村の方たちとの物語ができる」と藤原さんは言う。今、藤原さんは全国各地を飛び回っている。歴史と水郷の町、千葉県佐原や醤油発祥の地として知られる和歌山県湯浅町、多摩川の源流、山梨県小菅村などなど。過疎や空き家に悩む地元を元気にする藤原さんの取り組みを追った。

#58 赤ちゃんを救え!日本発の人工呼吸器

#58 赤ちゃんを救え!日本発の人工呼吸器

2017年11月25日放送
低出生体重児、いわゆる未熟児として生まれた赤ちゃんに酸素をおくるために使用される人工呼吸器。かつては海外製の人工呼吸器が主流だったが、この分野で圧倒的なシェアを誇る人工呼吸器がある。開発したのは日本在住50年、ベトナム出身のトラン・ゴック・フックさんだ。きっかけはフックさんが日本の医療機器メーカーに勤務していたころ、人工呼吸器で命が助かっても、気管支が変形するなどの後遺症に苦しむ赤ちゃんたちを幾度となく目の当たりにしたことだった。フックさんは、それを解決できる、あるアイデアを温めていた。赤ちゃんの肺に一度にたくさんの酸素を送るのではなく、細かく酸素を送り出し肺や気管支への負担を減らすというものだ。当時は、そのアイデアを実現した人工呼吸器はまだなかった。
フックさんはこのアイデアを信じ、赤ちゃんに負担の少ない人工呼吸器づくりを目指して動き始めるのだが、開発までにはいくつもの壁が立ちはだかるのだった…。

#57 尾道ならではの色を求めて

#57 尾道ならではの色を求めて

2017年11月18日放送
広島県尾道市。映画や小説の舞台として有名な坂道の多い風光明媚な港町だ。新里カオリさんは、東京から尾道に移り住み、伝統の尾道帆布を使った工芸品を製作している。評判を呼んだのが、その染色手法だ。新里さんは尾道ならではの素材を使って帆布を染め、独特の色や風合いを表現する。例えば地元で忘れ去られようとしていた柿渋を復活させた。染め物教室で子供たちと一緒に青い柿を砕き、柿から汁を絞り出す。柿汁が発酵し、2年ぐらい経てば見事な柿渋になる。このようなプロセスを経て独特な風合いを出すことに成功したのだった。新里さんは尾道でさかんな造船業で出る鉄粉にも注目した。東京の染色工場の協力を得て、鉄の粉を帆布に塗り込みヤスリをかけた。すると、メタルグレーの生地にムラ感が出て独特の風合いになり、評判となった。新里さんはいつも尾道ならではの素材を使って、尾道ならではの色を出したいと考えている。そんなある日、老舗の味噌屋さんから贈答品用のバックの依頼が舞い込んだ。味噌にかかわる染色素材とは何か…、新里さんは思案をめぐらすのだった…。

#56 家が浮いた…地震でも揺れない技術

#56 家が浮いた…地震でも揺れない技術

2017年11月11日放送
東日本大震災では、茨城県つくば市でも震度6弱を観測し、大きな被害があった。ところが、ある一戸建て住宅では揺れがほとんどなく、室内の置物さへ倒れなかったという。その家では地震をセンサが検知、大きな揺れが来る前に家全体を空気の力でわずかに浮かせる装置が作動したからだった。開発したのは、建築士の坂本祥一さんだ。今では、全国で200軒以上の一軒家や古民家、神社での施工実績を誇る。取り付けた自宅を見に行くと、センサが作動してから1秒も経たないうちに、空気の力で大きな家が浮き始めた。3分間は浮上したままだという。
今、坂本さんはこの技術をビルにも応用できないかと、制震装置のスペシャリスト倉林浩さんや東京電機大学の古屋治准教授とビル用装置の実験と検証を繰り返している。実験場で重さ1トンもある制振装置を浮上させるというのだが、果たして…。

#55 世界に一つだけのばね

#55 世界に一つだけのばね

2017年11月04日放送
重さが800キロもある巨大なばね。東京スカイツリーの頂上部にある日本最大級の制振装置に、この巨大ばねが4本も取り付けられている。3月11日の東日本大震災の激しい揺れにも、この制振装置が働きアンテナはびくともしなかった。この巨大ばねを作ったのが、東海バネ工業の渡辺良機社長が率いるばね職人たちだ。ばね職人に贈られる最高の賞「プラチナ賞」を受賞した職人は全国に56人いるが、そのうち17人が東海バネ工業の職人という精鋭揃いである。渡辺社長は「マニュアル化、標準化が日本のものづくりを弱くしてしまった」とマニュアル化に否定的で、職人から職人への伝承を大切にしている。これまでにこの技術力の高さで、宇宙ステーション「こうのとり」の打ち上げロケットに使われたばねや人工衛星用のばねなど、世界にたった一つの、オンリーワンのばねを製造してきた。
取材に行った工場では年に数回の注文しかないという巨大なばね、「竹の子ばね」の製作が始まっていた。大勢の職人たちによって、真っ赤に熱せられた金属の板が巻き上げられていく。その時、職人の分厚い前掛けからは煙が出始めていたのだった…。

#54『脳内の地雷』に最先端技術で挑む

#54『脳内の地雷』に最先端技術で挑む

2017年10月28日放送
『脳内の地雷』と言われる血管のコブ、脳動脈瘤。もし破裂し、くも膜下出血を起きれば3割の患者が命を落とすといわれる。この脳動脈瘤を破裂させないために行うのが、コイル塞栓術という治療法だ。この分野で数々の技術革新を行ってきたのが、世界的な名医、東京慈恵会医科大学の村山雄一教授だ。手術はまず脳動脈瘤の患部に大腿部の動脈からカテーテルを到達させる。次に、このカテーテルの管の中に細いコイルを通し、このコイルで脳動脈瘤の患部をグルグルと埋めて、塞いでしまうのだ。これまで村山教授は、絶えず手術の問題点を洗い直し、数々の技術革新を行ってきた。例えば、大学の脳血管内治療センター内には医師だけでなく、東京理科大学のエンジニアたちを集結させ、動脈瘤の実物大の3Dモデルを作成。手術前には必ず3Dモデルに合わせてカテーテルの形を形状記憶させ、手術の安全性を格段に高めてきた。その村山教授が今、力を入れているのが血流のコントロールだ。そのために、このプロジェクトに参加した東京理科大の研究チームが、暗闇の中で不思議な実験を行っていたのだった…。

#53 脳波で気持ちを見える化

#53 脳波で気持ちを見える化

2017年10月21日放送
脳波のデータを基に人の気持ちを見える化する装置を開発したのは慶應義塾大学の満倉靖恵(みつくらやすえ)准教授だ。15年間にわたって延べ8000人のデータを蓄積、感性アナライザという装置を開発した。頭にヘッドホーン状のものを装着、額と耳たぶの2点から脳波を計測し、その時、その時の「興味、好き、集中、ストレス、沈静」の五つの状態をタブレットに表示する装置だ。例えば、この装置をつけた研究生の前にお寿司を置くと、好きのレベルが跳ね上がり、寿司を食べさせないでおくと今度はストレス度が上昇する。個人の気持ちの揺れが見事にグラフで表示される。満倉さんはこのデータの蓄積を利用して、ほかにも人の気持ちを見える化する機器を次々と開発している。その満倉さんが、今、力を入れているのが人の気持ちを元気にさせる装置の開発だ。万華鏡を使うというのだが…。

#52 「呼吸する和紙」から繊細な光が…

#52 「呼吸する和紙」から繊細な光が…

2017年10月14日放送
その和紙からは繊細で柔らかな光がこぼれる。それだけでない。湿度が高くなると湿気を吸い、空気が乾くと湿気を吐き出すように工夫された「呼吸する和紙」でもある。その美しさと機能性から、新国立競技場の設計を担う隈研吾さんやインテリアデザイナーの重鎮、内田繁さんなどの巨匠が作品に取り入れるなど評価は高い。
作っているのは愛媛県西予市に住む和紙デザイナーの佐藤友佳理さんだ。西予市は和紙作りに欠かせないきれいな水が湧き出る自然豊かな土地だ。佐藤さんはこの地で名水100選にも選ばれた観音水を使い、新たな和紙作りに挑んできた。最近の取り組みは新しくオープンした道後温泉別館のエントランスロビーを彩る和紙作品だ。愛媛の新しい顔となる道後温泉別館には、愛媛県を代表する漆器や焼き物などの職人の技が集結、佐藤さんにも依頼が舞い込んだ。道後温泉別館オープンまでの佐藤さんの新たな挑戦を追った。

#51 世界遺産や名画を救え!世界初のクローン技術

#51 世界遺産や名画を救え!世界初のクローン技術

2017年10月07日放送
世界遺産、中国・敦煌の莫高窟(ばっこうくつ)の中でも、第57窟の菩薩は人気が高いと言われている。しかし、近年、観光客の吐く二酸化炭素などの影響で劣化が進んでいる。この問題を解決するため、東京藝術大学の宮廻正明(みやさこまさあき)教授たちは、この第57窟の完全再現に取り組んだ。完全再現のために駆使したのは特許を取得した世界初のクローン技術だ。完全再現したものを展示などに利用すれば、本物の劣化を防げるかもしれない。すでに、高句麗古墳群の壁画やタリバンに破壊されたバーミヤン大仏の天井壁画「天翔ける太陽神」のクローンも制作してきた実績もあり、評価は高い。今回、宮廻教授たちは第57窟の菩薩像をどのように再現していくのか、カメラが追う。

#50 指が不自由でもつかめる箸

#50 指が不自由でもつかめる箸

2017年09月30日放送
木工職人の宮保克行(みやぼかつゆき)さんが作る箸は理科の教科書に掲載されたほか、英国の放送局、BBCのニュースでも扱われた。どんな箸かというと、指が不自由でも刺身や焼き魚をつまんで食べることができるように、障害に合わせて作りこまれている。いわばオンリーワンの箸ばかりだ。その宮保さんに、新たな依頼が舞い込んだ。依頼主は21歳の時にバイク事故で頸椎を損傷した男性で、右手は握力がほとんどなく親指が外側に動くだけだという。男性は事故から18年間スプーンやフォークを使い、お箸で食事をしたことがない。もう一度お箸を使ってサンマやアジの開きを楽しく味わいたいと心底願っている。
 まず宮保さんは依頼主を訪ねた。手の大きさや手の動きを丹念にチェック、動画で記録するためだ。工房に戻ると、使う人の身になってデザインの構想を固める。材料は軽くて丈夫なホオノキを使う。今回も工房で試行錯誤を繰り返しながら、箸は次第にその形を現していく。男性の身になって考案した、世界にたったひとつのユニークなデザインだ。出来上がった箸を手にした男性は早速、アジの開き、里芋の煮物に挑戦するのだった…。

#49 若者たちの挑戦!限界集落再生

#49 若者たちの挑戦!限界集落再生

2017年09月23日放送
※特別編成の為夕方6:30より放送致します。

宮崎県高千穂町。神が舞い降りたという神話で有名な町だ。周囲の山々には清らかな水が流れ、山間には美しい棚田が広がっている。その中の集落、秋元地区には40世帯100人が暮らしている。実に住民の6割が65歳以上という限界集落だ。限界集落とは、このままでは地区の存続が危ぶまれる集落のことだ。
その秋元地区を再生させようと若者たちが立ち上がった。従業員14名の「高千穂ムラたび」という会社がその中心だ。ほとんどは20代から30代の若者たちで、この会社が造ったある製品が大きな反響を呼んだ。その結果、今では秋元地区の耕作放棄地はゼロになり、地区に活気が戻ってきた。この会社の若きリーダー、佐伯勝彦さんと妻の絵里子ら若者たちのものづくりを追った。

#48 最長200時間のスーパー保冷剤

#48 最長200時間のスーパー保冷剤

2017年09月16日放送
新鮮な野菜を北海道から東京まで、まる2日間かけて保冷剤だけで輸送する大実験が行われた。運ぶ野菜は、鮮度の維持が難しいといわれる葉物野菜、ベビーリーフだ。夏の貨物コンテナという過酷な条件の中でベビーリーフが傷んでいたら、実験は失敗となる。
 今回の実験の主役は保冷剤だが、通常の保冷剤ではない。長時間、温度を一定に保てると同時に、生鮮野菜の輸送などに必要な湿度も保てるアイスバッテリーと言われる製品だ。この保冷剤だと電気を使わずに長時間の貨物輸送が可能になるため、今では日本航空など100社以上が採用、物流の世界に新風を吹き込んでいる。保冷するものもワクチンから生鮮野菜までと実に様々だ。開発したのは、来日30年のインド人、パンカジ・ガルグさん。日本企業のエンジニアだったガルグさんはなぜ、アイスバッテリーの開発に思い至ったのか?そして、輸送大実験でベビーリーフを傷めることなく運ぶことはできたのか、カメラが追った。

#47 動かなくなった右腕が動いた!脳の再生新薬

#47 動かなくなった右腕が動いた!脳の再生新薬

2017年09月09日放送
脳梗塞の後遺症でアメリカに住むソニアさんは右腕が動かなくなった。そのソニアさんの患部に臨床試験中の新薬を投与すると、その翌日に右腕が動くようになった。ソニアさんは今、アメリカのスタンフォード大学で「奇跡の患者」と呼ばれている。この「夢の新薬」の開発を急いでいるのは、日本のベンチャー企業、森敬太社長たちだ。開発には慶應大学やアメリカのスタンフォード大学を始めとする再生医療の第一人者たちがかかわり、新薬の承認に向けた治験は大詰めをむかえている。「脳は再生できない」と言われた時代に終止符を打つため、脳の再生新薬開発への挑戦を続ける森さんたちの奮闘を追った。

#46 手術に革命…『血の出ないメス』

#46 手術に革命…『血の出ないメス』

2017年09月02日放送
血管をメスで切断すると、本来なら血が噴き出るはずだ。ところがこのメスで切ると血が出ない。切断面を見てみると、見事に塞がっている。このメスを開発したのは、滋賀医科大学の谷徹(たにとおる)名誉教授。これまでに8000件以上の手術を行ってきた谷さんは、手術での出血を少なくして患者の負担を減らせないかと考え、長年、血の出ないメスの開発を続けてきた。
8月のある日、滋賀医大医学部附属病院では、すい臓腫瘍の摘出手術が行われていた。すい臓は体の奥にあるため、難しい手術のひとつと言われる。この手術で活躍したのが、谷さんが開発したメスだった。結果は、時間が短縮できたうえ、出血量も250CCと、想定量の半分程度に抑えられた。いったい、このメスはどのように出血を防いだのか、谷さんが心血を注いだメス開発を追った。

#45 熱中症を防止する技術

#45 熱中症を防止する技術

2017年08月26日放送
兵庫県に建設中の巨大物流倉庫。ここで今、熱中症にかかわる壮大な実験が行われている。実験は、日本気象協会、大阪大学、クラボウなどが中心となって、その都度の天気と建設現場の作業員たちの体表温と心拍をデータ化し、熱中症防止に役立てようというものだ。しかし、激しい動きをする建設作業員たちの体表温と心拍を安定して計測するのは難しい。機器と体にズレが生じるからだ。開発元のクラボウはこの難題を解決するため、信州大学繊維学部の金井博幸さんに白羽の矢を立てた。金井さんたちは、今では日本にただ一つの学部になってしまった信州大学繊維学部のプライドにかけて、この難題に挑戦するのだった。

#44 ポテチをつかむ『繊細ロボットアーム』

#44 ポテチをつかむ『繊細ロボットアーム』

2017年08月19日放送
本物の人の手に見えるロボットアームが、ポテトチップを割らずに一枚つかみあげる。かなり、繊細な力加減が必要なはずだ。この操作を見せてくれたのが、慶應義塾大学の野崎貴裕さんだ。ためしに通常のロボットアームで同じことを行ってもらうと、柔らかいシュークリームやにぎり寿司、ポテトチップのいずれも壊さずにつかむことができない。野崎さんによれば、通常のロボットではつかむものの大きさや形が一定の場合は、プログラムで教え込めば正確に何度も同じように繰り返すことができる。しかし、大きさや硬さにばらつきがあるとうまくつかめないという。野崎さんたちが開発したロボットアームは、こうした問題を解決するために、ある技術を使っている。その技術とは、慶應の恩師で、ロボット界の重鎮でもある大西教授から受け継いだリアルハプティクスという技術だ。なぜ、その技術を使うと、崩れやすいものや柔らかいものをつかんだりできるというのだろうか?

#43 究極のオーガニックタオル

#43 究極のオーガニックタオル

2017年08月12日放送
アフリカはウガンダの首相に名前を知られているのが、大阪府泉佐野市のタオルメーカー経営者、奥竜一(おくりゅういち)さんと龍将(たつまさ)さん親子だ。奥さん親子が住む泉佐野市は日本のタオル産業発祥の地と言われる泉州にある都市だ。泉州のタオル業界は近年、中国などの輸入タオルに押されて苦境に立たされ、メーカーの数も全盛時に700社近くあったのが、7分の1にまで落ち込んだ。奥さん親子は今から11年前、外国産に勝つために、「誰にも真似のできないオンリーワンを作ってやろうじゃないか」と腹を決めた。注目したのが、ウガンダ産の有機栽培綿だった。ウガンダも外国産の安い衣類が流入、綿花栽培は苦境に立たされていたが、それでも人々はひたすら真面目に綿を作り続けた。奥さん親子はその姿勢に心を打たれたという。この地で農薬も化学肥料も使わずに、昔ながらの栽培法で作られる「ほんまもん」を使おう。奥さん親子の足掛け9年におよぶ、究極のオーガニックタオルづくりが始まった。もちろん、製造工程でもコットン以外に使うのは、天然水と無添加石鹸だけ。しかし、その道には幾多の難関が待ち構えていたのだった…。

#42 犬や猫がスムーズに歩ける、走れる義足

#42 犬や猫がスムーズに歩ける、走れる義足

2017年08月05日放送
獣医師たちから注目されているのは、日本で初めて動物専門の義肢装具士となった島田旭緒(しまだあきお)さんだ。これまでに1万匹以上の犬や猫の義足などを手掛けてきた。歩くのがやっとだった犬が元気に走り回り、足が痛くて外に出るのを嫌がっていた犬が散歩をするようになるなど、島田さんが作る義肢装具は、ペットの気持ちがわかる飼い主や獣医師が納得するほどの出来栄えだ。装具は、島田さんが獣医師や飼い主と相談しながら、犬や猫の病状を正確に理解し、石膏で足型まで取って作り上げる丹念な作業だ。その日も、ある獣医師から島田さんに連絡があった。病院に行くと、高齢のワンちゃんが歩くことも立つこともできない状態で喘いでいた。島田さんは、病状などを聞き、石膏の足型を取り、丹念な義肢装具づくりを始めるのだった。果たしてその出来栄えは…?

#41 アルミ付きのゴミを電気に変える

#41 アルミ付きのゴミを電気に変える

2017年07月29日放送
飲料パックやお菓子の袋、カップ麺のふたの裏側などを見ると、銀色に光って見える部分がある。これは、アルミだ。こうしたアルミの付いたゴミはリサイクルが難しく、ほとんどが焼却や埋め立て処分にされてきた。その量は家庭ゴミの実に20%にも達するという。
こうしたアルミの付いたゴミをなんとか有効活用したいと立ち上がったのが、運送会社の元事務職だった水木伸明(みずきのぶあき)さんだ。水木さんは、こうした家庭ゴミからアルミを取り出し、しかもそれを電気に変える発電装置の開発をリードした。しかし、ゴミの中から高純度のアルミを取り出す作業は、簡単にはいかなかった。打開策は、『乾留』(かんりゅう)という特殊な技術だった。この技術を使い、試行錯誤の末に水木さんたちは純度の高いアルミの取り出しに成功、発電に漕ぎ着ける。プロジェクトは順調に進み、水木さんたちは次の目標に邁進した。それは災害時に電源がなくても発電できるようにすることと発電装置をもっと小さくすることだった。そんな矢先、水木さんを病魔が襲うのだが…。

#40 日光東照宮にも使われた絵具がネイルに

#40 日光東照宮にも使われた絵具がネイルに

2017年07月22日放送
日光東照宮の修復にも使われた岩絵具(いわえのぐ)や胡粉(ごふん)は、古来使われてきた絵具の一種だ。日本人は豊かな自然を表現するために、緑色だけでも、鶯緑、若葉、濃草など70種以上の緑色を使い分けて、微妙な濃淡を自在に表現してきた。
日本最古の絵の具商、上羽絵惣(うえばえそう)の10代目、石田結実さんは、こうした豊かな色合いの絵具の新たな使い道を考えだした。それは、ツメに塗るネイルの分野だった。上羽絵惣のネイルは豊かな色合いに加えて、シンナーや有機溶剤を使わないので、ツメにもやさしく刺激臭もない。すぐに評判となった。
 実はこの新しいネイルに欠かせないのが、胡粉だ。雛人形の顔や美人画の白い肌、日光東照宮の純白部分もすべて、この胡粉が使われている。なぜ、ネイルに胡粉が必要だったのか、その訳を知ろうとカメラは工場へと向かう。

#39 半身麻痺からスムーズに歩く

#39 半身麻痺からスムーズに歩く

2017年07月15日放送
脳梗塞や脳出血の後遺症で半身麻痺が残り、思うように歩けない人たちがいる。こうした人たちにスムーズな歩きを取り戻してもらおうと、早稲田大学のロボット研究者、田中英一郎さんと広島大学で再生医療に取り組む弓削類さんがタッグを組んだ。開発したのは、歩行補助ロボットだ。半身麻痺になると、つま先が上りにくくなるため、スムーズな歩行が難しくなる。歩行補助ロボットは、患者のつま先を上げさせることで、カカトから着地させ、スムーズな歩行につなげる仕組みだ。
開発者の田中さんと弓削さんは、よく病院や施設に足を運ぶ。今回も、脳梗塞で麻痺が残り、リハビリに励んでいる女性のもとに向かった。ふたりの前で初めてロボットを装着した女性は、軽やかな一歩を踏み出すのだった…。

#38 てんぷら油が電力に、『TOKYO油電力』

#38 てんぷら油が電力に、『TOKYO油電力』

2017年07月08日放送
染谷ゆみさんはタイム誌が選ぶ「世界の環境の英雄たち」に取り上げられたこともある有名人だ。使用済みの天ぷら油を精製してバイオディーゼル燃料として再利用するという循環システムを作り上げ、脚光を浴びたのだった。この取り組みが始まったのは今から24年も前のこと。今では料理店などの廃食油以外に、家庭から出る使用済みの油を集めるための回収ステーションを作り、首都圏近郊500か所にまで広げている。
「東京は油田だ」と言う染谷さんは今、これまでの経験をもとに新たな挑戦を始めている。使用済みの天ぷら油をそのまま利用し、今度は電力を生み出そうという試みだ。まずは500世帯分の発電が緒に就いたばかりだが、染谷さんはさらにその先を見つめていた。果たして、その行方は…。

#37 視線で動かせる意思伝達装置

#37 視線で動かせる意思伝達装置

2017年07月01日放送
吉藤健太朗(よしふじけんたろう)さんといえば、フォーブス誌が選ぶ「アジアを代表する30歳以下の30人」にも選ばれた有名なクリエイターだ。子供の頃は不登校に悩み、登校できたとしても保健室に行くことが多かった。そんな吉藤さんの名が世間から一躍脚光を浴びたのは、4年前に完成した分身ロボット「オリヒメ」だった。この「オリヒメ」を自分の行きたい場所に運べば、どんなに離れた場所であろうと相手と会話ができるうえ、向こうの様子も手に取るようにわかる。喜びや悲しみのパフォーマンスも分身ロボットが自分の代わりに自己表現をしてくれる。吉藤さんは自らの経験を踏まえ、会えない人と人をつなぎ、孤独を解消することにこだわり完成させたのだった。
吉藤さんが今、この「オリヒメ」をさらに進化させようと、新たなツールを開発した。
「オリヒメアイ」という意思伝達装置だ。この装置によって、全身の筋肉が衰え動けなくなるALS患者も自らの視線の動きだけで、オリヒメを動かし、コミュニケーションを図れるという。吉藤さんがこだわったのは例え病気であっても自分で自分の意思を相手に伝えられるようにすることだ。果たして、その実力は…。

#36 秩父で世界一のウイスキー

#36 秩父で世界一のウイスキー

2017年06月24日放送
埼玉県秩父市に従業員13名の小さな蒸留所がある。その蒸留所が造ったウイスキーが『ワールド・ウイスキー・アワード2017』のシングルカスクシングルモルトウイスキー部門で世界一に輝いた。
会社の代表は肥土伊知郎(あくといちろう)さんだ。今の会社を起業する前は、サントリーに勤めていた。代々の造り酒屋に生まれ、祖父の代からはウイスキー造りも始めたが、父親の代で事実上倒産した。残されたのは400樽の原酒だった。一時は廃棄の危機に直面したが、肥土さんの努力と周囲の協力で、原酒は廃棄を免れた。結局、この原酒をなんとか世に出したいという強い思いが肥土さんの転機となり、自らがウイスキー造りに乗り出すこととなった。2006年にプレミアムジャパニーズウイスキー部門で最高得点を獲得した伝説の一品、『ダイヤのキング』もこの原酒がもとになっている。
肥土さんは、今、原料から樽までオール秩父のウイスキーを作れないかと奔走している。秩父の蒸留所に行くと、随所に肥土さんならではウイスキー造りへのこだわりが垣間見えるのだった。

#35 「森の神様」が作る森の防潮堤

#35 「森の神様」が作る森の防潮堤

2017年06月17日放送
森の神様と言われるのは、植物生態学の権威、宮脇昭さんだ。砂漠化が進んでいた万里の長城を緑化したり、マレーシアでは再生が難しいと言われた熱帯林をよみがえらせたり、国内外1700か所に4000万本もの植樹を指導してきた。宮脇さんの植樹は「ポット苗」という小さな苗を植える方法をとる。成長した木を植えようとすると価格が高く、運搬コストもかかる。さらに根を切るため、木の負担も大きい。
もうひとつ大切なのが、その土地本来の木を選ぶこと。そのために宮脇さんは全国の神社や寺を巡り、その土地本来の木を調査し続けてきた。東日本大震災で被災地の調査に入った時には、津波によって無残な姿をさらす松の木の近くで、その土地本来の木がしっかりと根を張り、耐え抜いているのを確認している。
今、宮城県岩沼市では、宮脇さんを提唱してきた全長10キロにおよぶ森の防潮堤づくりのプロジェクトが佳境を迎えている。5月には4000人が集まり、ポット苗を植樹。これまでに植えた木は28万本にも達していた。空から見えるその光景は…。

ナレーション:賀来賢人

#34 ブナの木を生まれ変わらせた技術

#34 ブナの木を生まれ変わらせた技術

2017年06月10日放送
青森県と秋田県にまたがる世界遺産の白神山地。白神山地だけでなく、ブナの木の多さで青森県は日本一だ。しかし、このブナ、水分が多いため、長年、建材や工芸品には不向きな木と言われてきた。木へんに無と書いて、橅(ぶな)と読むように、木では無い木という不名誉な字まで当てられてきた。
この役に立たないと言われてきたブナを、価値のある木に生まれ変わらせたのが、青森県弘前市の倉田昌直さん。インテリアなどにブナの木を使うほか、特に照明器具ではブナの木に光を当てると赤い光を放つ特性を見事に取り込み、内外で注目を集めるまでになった。しかし、水分が多く、乾燥に時間がかかるブナを利用するためには、独特の生産技術が必要だった。その技術とは…?

ナレーション:賀来賢人


#33 米からできた新食材に広がる可能性

#33 米からできた新食材に広がる可能性

2017年06月03日放送
米から生まれた新食材が開発され、唯一の量産工場が稼働した。この新食材、米ゲルはゴムのような弾力を出すことも、トロリとした滑らかさを出すこともできる。また、小麦アレルギーに苦しむ人にとっては、小麦粉の代替食材としてパンだって、ケーキだって作ることができる。コメの消費が伸び悩む日本にとって、この新食材の需要が伸びれば、一石何鳥もの効果を得ることができる。開発したのは、杉山純一さん。国の研究機関で米ゲルの研究を続け、現在は米ゲル工場の技術顧問を務めている。ある日、杉山さんは、小麦を一切使わず、米ゲルを使ってスイーツが開発できないかと洋菓子界の重鎮に相談を持ちかけた。成功すれば小麦アレルギーの人にとっても安心して食べられる食品になるのだが、その結果は…。

ナレーション:小出恵介

#32 食べ残しをエネルギーに変える

#32 食べ残しをエネルギーに変える

2017年05月27日放送
温泉に宿泊した人の8割が食事を残した経験があるという。こうした食べ残しをエネルギーに変換したいと研究を続けているのが、東北大学大学院の多田千佳准教授。目指すのは、何一つ無駄にしない循環型の社会だ。宮城県の名湯、鳴子温泉では、多田さんの主導で旅館などの生ごみをバイオガスに変換する装置を作りあげた。この装置を動かすために欠かせないのが食べ残しを分解し、ガスを発生させる微生物の力だ。装置内の温度は、微生物が活発に動く温度、35度に保たれるように温泉のお湯を再利用して温めている。ここでは循環型の社会を目指す工夫が随所に凝らされ、そのガスを利用してカフェのお湯を沸かすなどの取り組みが行われている。鳴子温泉の隣町でも、同様の取り組みが始まるなど広がりを見せているが、実はこの装置の開発を押し進めたのは、東北大震災の時に味わったある思いだった。

ナレーション:賀来賢人

#31 命をつなぐ盆栽作家

#31 命をつなぐ盆栽作家

2017年05月20日放送
※特別編成の為夕方6:30より放送致します。

4年に1度の世界盆栽大会が、4月に埼玉の大宮で開かれた。40の国と地域が参加、三日間で4万5000人が来場し、世界的に盆栽人気が広がっている。今回の主人公は、盆栽作家の鈴木伸二さん。盆栽作家の最高峰、「作風展」で内閣総理大臣賞を5回も受賞した人物だ。鈴木さんが拠点とする長野県小布施町の盆栽美術館には、大型バスで海外の盆栽愛好家たちがやってくる。樹齢何百年の盆栽をにこやかな顔で鑑賞し、「心がとても落ち着く」と話す海外の人を前に熱弁をふるう鈴木さんだが、実は今回の世界盆栽大会では、ある大役を任されていた。鈴木さんは目前に迫る世界大会に向けて準備を急ぐのだった。

小出恵介

#30 夢の新合金で金属アレルギーを減らしたい

#30 夢の新合金で金属アレルギーを減らしたい

2017年05月06日放送
人工関節や義歯など、体内に入れる金属類で日本は海外に後れを取ってきたという。東北大学の千葉晶彦教授は、アレルギーを引き起こしやすいといわれるニッケルを使わないで、合金を作れないかと考えてきた。以来、海外の論文を読みふけり、試行錯誤を繰り返す日々が続いた。ニッケルを入れると粘りが出て、加工がしやすくなるのだが、ニッケルを入れないと加工が難しくなるというジレンマを抱えていた。そしてついに夢の新合金は誕生するのだが、今度は新合金の量産化という課題が待ち受けていた。千葉教授は、生産の地として東北にこだわり、岩手県釜石市の町工場に量産を託す。しかし、そこは、プラスチック加工が専門の工場で、金属加工の経験がない工場だった…。

ナレーション:賀来賢人

#29 海藻が生えるコンクリート

#29 海藻が生えるコンクリート

2017年04月29日放送
北海道では、コンクリートにしっかりと根を張って育つ昆布が確認されているほか、全国の多くの場所で、そのコンクリートの力で海藻がすくすく育っている。海藻が育つコンクリートの開発を進めたのは、コンクリートメーカーの西村博一さんだ。ある日、西村さんは、特産品のアワビが年々減っている町からの依頼を受け、現地へと向かった。6年前にアワビの餌となる海藻が茂っていた場所は、海藻がなくなっていた。「海の砂漠化」といえる、このような現象はここだけでなく、日本各地で起きている。西村さんたちはアワビが住みやすい形状に整えた新型コンクリートをこの海に沈め、海藻が茂る豊かな海づくりへの挑戦を始めるのだが、その結果は…?同時に、番組では海藻が生えるコンクリートの仕組みを解き明かしていく。

ナレーション:小出恵介

♯28 沖合での養殖で世界に挑戦

♯28 沖合での養殖で世界に挑戦

2017年04月22日放送
天然の魚に負けない、おいしい養殖魚をたくさん育てるシステムを作りたい。三重県尾鷲市で、いま壮大な規模での実験が始まっている。湾の沖合には、通常の生簀の何倍もの大きさを誇る生簀があるという。ところが船で行ってみると、見当たらない。担当者が船からパイプで空気を送ると、水深15メートルの海中から巨大な生簀が浮上した。一方、鳥取の境港市では、もうひとつの実験が始まっていた。沖合の生簀に遠隔操作で餌を与える施設の実証実験だ。
尾鷲も境港のプロジェックトも地元の協力を得ながら進めているのは、魚とは無縁のエン
ジニアたちだった。養殖大国、ノルウエーに負けない日本独自のシステムを作り出そうと
奮闘する二人を追った。

ナレーション:賀来賢人

♯27 見て気持ちいい、使って気持ちいいデザインとは

♯27 見て気持ちいい、使って気持ちいいデザインとは

2017年04月15日放送
トイレから水のタンクを無くしたり、優美な曲線を使ったキッチンを考案したり、何とグッドデザインを23回も受賞した女性デザイナーがいる。芝浦工業大学の橋田規子さんだ。
彼女がこだわっているのは、エモーショナルデザイン。人の感情に直接訴えかける魅力的なデザインのことだ。研究室に行っても、自宅に行っても、橋田さんがデザインした製品がたくさん並べられており、心地のいい印象を見る人々に与える。橋田さんの作品は多いが、例えば橋田さんが哺乳瓶をデザインするとどうなるのか?番組は体にも心にも「心地いい」デザインとは何かを探っていく。

小出恵介

♯26 世界初!水を使わずオフィスで再生紙

♯26 世界初!水を使わずオフィスで再生紙

2017年04月08日放送
ごご1:00~1:30
オフィスで毎日、大量に消費されるコピー紙。そこに残された情報や機密を消去する同時に、コピー紙そのものを再生させるというオフィス機器の開発に挑戦したのは、エプソンの市川和弘さんたちだ。社長からの命令だった。
通常、紙の再生には紙の重量の40倍の水を使用して、紙を溶かす。それをオフィスで行うためには水を使わずに、行わなければならない。市川さんたちの試行錯誤が始まった。市川さんたちは、ある日、和紙の切れ端にそのヒントを見つける。そして開発開始から4年、ついに100以上もの特許を持った機器の開発に漕ぎ着けるのだった…。

ナレーション:賀来賢人

♯25 「掴んだら離さない」ダイヤモンドピンセット

♯25 「掴んだら離さない」ダイヤモンドピンセット

2017年04月01日放送
山形県のメッキ工場の三代目、岡崎淳一社長は、父が残してくれたダイヤモンドめっきという独自の技術を使って、畑違いの医療の世界に参入することを思い立った。目指したのは、「掴んだら離さない」ピンセット(正確には手術用セッシ)だ。
ピンセットの先にダイヤモンドをめっきして、グリップ力を高めるという狙いだ。これが開発できれば、小さな血管を小さな針で縫い合わせる外科手術で、滑らずに手術ができるという。しかし、医療現場からは、ダイヤモンドめっきが手術中に取れるのでは、という不安の声があった。岡崎社長は現代の名工に選ばれた今野さんと開発を続け、ついにこの不安を解消するための技術を見つける。
開発のヒントになったのは、地元山形のお城を支える石垣にあったのだが、それは…。

ナレーション:小出恵介

♯24 脳波で動く車椅子

♯24 脳波で動く車椅子

2017年03月25日放送
スイッチを動かす操作をしなくても、頭に目的地を思い浮かべるだけで動き出す車椅子が開発された。脳波を利用するという。開発したのは、金沢工業大学の中沢実教授の研究室だ。例えば数字の1のイメージを思い浮かべれば自宅に、2を思い浮かべれば病院に、といった具合だ。この車椅子にいち早く興味を示したのが、富山大学附属病院。入院患者が人の手を借りずにトイレや検診に行けるように、このシステムを活用したいという。中沢教授の研究室は病院での実用化に向けた開発を始める。難関となったのは、安全上の配慮から、乗っている人が止まりたいと思った瞬間に車椅子を止めることができるかどうかだった。そのためには瞬時に読み取れる脳波が必要だった。具体的には顔の表情を変えた時に検出できる脳波を利用するというが、その結果は?

ナレーション:賀来賢人

♯23 聞こえやすい不思議なスピーカー

♯23 聞こえやすい不思議なスピーカー

2017年03月18日放送
高音質ではないが、誰でも、どこでも聞こえやすいスピーカーが注目されている。そのスピーカーは高齢者にも聞こえやすく、空港などの騒々しい場所でもアナウンスが通りやすい特性を持つ。今では、羽田空港のJALカウンターや銀行の窓口、老人福祉施設などでの利用が広がっている。
そのスピーカーを開発したのは、平均年齢56歳のシニアたちが集まったベンチャー企業だ。60歳の社長、佐藤和則さんが開発に乗り出したきっかけは、「高齢者には蓄音機が聞き取りやすい」という話を耳にしたことだった。元ケンウッドのエンジニアだった71歳の宮原さんと二人三脚での開発が始まった。やがて、ふたりは蓄音機の音がなぜ聞こえやすい音を出せるのかという核心に迫っていくのだった。

ナレーション:小出恵介

♯22 世界が欲しがるARITA焼

♯22 世界が欲しがるARITA焼

2017年03月11日放送
400年の歴史を持つ有田焼。白地に青色顔料で模様を表す「染付」、赤から金色までを使った「色絵」や余白の美を追求した「柿右衛門様式」が有名だ。そんな伝統を持つ佐賀県有田町で、世界の名立たる有名シェフからの注文を受け、有田焼の洋食器を作っている窯元がある。そこに並ぶ有田焼は、従来のものとは色味や形がずいぶんと違う。
窯元の蒲地勝社長が家業を引き継いだのは先代社長が亡くなった15年前のことだ。全社員を前に、「きょうからフランス料理の食器をつくるから!」と言い放った。有田焼は最盛期の30%まで落ち込み、蒲地社長の会社は借金を抱え窮状に喘いでいた。伝統の町で周囲の反発を買いながらも、新たな器の開発が始まった。そして、蒲地社長は開発した器を持って、アポなしで、フランスの最高級ホテル「ホテル・ド・クリヨン」の総料理長を訪ねた。ここから蒲地社長の運命は大きく旋回していく。


ナレーション 賀来賢人

♯21 海中都市をつくる最新技術

♯21 海中都市をつくる最新技術

2017年03月04日放送
太平洋のキリバス共和国は、海面上昇の影響を受け、水没の危機に瀕している。清水建設の竹内真幸さんは10万人が海上都市に住める「グリーンフロート」という構想を打ち上げた。4年前にはキリバスの大統領にこの構想を説明し、計画を推進している人物だ。
その竹内さんが新たに打ち出したのが、「オーシャン スパイラル」構想で、海上ではなく海中に5000人が快適に居住できる都市を造るというものだ。海上と海底の温度差を利用した発電や海底資源を活用して、循環型のエネルギー社会を目指すという。そのために竹内さんは日本各地の研究所や工場を歩き、確かな技術力に構想実現の確信を強める。

ナレーション 小出恵介

♯20 離乳食で地元を元気に

♯20 離乳食で地元を元気に

2017年02月25日放送
ごご3:23~3:52
滋賀県の魅力を伝える10の商品のひとつに選ばれたのは、『はたけのみかた』という会社が作ったある商品だ。社長は24歳の武村幸奈さん。農業経験がない武村さんが目指したのは、無農薬野菜を使って、離乳食を作ることだった。
大学時代、「食」で地元を活性化させるという研究課題に取り組んできた武村さんは、無農薬野菜を作る地元の農家の人たちと知り合った。畑に行って、土を払っただけで食べた野菜は格別においしかった。しかし、無農薬野菜は形が悪いというだけで、売れにくいのだと教えられる。農家の思いを知れば知るほど、解決策はないかという思いは募るばかりだった。
思いついたのが、無農薬野菜のそのままの味を引き出せる、薄味の食品、離乳食だ。仲間たちとの試行錯誤の日々が始まった。

ナレーション 賀来賢人

♯19 若きエンジニアが慕う町工場の社長

♯19 若きエンジニアが慕う町工場の社長

2017年02月18日放送
東京の墨田区にある町工場、浜野製作所。社長の浜野慶一さんは若きエンジニアたちから慕われる存在だ。以前、この番組で紹介した電動車イス『WHILL』の福岡宗明さんは車体部品の試作を浜野製作所で行った。分身ロボット『OriHime』を生み出した吉藤健太朗さんもパーツの加工をここで行い、「困ったときに浜野さんがいるのが大きかった」と感謝している。

浜野社長自身も、深海7800メートルで3Dハイビジョンの動画撮影に成功した江戸っ子1号の開発に参加するなど、ものづくりへの情熱を注いできた。
そんな浜野社長のところに、またひとりの若者がやってきた。農作業を手助けするアイデアを具体化したいという。浜野社長やスタッフはサポートを続け、ついに開発は山場を迎える…。

ナレーション 小出恵介

♯18 丹後織物でパリコレに挑戦

♯18 丹後織物でパリコレに挑戦

2017年02月11日放送
丹後地方は1300年の歴史を持つ絹織物の産地だ。今回の主人公は、丹後の伝統を引き継ぐ民谷共路さん。民谷さんの技法は螺鈿を生地に織り込む「螺鈿織」で、硬い貝を生地に織り込むための工夫が随所に凝らされている。カメラは「螺鈿織」の技法を丹念に追いかける。
今、丹後の織物は最盛期の3%の生産量にまで減少しており、苦境に立たされている。民谷さんたちは、なんとか次の世代にバトンを渡すため、日本だけではなく世界に打って出ようと考えていた。目指したのは、パリコレクションへの出品だ。そして、待ちに待ったパリからのオファーがついに…。

ナレーション 賀来賢人

#17 二酸化炭素で町おこし

#17 二酸化炭素で町おこし

2017年02月04日放送
今回の主人公は、佐賀市役所の井口浩樹さんだ。日本で初めて清掃工場の排ガスから二酸化炭素を回収し、活用し始めた佐賀市役所の挑戦を追いかける。二酸化炭素といえば、地球温暖化の元凶と言われ、どちらかといえば厄介者扱いされてきた。だが、二酸化炭素は炭酸飲料に利用されたり、ドライアイスの原料になったり、野菜の生育を促すなど役に立つ資源の側面を持つ。
今、佐賀市役所では、ミドリムシの培養で有名なベンチャー企業、ユーグレナなど様々な企業と共同でエコな町づくりを目指した研究を進めている。未来産業の拠点になるような取り組みを追った。

ナレーション 小出恵介

♯16 日本の冬でも育つバナナ

♯16 日本の冬でも育つバナナ

2017年01月28日放送
今回の主人公は、日本の冬でも育つバナナを生み出した岡山県の田中節三さんだ。田中さんの手掛けるバナナ園では、真冬でもバナナが、たくさんの実をつけている。田中さんが子供の頃、バナナは贅沢品だった。「いつかバナナを自分で作って、お腹いっぱい食べてみたい」。少年時代の夢を胸に、苦節40年をかけてその夢を実現させた。しかも田中さんのバナナは、遺伝子組み換えの技術とは一切、無縁だ。

今、田中さんのもとには、北海道や青森といった寒い地域からもたくさんの人たちが視察に訪れている。今年の4月からは北海道での試験栽培も開始するという。奇想天外な発想と地道な努力で生み出した田中さんのバナナの秘密に迫る。

ナレーション 賀来賢人

#15 極小の太陽電池

#15 極小の太陽電池

2017年01月21日放送
エジソンが京都の石清水八幡宮にある竹をフィラメントとして使い、電球の実用化に成功したのは有名な話だ。今回の主人公は、そのエジソンを尊敬し、初詣には石清水八幡宮にお参りしてきた半導体のスペシャリストで、ベンチャー企業を立ち上げた中田仗祐(なかたじょうすけ)さんだ。
中田さんが開発したのは、極小の太陽電池で、しかも球のように丸い。パチンコ玉や仁丹よりかなり小さな直径1.2ミリの球状太陽電池である。球状のため、光を取り込む範囲が広い。また小さなため、デザインの自由度が高いのが特徴となっている。近年、ウェアラブル端末への利用などに期待が高まっている。
この太陽電池の開発は困難を極めたが、開発の鍵を握ったのは無重力空間を利用した実験だった。そこでの実験で失敗を重ねた中田さんは、エジソンのように、あるアイデアがひらめいたのだった…。

ナレーション 小出恵介

♯14 伝統の組紐技術で人工筋肉

♯14 伝統の組紐技術で人工筋肉

2017年01月14日放送
今回の主人公は、繊維の街、倉敷で伝統の組紐(くみひも)を作っている会社の清板社長だ。全国の繊維業者は、30年前に6万軒以上あったのが、今では安い輸入品に押されて4分の1になってしまった。それは繊維業だけではなく、組紐製造の会社も同じで、伝統を守り、生き残るためのチャレンジが求められていた。

そんな中、ある依頼が舞い込んだ。東京工業大学の鈴森教授からの依頼で、組紐の技術を使って非常に細い人工筋肉を作りたいというものだった。畑違いの分野に踏み出す決心をつけた清板社長と鈴森教授の挑戦は始まるが、そこには越えねばならない技術的な壁が立ちはだかっていた…。

ナレーション 賀来賢人

#13 ノーベル賞受賞者の次の一手

#13 ノーベル賞受賞者の次の一手

2017年01月07日放送
今回の主人公は、青色LEDでノーベル賞を受賞した天野浩教授と工学博士の小熊久美子さんのふたり。2人が目指すのは世界で安全な水を飲むことができない6億人以上の人々に安全な水を飲んでもらうこと。不衛生な水で毎日1000人近くの子供が命を落としている。

この現状を解決するため、天野教授はLEDで作り出すことができる深紫外線を利用して、水を殺菌しようという装置の開発を長年、精密機器メーカーと続けてきた。小熊久美子さんも、同じ方法で水殺菌を目指す研究者だ。この二人がタッグを組むことによって、水殺菌装置の開発は、佳境を迎えていた。小熊久美子さんンは、この装置を持ってベトナムに向かう。

ナレーション 小出恵介

♯12 地震に強いドームハウス

♯12 地震に強いドームハウス

2016年12月24日放送
4月に起きた熊本地震。南阿蘇村のレジャー施設にある450棟のドームハウスはほとんど無傷だった。震災1か月後には受け入れが始まり、最大650人もの被災者を受け入れ、地元にも貢献した。
今回の主人公は、誰もが思いつかない発想で、このドームハウスをつくった元和菓子屋の経営者だ。

しかし、その道は平坦ではなく、強度や耐火性など安全性を証明するための実験を重ねる日々が続いた。なぜ、ドームハウスは地震に強いのか、開発の苦心を含めドームハウスの開発者に迫る。

ナレーション 賀来賢人

♯11 人工知能で卓球コーチ

♯11 人工知能で卓球コーチ

2016年12月17日放送
囲碁や将棋、チェスの世界では、人工知能が名人クラスの強豪を次々に打ち破る時代に突入した。実際、人工知能に人間が支配される時代が来るのではないかと警鐘を鳴らす人もいる。

今回の主人公は、体温計や血圧計でおなじみのオムロンのエンジニアだが、人工知能を使って人に寄り添うロボットを作りたいと考えていた。具体的なプロジェクトは先輩エンジニアたちの開発してきた卓球ロボットに人工知能を取り入れ、卓球が下手な人でも上手な人でも実力に合わせて、卓球のラリーが続けられるコーチロボットに進化させることだった。そのためには卓球が上手か下手かを人工知能に判断させる必要があった。エンジニアたちの挑戦が始まった。

ナレーション 小出恵介

♯10 二足も四足も…変身ロボット

♯10 二足も四足も…変身ロボット

2016年12月10日放送
日本はロボット大国と言われながら
実際に福島原発事故の発生直後に、建屋内で使われたロボットは海外製のものだった。
国産のロボットは使われなかった。このことにショックを受けた今回の主人公はロボット大国、日本の誇りをかけて災害現場で役に立つロボット開発に立ち上がった。
目指すは狭い場所から階段まで、どんなところでも転倒せずに、作業ができるロボットだ。
二足歩行ロボットの研究をリードしてきた早稲田大学の研究者として学生たちと開発を進めるが、ロボットお披露目の場ともなる国の評価会は目前に迫っていた…。

ナレーション 賀来賢人

♯9 世界初の「大腸菌プラスチック」

♯9 世界初の「大腸菌プラスチック」

2016年12月03日放送
今回の主人公は、石油を一切使わず、大腸菌などの微生物の力を借りてバイオプラスチックづくりを目指す二人の研究者だ。
バイオプラスチックといえば、植物を原料としたものが開発されてきたが、二人の研究者は大腸菌などの微生物の力を借りて、鋼鉄並みの強度を持ち、高熱でも溶けないこれまでにないプラスチックを開発した。次の壁は実用化。ふたりは壁に突き当たりながらも、突き進んでいく。

ナレーション 小出恵介

♯8 命を救え!心臓シミュレーター

♯8 命を救え!心臓シミュレーター

2016年11月26日放送
今回の主人公は従業員30人の会社の社長。
この会社は「ものづくり日本大賞」の最高賞に当たる内閣総理大臣賞を受賞した。
受賞の理由は、独創的な心臓シミュレーターの開発だった。年間6万件以上といわれる心臓手術の世界で、今、この会社の作る心臓シミュレーターが注目されているという。なぜ医師たちは注目するのか、竹田さんが心臓シミュレーターの開発に乗り出したきっかけとは何だったのかをたどる。

ナレーション 賀来賢人

#7 未来へテイクオフ! 空飛ぶクルマ

#7 未来へテイクオフ! 空飛ぶクルマ

2016年11月19日放送
今回の主人公は自動車メーカーの若手エンジニアたちだ。
わくわくする車をつくりたいという彼らが目指したのは子供の頃、誰もが夢見た「空飛ぶクルマ」だ。ゴールは2020年の東京オリンピック。
開会式で空飛ぶクルマに乗って、聖火台に点火させようという壮大な夢を持っている。
休日に集まり「空飛ぶクルマ」づくりを目指す若者たちに、次から次に壁が立ちはだかる。

ナレーション 小出恵介

#6 走れ!高校生が挑むワイヤレス電車

#6 走れ!高校生が挑むワイヤレス電車

2016年11月12日放送
川越工業高校「電車班」の名前を一躍有名にしたのが、昨年、乾電池で動く電車で世界最長距離のギネスレコードを打ち立てたことだった。新たな「電車班」が目指したのはワイヤレスで充電し、電車を走らせるという高いハードルだ。
電車班12名は、高校生らしい独自の発想でハードルをクリアーしようとするが、お披露目の舞台となる文化祭は間近に迫っていた…

ナレーション:賀来賢人

#5 アクリルパネルの新たな挑戦

#5 アクリルパネルの新たな挑戦

2016年11月05日放送
今回の主人公は、職人気質の83歳。美ら海水族館や旭山動物園の巨大水槽を手掛け、世界からの受注が絶えない会社の社長。すでに、巨大水槽の実績ではギネス記録をつくるなど、かなり有名な会社の社長だ。その社長が巨大水槽だけでなく、新たな挑戦を始めている。大手ゼネコンからの依頼を受けた深海未来都市用の壁面づくりへの挑戦がそのひとつだ。しかし、挑戦はそれだけにとどまらなかった。

ナレーション:小出恵介

#4 石からつくる紙

#4 石からつくる紙

2016年10月29日放送
今回の主人公は、大阪府岸和田市生まれ、だんじり祭りが大好きな山﨑敦義さん、42歳。行動力のある熱血漢タイプだ。ひょんなことから山﨑さんは石から紙をつくることを目指すことになった。この方法だと原料のパルプも大量の水も必要とせず、成功すれば資源のない国にとってのニーズは限りなく大きい。「紙の神様」と言われる専門家、角祐一郎さんの力を得て、自社生産に向け開発を急ぐ山﨑さんだが、鍵を握っていたのは紙づくりにも使われる、ある製法だった。

ナレーション:賀来賢人

#3  障害を越える次世代モビリティ

#3  障害を越える次世代モビリティ

2016年10月22日放送
今回の主人公は、大手医療機器メーカーを辞め、夢の乗り物づくりを目指す若者とその仲間たちだ。彼らが目指したのは、デザインに優れているだけではなく、坂道でも段差でも簡単に移動ができ、エレベーターなどの狭い空間でも旋回できる次世代の電気車椅子だった。東京モーターショー出品したプロトタイプ車が一躍脚光を浴びるものの、製品化は難渋を極めた。試行錯誤の中から、彼らが行き着いた結論は、新たなキーテクノロジーの開発だった。

ナレーション:小出恵介

#2 世界一薄い和紙

#2 世界一薄い和紙

2016年10月15日放送
近年、和紙が持つ多様な特質に世界が注目し始めている。今回の主人公は、ひだかコウゾ和紙の産地、高知県高岡郡の和紙職人だ。古来から伝わる、ひだかコウゾ和紙を発展させ、最も薄い和紙作りにたった一人で情熱を傾ける。そのきっかけは、「自分たちが作った和紙はどんな風に使われているのか?」という疑問だった。調べているうちに、和紙は意外な使われ方をされているのを知る。経年による酸性劣化が起こりにくい特質を重宝する人たちが日本だけでなく、世界にもいることを知った主人公は、活躍の場を世界に広げていく。

ナレーション:賀来賢人

#1 世界が注目!町工場の「3Dカーボン」

#1 世界が注目!町工場の「3Dカーボン」

2016年10月08日放送
ボーイング787のボディで注目を集めた「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)」。鉄の10倍強く、軽さは5分の1。弾力性、耐久性、耐熱性に優れ、まさに夢の新素材と言われている。素材生産では日本が6割を占めリードするが、加工分野で日本の出遅れが目立っている。今回の主人公は、この分野で3D成形に成功し、世界のトップメーカーからその技術力が注目されている会社の創業者だ。その進出分野はランボルギーニの重要部品の開発にとどまらず、新たな広がりを見せようとしている。  

ナレーション:小出恵介

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