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2015年3月28日放送

今週のドル円相場は、ドルの下げ渋りが印象的だった。週明けのNY時間、米長期金利の低下や弱い2月米中古住宅販売件数を受けてドル売りが強まり119.58円まで下押しした。24日には、対ユーロでドル売りが強まった影響などから119.22円へ。25日には、2月米耐久財受注額が大幅に悪化したことでから119.23円までドルが売られた。そして、翌26日には、日経平均株価の下落と米長期金利の低下が嫌気され、118.33円までドル安が進んだ。その一方で、一目均衡表雲下限の位置する118.28円がサポートとして意識されると、強い米新規失業保険申請件数や米長期金利の一転上昇を手掛かりにドルは買い戻され、119円台を回復している。

ドル円は月足チャートでも分かるように、2007年6月22日の高値124.14円から2011年10月31日の安値75.31円までの長期下落局面が終了し、着実に戻し局面を演出してきた。昨年12月8日には121.86円まで上昇。その後は116.00円を割り込む場面も何度かみられたものの、非常に底堅い動きが続き、今年に入ってからは一時122.04円まで買い戻しが進んだ。リスクオフの動きなどから大きく下押ししても、本邦長期資金の買いが観測されている。地方統一選挙など控えて、過度な円安の動きを牽制する政治的な声なども上がり始めているものの、120.00円近辺という水準での安定的な推移がもはや容認されつつある。

今後の推移だが、日米金融政策の方向性の違いを考慮すれば、ドル買いの流れは変わらないだろう。本邦長期資金のドル買い需要もある。その一方で、原油安を背景に貿易赤字が縮小することが想定され、足元のドル買い需要が減少する可能性もある。また、ドル高円安を警戒する政治的な圧力も、125円や130円台といった局面では強まることが考えられ、暫くは、こういった要因が複合的に作用しながら、120円を挟んだもみ合いが続くのではないだろうか。

そして、もう一つの側面として、海外ファンドの日本株買いに伴うヘッジのドル買い円売りがある。日本の企業経営に於いて、ROEを経営目標に掲げる上場企業が増加しており、これを評価する海外投資家の日本株買いは今後も続くと思われる。その結果として、日本株へのヘッジとしてのドル買い円売り需要が見込まれる。

以上を勘案すると、中期的には緩やかなスピードではあるが、ドル円は上昇していくのではないだろうか。チャート的な目処として2007年6月22日の高値124.14円や2002年12月5日の高値125.73円がレジスタンスレベルとして意識されている。ただ、このレベル以上のドル高水準は難しそうだ。日銀の追加緩和が実施される可能性もある。その場合には、一時的に急ピッチな円安局面も出てくるだろうが、2002年1月31日の高値135.20円が最大限の上値となりそうだ。

来週のドル円相場は、下値の堅い展開となりそうだ。今週は米長期金利の動向を受けてやや荒い値動きとなり、市場では気迷いムードが漂っていた。サウジアラビアのイエメン空爆に代表される地政学リスクも浮上している。ただ、26日は大きく下ヒゲを伸ばして引けるなど目先の下値を確認した形にもなっている。来週は、まず30日の2月米個人消費支出(PCEコアデフレータ)に注目している。その結果次第ではドル高のきっかけとなるかもしれない。そして、4月3日は米雇用統計が発表される。この日はグッドフライデーで日本以外の主要市場が休場。米国でも株式市場が休場となるほか、債券市場は短縮取引となるなど、流動性の低い状況が予想されるため、統計の数字次第では乱高下もありうるだろう。

ドルの下値では26日安値の118.33円や一目均衡表雲下限の位置する118.19円、2月16日の安値118.11円がサポートレベルとして意識されている。上値は23日の高値120.17円や20日の高値121.20円がとりあえずの目処となっているほか、10日の高値122.04円がレジスタンスレベルとして意識されている。