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2014年10月18日放送

今週は、ドルが売られている。まず、週明け13日は、CME日経平均先物の大幅下落とNYダウ平均株価の急落から一時106.77円までドルが売られた。15日には、9月米小売売上高や10月米NY連銀製造業景気指数などが市場予想を大幅に下回る弱い数字となったことと、それを受けて米10年債利回りが1.8622%にまで低下したことなどが売り材料となって、一時、105.19円までドルは売り込まれている。しかし、16日には新規失業保険申請件数や10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数など強い米指標を受けて、米10年債利回りは2%を回復。ドルも106.46円まで買い戻された。週末にかけて何とか落着きを取り戻したかたちだ。

今週は、市場が激しい下押しを経験することになった。まず、株式市場では、IMFが世界経済の見通しを引き下げるなど、世界経済に対する景気減速懸念が高まる中、更にエボラ出血熱への不安が高まり、NYダウ平均株価が急落した。それを受けて、日経平均株価も大幅な下げを演じている。

そして、アメリカの債券市場の乱高下も激しかった。15日のNY市場では、9月米小売売上高や9月米PPIが軒並み市場予想を下回る弱い数字となったことから、一気に債券買いが加速。米10年債利回りは2.00%を突き抜け、一時、1.8622%まで低下した。直前の2.2272%からは36bpを超える低下幅となった。しかし、その後は、一転して利回りが上昇、一時、2.1586%と30bp程戻している。市場では「どうしてここまで債券が動いたのか分からない」との声が聞かれるが、不安要素が複合的に重なった結果ということのようだ。

また、この長期金利の乱高下にドル円相場も敏感に反応。一時、105.19円まで売り込まれる場面があった。ただ、下押しした局面では本邦実需勢や年金資金をはじめとする長期資金のドル買い意欲は依然として強い。引き続きエボラ出血熱の動向などを見極めながら慎重な姿勢で臨みたいところだ。

来週のドル円は、神経質な動きが続きそうだ。エボラ出血熱などのリスク要因は消えておらず、突発的にリスクオフとなる可能性は否定出来ない。ただ、先週観測されたような、米債券市場の激しい動きは引き起こされないと見ており、ボラティリティは高いものの、次第に落ち着きを取り戻すものと予想している。ドルの下値では、15日の安値105.19円が目先の目処として意識されているほか、一目均衡表雲上限の105.15円がサポートレベルとなっている。ドルの上値では、一目均衡表転換線の107.21円や13日の高値107.63円が目先の目処となっているほか、10日の高値108.15円がレジスタンスレベルとして意識されている。株価や米債券市場の動きを見極めたい。

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