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2013年6月22日放送

ドル円相場は、先週13日に1ドル=93円75銭までドル安円高が進んだ後、再びドルの買戻しが先行する展開となった。バーナンキFRB議長が19日の定例記者会見で、量的緩和=QE3の縮小を年内にも始める可能性に言及すると、さらにドル買いが加速。20日には一時98円29銭までドル高円安が進んだ。日米の金融政策の方向性の違いが次第にはっきりしてきたことから、海外ファンドなどのドル買いが目立っている。

19日のFOMCでは、政策金利の変更こそなかったものの、声明文は「労働市場の状況は著しい改善を示している」と、かなり強めの表現に変更されたほか、「経済と労働市場の見通しに対する下方リスクは秋以降後退した」ことにも言及。同時に発表された「経済・金利見通し」でも、2014年の失業率見通しを、前回3月の6.7-7.0%から、今回は6.5-6.8%に引き下げた。こうした発表を受けて市場は、30分後のバーナンキFRB議長の定例記者会見を待たずにドル買いで反応。米10年国債利回りの急上昇もドル買いを後押しした。

バーナンキFRB議長の定例記者会見では「経済見通しが概ね一致すれば」という条件付きではあったが、「今年末までに資産購入のペースを緩める可能性」を示唆したほか、「来年半ばには資産購入を終了させる可能性」にも言及。市場では、さらにドル買いが勢いを増す結果となった。米10年国債利回りは一時0.17%を超える急上昇となった。

ドル円はバーナンキ議長の発言を受けて、ドルの買戻しが先行している。しかし米国市場の株価下落などを受けて再び売られる場面も予想される。議長自身が重ねて強調しているように、異例の低金利は今後もかなりの期間継続することから、QE3の縮小が決して金利上昇を意味することではないというメッセージを、市場が素直に受け止めることが出来るかがカギとなるだろう。市場では96円が抵抗線として意識されている。いずれにしても株価を睨みながら神経質な展開となりそうだ。

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