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2013年2月9日放送

円安トレンドが続いている。シカゴ市場で投機筋の動きを示す指標とされている円ドル取引の建玉=IMMポジションをみると、12月上旬に円売りドル買いのポジションは一度ピークアウトし、その後は利食いと見られる動きで減少している。しかし円相場は一時94円台をつけるなど、円安傾向は依然として続いており、投機筋の動向とは異なる動きをしている。

利食いとみられる投機筋の動きが進んでいるにもかかわらず、円売りドル買いが続いている背景には、日本経済の構造的な要因がある。2012年の日本の貿易収支は7兆円近い赤字となり、過去最大の赤字を大幅に更新した。また、2012年の経常黒字も、過去最低水準の約4兆7000億円に減少。日本のファンダメンタルズそのものが円安を招いていると考えるべきだ。

さらに、これまでマーケットで膠着状態が続いていたために、その反動で溜まっていたエネルギーが噴出。円売りが円売りを呼ぶ展開になっているようだ。海外の投機筋が円を買い戻しても、日本の投資家がすかさず円売りに走るため、なかなか円安トレンドが崩れないのだろう。

もう少し株高、円安が継続する展開を想定したい。ただ、急速に円安が進んだ反動が出る可能性もあり、ドル円、ユーロ円共に、調整の動きには十分注意したい。

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