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2012年7月14日放送

前回もご紹介した通り、5日のECB理事会は政策金利を1.00%から0.75%に引き下げると決定。中銀預金金利にも0.25%から0%へ引き下げた。ただ、金融緩和はECBだけに留まらない。BOEは同日、資産買取プログラムの規模を3250億ポンドから3750億ポンドへ拡大。中国も政策金利である貸出金利と預金金利を6日から引き下げた。先月8日に約3年半ぶりの利下げに踏み切ったのに続き、今年2回目となる。11日にはブラジル中銀が0.5%利下げして、過去最低の8.0%へ。ブラジルの利下げはこれで8回連続。また韓国中銀は12日、2009年2月以来となる利下げを実施している。

12日には日銀も固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションを約5兆円減額する代わりに、短期国債買い入れの5兆円程度の増額を決定。ただ、今回の緩和ではまだ不十分だろう。

こうした各国の金融緩和〝合戦〟は、世界経済の低迷の長期化だけでなく、一層悪化する可能性を示すものである。

各国の景気減速が鮮明になるなか、欧州経済はさらに厳しい局面を迎えている。スペイン政府は、増税と歳出削減を組み合わせ、向こう2年半で650億ユーロ(約6兆3300億円)の収支改善措置を発表。昨年12月に就任したラホイ首相は、総選挙で減税を訴えて大勝したにもかかわらず、公約とは全く逆の増税に踏み切ることになった。急激な財政緊縮は急速な景気の落ち込みをもたらす。スペインのみならず、今後のユーロ圏経済はさらに厳しい状況に陥るだろう。

こうした環境を受けて、ユーロ円相場は軟調な動きが継続。6月1日につけた年初来安値の95円59銭に迫る動きとなっている。ユーロ圏経済の先行きが非常に厳しいことを考えると、ユーロ円も一段安となる可能性が高い。

ユーロ圏は非常に厳しい経済環境となっている。そのため、ユーロ円はユーロ安圧力が働く。対して、ドル円は材料不足で方向感がそれほど定まらないだろう。

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