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2012年3月10日放送

ギリシャは9日、民間債権者による債務削減への自主的な参加率が85.8%に上ったと発表した。債務削減の目的は、投資家が保有する2060億ユーロ相当のギリシャ債の元本のうちおよそ5割を減免することで危機を収束させることである。

本来は参加率が90%を超えることが望ましいとされていたが、その水準には届かなかった。このためギリシャは、同意しない債権者に参加を強制する「集団行動条項」を発動する方針で、最終的な債務の削減額が最大約1000億ユーロ(約11兆円)に達する見込みとなった。

このことでギリシャは、一方的に債務返済を停止する「無秩序な債務不履行」に陥る事態を回避できる方向となった。マーケットはこの状態をひとまず好感している。

ギリシャ問題が一旦落ち着いた一方で、一つ気になる問題がでてきている。イラン情勢である。

イラン情勢の緊迫化を懸念し原油価格は上昇。世界的な原油相場の指標となる「WTI原油価格」は一時110ドルを超え、現在も高値圏で推移。仮に、イスラエルによるイラン攻撃が発生すると、最悪の場合は海上輸送の要衝・ホルムズ海峡の封鎖という事態に及ぶ可能性も否定できない。その場合、原油価格は当然高騰し、その結果として各国の株式市場が大きく崩れる展開も予想される。今後も十分注意しておく必要があるだろう。

もっとも、上記の懸念材料を除けば、ギリシャ問題が一服し、市場環境は悪くないという点は間違いない。原油をめぐる問題が現実とならない限り、マーケットはもう少し株高そして円安に向かう可能性がありそうだ。

目先の懸念材料となっていたギリシャの問題が一服し、金融市場では株高・円安が進みやすい状況になっている。ドル円・ユーロ円とも高値圏ではあるが、下値がしっかりしてくると考えておきたい。

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