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2012年1月21日放送

ユーロが堅調な動きを続けている。ユーロドルは20日金曜日に1.30ドル近辺まで上昇。ユーロ円もしっかりした動きを見せて、19日木曜日には1ユーロ=100円台をつけている。1月4日以来の高水準となった。

しかし、何か相場の方向性を決定づけるようなポジティブな材料が出てきたわけではない。それどころか、ユーロの状況は依然として厳しいままである。先週金曜日には、「S&P」がフランスやスペイン、イタリアをはじめとする9カ国の格付けを引き下げた。また今週に入ると「S&PがEFSFに続いて欧州の金融機関を格下げする」との噂が広がったり、フィッチがイタリアの格付けを2段階引き下げるなど、ネガティブな材料が続いた。

そのような厳しい状況であるにも関わらず、なぜユーロは上昇しているのか?その答えを解く鍵の一つに、現在のユーロのポジション状況が挙げられる。これは過去3年分のグラフだが、ユーロはこの3年間でもっともユーロショート(売り)が溜まっている状況。このようなポジションになってくると、売りが進んでいることを背景にマーケットがネガティブな材料を折り込む。この結果、ネガティブな材料に反応しにくくなる一方で、ちょっとしたポジティブな材料で反発するようになってくる。現在はそのような環境であるといえる。

ただ、ユーロの問題が本格的に解決したわけではない。このままユーロの反発が続くと、容易に考えないほうがいいと思う。

ユーロに関しては、買い戻しが進んでおり、もう少し上げ幅を広げる可能性がある。ただ、欧州債務問題を根本から解決するような、ポジティブな材料が出てきたわけではない。一方的な上昇は期待しないほうがいいだろう。

現在の外国為替相場はユーロの動きが中心になっており、ドル相場は方向感に乏しい。ドル円相場はもみ合いの動きになりそうだ。

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