榊原・嶌のグローバルナビ


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2009年10月17日放送

米ダウが堅調な動きを見せている。10月2日につけた安値9430.08ドルが底になり、そこからジリジリと上値を伸ばして10月14日には10000ドルを回復。15日にも上げ幅を広げるなど、しっかりとした動きが続いている。

株価上昇の背景には、連日、市場予想を上回っている米企業の決算がある。シティグループ、ゴールドマン・サックス、JPモルガンチャースなどは銀行の本業部分が本格的に回復しているとはいえないが、トレーディング部門が収益を上げており、市場に好感されている。

IBMは売上が前年同期比6.9%減の236億ドルとなってはいるものの、経費削減の徹底によって粗利益率は改善しており、純利益は同14%増の32億ドルとなった。

グーグルは売上高が前年同期比7%増の59億4500万ドル、純利益が同27%増の16億3900万ドルとなり、共に過去最高を更新している。政府の買い替え支援策を背景に米自動車大手の広告需要が回復したことなどで、主力のネット広告収入が増えた。

業績回復は企業にとっていいことではあるが、その中身に目を転じれば、確かな景気回復に裏打ちされたものとは言えず、表面に表れた数字ほどには回復しているとは言えない。米ダウが10000ドルに乗せるなどポジティブな雰囲気が広がってはいるが、景気動向には引き続き十分に注意したほうがいいだろう。

ドルの信認低下から来るドル安は依然として進んでいる。ただ、株価が回復していることもあり、クロス円が買われる動きも見られる。ユーロ円は少し上に向かう可能性が出てきた。ドル円はドル安が進みやすいものの、クロス円で円安が進めば方向感がなくなる可能性が高い。

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