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2008年6月21日放送

今週はアメリカの大手証券会社の3-5月期の決算が発表になった。ゴールドマンサックスは比較的好調な結果となっているが、リーマンブラザーズは創業以来の赤字決算という最悪の結果となり、モルガンスタンレーも前年同期比60%減という大幅な減収となるなど全般的には非常に厳しい現実が明らかになっている。

こうした、金融機関の経営悪化の背景には、信用市場の状況が悪化し続けているということがある。資産担保証券の価格推移を示すマーキットABX指数を見ても、価格の下落傾向が鮮明で、金融市場が大きく混乱した3月の段階よりも悪化していることがわかる。各金融機関は依然として資産の圧縮が十分進んでいないために、価格の下落により損失が拡大しているということになろう。

こうした結果を受けて、金融株中心にアメリカの株式市場が下落している。ニューヨークダウ平均株価は今週12000ドルを割り込んだ。金融株だけではなく、最近のエネルギーを代表とした資源価格の高騰の影響を受けやすい輸送関連企業などの経営状態の悪化も徐々に鮮明となってきており、いよいよ米国の株式市場の下値リスクが高まってきた。

アメリカの株式市場は不安定な状態が続いているものの、最近は株式市場と為替市場の連動性が希薄化しているために、為替市場は方向感がなくなってきている。次の新しい材料が見つかるまでは相場は膠着状態に入ってしまう公算が高そうだ。来週の予想レンジはドル円が106円-109円、ユーロ円は165円-170円。

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