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2008年4月12日放送

イギリスの景気減速がここに来て鮮明になりつつある。今週発表されたHBOS住宅価格3月分は、前月比2.5%の低下と大幅な下落となり、市場予想の0.3%低下、そして前月の0.3%の低下を大幅に下回る結果となった。英国では住宅バブルの崩壊が以前より懸念されており「第2のアメリカ」となる可能性が最も高い国といわれているが、いよいよ住宅市場の低迷が顕著となってきている。

また、英国経済に関しては、他の経済指標も悪化している。今週発表された英国ネーションワイド消費者信頼感指数3月分は、77と6ヶ月連続で前月比で低下するという状態が続いている。また77という結果は04年に本調査が開始されて以来最低の水準である。米国もサブプライムローン問題の影響で消費者信頼感指数が急低下し、消費の低迷を招いているが、英国でも今後同様の現象が起きてくる可能性が高くなってきた。

こうした景気の減速に配慮して、イングランド銀行は10日、政策金利を0.25%引下げ5.0%とすることを決定した。これで昨年12月、今年2月に続いて3度目の利下げとなる。しかし、英国もインフレ率が依然として高止まりしていることが、今後継続的に利下げを実施するにあっての障害となってくる。これは英国以外の各国でも同様であり、各国の中央銀行は、高インフレの中での景気減速という非常に難しい環境への対応を迫られている。

来週は、米金融機関の決算発表が相次いで行われる。今週は株式市場も為替市場も比較的安定していたが、決算の結果次第では、再び市場が混乱に陥る可能性もある。決算の結果が予想と大きく乖離していなければ、今週と同様に安定した値動きとなってくるだろう。
決算発表の結果次第という不確定要因があるため、予想レンジはドル円が99円-104円、ユーロ円は157円-163円と少し広めに設定しておく。

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