榊原・嶌のグローバルナビ


Big name

バックナンバー

第395回 2008年8月9日 放送

2008年7月、東名高速道路の上り方面の「中井パーキングエリア(PA)」がリニューアルオープンしました。中井パーキングエリアはそれまで、小さな食堂しかありませんでしたが、新たにコンビニエンスストアや野菜の直売所などを設けました。中でも一番の目玉は手打ちの讃岐うどんが味わえる「中井麺宿」です。実は中井麺宿で働くスタッフはネクスコ中日本の社員たちで、社員自らうどんの麺を打ち、店の運営を手がけています。

ネクスコ中日本は2005年10月に日本道路公団など道路関係の4つの公団が分割\民営化され出来た民間会社で、現在、東名高速道路や名神高速道路など1都11県のエリアで高速道路事業を展開しています。民営化にあたっては、大きな目的が設定されています。それは、2050年度までに民営化によって生まれた6つの高速道路会社で約40兆円に上る有利子負債を返済すること。ネクスコ中日本は、そのうちの7兆円を返済する義務を背負っているのです。

高速道路会社は、借金返済のために収益を上げることが至上命題となりました。そこで、ネクスコ中日本では、高速道路料金の見直しや、新たなサービスも提供など、少しでも多くの客に利用してもらうための仕組みを作ってきました。中でも力を入れているのがSAとPAのリニューアルです。中井パーキングエリアを始め、海老名サービスエリアなど全部で181ヶ所あるSAとPAのうち、52箇所をリニューアル。デパ地下などで人気のスイーツショップやカフェを誘致したり、トイレなどの設備を充実させたりと、単なる「通過点」ではなく「目的地」となるような魅力あるエリアへと変化させてきました。その結果、2007年度のSAとPAの売上げは1600億円に達し、民営化前と比べ売り上げが5%あまりアップしました。

また、サービス強化を図るために社内の組織改革も進めています。民営化後に社長が議長を務める「CS(顧客満足度)推進委員会」を設置。客から寄せられた意見や要望などを話し合ってきました。また24時間体制のお客様センターも設置し、渋滞状況や高速料金などに関する問い合わせを24時間体制で受け付けています。ネクスコ中日本はかつてのお役所体質から脱却し、「お客さま第一主義」を掲げ、客が何を求めているかを考える組織へと変わりつつあるのです。

「返済を着実にしていくためにも強い会社、つまり黒字を続ける会社にしていかなくてはいけない。そのための仕組みを作り、グループ全体が心を一つにしなければならない」


上に戻る▲