榊原・嶌のグローバルナビ


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第354回 2007年10月20日 放送

9月27日にカネボウ化粧品が14年ぶりの新ブランドとなる「コフレドール」を発表しました。¢コフレドール£はアイシャドウや口紅など44種類のメイクアップ商品を取り揃えたメガブランドで、イメージキャラクターには中谷美紀さんや柴咲コウさんなど5人の女優を起用。初年度の売り上げ目標はカネボウとしては過去最大の300億円を掲げ、化粧品市場ナンバーワンブランドを築き上げようとしています。

「カネボウ化粧品は04年以降、産業再生機構の支援を受け経営再建に取り組む中でブランドの再編を進めてきました。それまで60以上もあったブランドの数を3分の1のおよそ20にまで縮小。数を減らす一方で一つ一つをより強いブランドに育てようという戦略でした。昨年は花王グループの傘下に入り経営基盤の強化に努め、今年は「コフレドール」の発売をきっかけにいよいよ“攻め”に打って出ます。現在、売上高が100億円を超えるメガブランドは6つありますが、2010年までにこれを倍増させようという計画です。

人気ブランドを育成できるかがカネボウ化粧品の今後を左右することになりますが、ブランド作りの中でカネボウ化粧品が大切にしていることがあります。それは“ブランドの世界観”を築き上げ全社員が共有すること。例えばコフレドールのコンセプト「輝き」と「上質感」をこれから消費者にアピールしていくわけですが、マーケティングや商品開発担当のスタッフが最新のトレンドを分析し、PR担当は輝き感を演出するメイク方法を研究するなど、まさに社員が一丸となってブランドの世界観を伝えていこうとしています。これはブランドにとってイメージが何よりも大切だと考えるからで、「一つのイメージを作り伝えていくことが化粧品ビジネスのもっとも重要なポイント」だと知識社長は話しています。

また、昨年2月から、花王と共同で「シナジー委員会」を設け、研究開発や営業、マーケティングなど9つの分科会でお互いの情報を交換し合っています。今後は、その具体的な成果が求められますが、方針としては、原材料の調達や生産・物流などで共同作業を進め、商品展開に於いてはそれぞれのブランドの独自性を維持していくとしています。お互いの個性を尊重し合うことこそ強いブランドを作っていくことに繋がると考えているのです。。

新生カネボウ化粧品のブランド戦略から暫く目が離せません。

化粧品は好き、嫌いの感性の領域が大きい。曖昧なものを曖昧なまま上手くマネージメントしていく事がカネボウ化粧品の強みであり、世界観がしっかりしたものを作ることが強いブランドを作る条件です。


今週は、カネボウ化粧品の知識賢治社長をお迎えしました。

41歳という若さで新生カネボウ化粧品の社長に就任された方です。やはり「リーダー」というみんなを引っ張っていくオーラみたいなものを感じました。

VTRの中に、会議中の女性社員の方が何人かいらっしゃいましたが、皆さんきれいな方ばかり。肌もつるんと潤っているし、輝きがありました。自らのメイクで新ブランドを売り込むと話されていたのが印象的。商品開発に宣伝、営業など、カネボウ化粧品が一つになって14年ぶりのメガブランドにかける意気込みが伝わってきました。

番組のCM中、知識社長に「ひとつの製品ができるのには大体どれくらいの時間がかかるのですか」と伺ったところ、「うちは早いんです。半年位。そうでもしないと、どんどん流行に遅れていくし、もっと時間がかかってしまうと、せっかく出来上がった商品でも、古い商品として扱われてしまうんです。」とのことでした。客の感性に訴える化粧品だからこそ、時代を瞬時に捉えて、スピーディに商品を作っていかなくてはならないのだなと改めて感じました。

新ブランドの名前「コフレドール」は、金の小箱という意味があるそうです。女性の夢がたくさん詰まっているようで、なんだかそれだけでうれしくなってしまいました。

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