「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#94 風景の万華鏡サザンクロス街道(マダガスカル) 2012/2/24 O.A.

旅の玄関口 アンタナナリボ

今回の旅はアフリカ、マダガスカルを縦断するサザンクロス街道の旅。その出発点は首都のアンタナナリボ。街では、市場から威勢のいい声が聞こえ、道路は車と人と牛が行き交い、とても賑やか。市場にある屋台では、出勤前や通学前の人達が何やら食べています。聞いてみるとなんとお米で作ったお菓子。これと一緒にコーヒーを飲むのがマダガスカル流の朝ご飯だそうです。なんでもマダガスカルは一人当たりのお米の消費量が世界一だとか。ちょっと意外ですね。
首都からトゥリアーラという南西部の海岸まで続く国道7号線、通称サザンクロス街道は、目まぐるしく変わる景色や人々の生活風景が見られるといいます。およそ1000kmの道のりを車でのんびり、絶景と出会いを求めて旅します。
首都を出発するとすぐに見えてくるのは、田園風景。山の傾斜を利用した棚田の風景が続きます。道路には自動車ではなく牛車が走り、女性は村から村へと水を運んでいます。この道路は、農家に生きる人々の大事な輸送路だそうです。田んぼでは子供が水牛を操って耕しています。マダガスカルでは牛の世話をするのは子供の役目だそうです。この村ではちょうど田植えが終わった所で、緑に輝く水田が一番きれいな時だといいます。棚田の上へと登っていくと、現れたのはアフリカの島国とは思えない、まるでアジアのような田園の絶景でした。この風景がマダガスカルの食生活を支える一番の象徴なんですね。

神秘の夕景 イサルの窓

さらにサザンクロス街道を南下して行くと、真っすぐに延びる道の先に現れたのは、大きな岩山。この先にあるイサル国立公園はマダガスカルのグランドキャニオンと呼ばれるほどの壮大な風景があるそうです。早速ガイドさんと一緒に公園を散策します。ここにはマダガスカルにしかいない固有種の動物や植物がたくさんいるとか。胸を躍らせながら歩いているとガイドさんが指差す方向に白い物体が動いています。これはシファカという横っ飛びするキツネザル。真っ白な毛に覆われた体でクリクリっとした目がとても可愛いですね。どうやら3人家族でお散歩の途中だったみたいです。この公園でのクライマックスは、イサルの窓と呼ばれる岩盤にぽっかりと空いた穴から見る夕景だそうです。やがて、大平原に沈むほんのわずかな間だけ、夕日が窓の中に入りました。美しく、そして神秘的な瞬間に胸がとても熱くなりました。

ターコイズブルーの絶景

サザンクロス街道の最終地点はトゥリアーラという漁師町。このエリアに住むヴェズ族はマダガスカルの中でも漁の名人がたくさんいるそうです。さっそく街の市場に行くと新鮮な魚介類が並んでいます。なんでも海岸線を北に40kmほど行った所にはリーフに囲まれた美しい海が広がっているそうです。サザンクロス街道が終わると、道路は赤土や砂でできたデコボコの道に。絶景はすぐ近くなのに、思うように前に進めません。途中、有名なバオバブの木や南部特有の木々の間を抜けると、これまでのサバンナの風景が一変、ターコイズブルーの海が目に飛び込んできました。ビーチで出会った漁師に聞くとこの先の丘の上から不思議なリーフの形が見られるそうです。行ってみると、それは放射状に伸びる何本ものリーフが描く海の絶景でした。
サザンクロス街道を行くマダガスカル縦断の旅。人々の生活や独特の風景を駆け抜けた面白い旅になりました。