「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#41 オルカの住む海バンクーバー島(カナダ) 2011/1/28 O.A.

ビクトリア州議事堂のライトアップ

カナダ太平洋岸に浮かぶバンクーバー島。今回は、大地を覆う深い森と、野生動物が息づく豊かな海に囲まれたこの島を、南から北へと縦断していきます。 旅のスタートは、島の南端に位置するビクトリアから。19世紀に入植してきたイギリス人によって発展したというこの街は、英国建築が立ち並び、イギリス発祥の習慣アフタヌーンティーも楽しめるという「イギリスよりもイギリスらしい街」。街中で、ひときわ威厳を放っているのが、ブリティッシュ・コロンビア州の議事堂。ここでの絶景は、日が沈んでから現れました。州議事堂の建物が、3000個もの電球によってライトアップされるんです。夜の街並に厳かな英国建築が浮かび上がりました。

トフィーノの夕陽

島の西岸の街トフィーノで立ち寄ったのは、ホット・スプリングス・コーブと呼ばれる海辺の露天風呂。トフィーノから船に乗って、森の中を歩いた末にやっと出会えるという秘湯です。海に面した岩風呂には、温泉から流れ込む熱いお湯と、海から打ち寄せる冷たい水が混じり合っていました。海の鼓動を感じながら入る温泉なんて、ちょっと贅沢な気分でした。水上飛行機で遊覧飛行しながら街に戻ると、夕暮れ時。サーフィンのメッカでもあるトフィーノのビーチでは、今日一日、波を楽しんだサーファーが何かを待っていました。彼らがじっと見つめる先には、カナダの西の果てに沈んでいく鮮やかな夕陽がありました。

イルカの群れに見送られて

バンクーバー島の北に位置する離島アラートベイ。この島には、クワキウトル族と呼ばれる先住民が暮しています。彼らの考えでは、亡くなった人は、オルカ(シャチ)になって甦ると言われています。島の近海で姿を見せるオルカに先祖への想いを重ねたという彼らの話を聞いて、オルカウォッチングの船に乗ってみることにしました。バンクーバー島とカナダ本土を隔てる3キロほどの狭い海峡で、潮を吹き上げながら、ゆっくりと水面に顔をのぞかせるオルカに出会うことが出来ました。悠然と泳ぐその姿は、一族の子孫を見守っているようでした。さらに、船が港へ戻る途中で出会ったのは、オルカではなく、イルカ。100頭ほどのイルカの大群が、見送るように船に付いて来てくれたんです。思いがけないお見送りで、旅のフィナーレを飾ってくれました。