「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#366-367 地球は燃えている! 火山SP 2017/10/11 O.A.

秘境! バヌアツ・タンナ島 巨大クジラと遭遇

今回は、世界各地で激しい活動を続ける火山を巡る特別編。まず訪れたのは、南太平洋の国バヌアツです。バヌアツは、83の島々で構成される島国、“世界で一番幸せな国”に認められたことがある楽園です。旅の舞台となるタンナ島は秘境と呼ばれ、手つかずの大自然が残る宝庫でもあります。船で移動中思わぬ出会いがありました。なんとクジラと遭遇したのです。クジラは、何度も長いヒレを海面に打ち付けたり、背泳ぎをしたり、悠々と船のすぐ横を泳いでいました。そして、船長さんのすすめで海の中へ。海中で見たクジラは、体長6メートルほど、合計3頭が仲良く泳いでいました。秘境の島ならではの感動的な出会いでした。

神秘! 光る洞窟ブルーケーブ

次に向かったのはブルーケーブと呼ばれる海にある光る洞窟です。洞窟に入る為には、タンナ島の中心都市レナケルから海岸沿いを船で向かう必要があります。到着した岩場には、海面すれすれにわずかな隙間があいていました。連れて行ってくれた船長さんによれば、洞窟は、隙間を潜って越えた先にあると言います。教えられた通り洞窟の中に入ると、広がっていたのは神秘の光景でした。天井に開いた穴から太陽の光が差し込み、海面はエメラルドブルーに染まっています。青い光の正体は、岩場の隙間から差し込む太陽の光、それが海面を青く染めていたのです。まるで別世界に迷い込んだような美しさでした。

大爆発! 世界で一番火口に近づけるヤスール火山

続いて向かったのは、タンナ島の東側にあるヤスール火山、“世界で一番火口に近づける火山“として知られています。町の中心都市レナケルから山道を車で走ること1時間あまり、到着したヤスール火山の麓は異様な場所でした。草木が1本も生えておらず、まるで砂漠の様な不毛の大地。原因は、火口から噴出された火山性のガスを含んだ雨が、周囲の大地に降り、植物の生育を妨げているからなのだそうです。そしていよいよ、ヤスール火山の火口へ向かいます。まず訪れたのは日中です。火口からは、大量のガスが噴出され、白い煙が辺り一帯を包み込んでいます。そして、ガスの切れ間から赤いマグマの姿が見え、数分おきに何度も爆発を繰り替えてしていました。夜、再び訪れた火口は、また違った姿をしていました。ガスの姿は無くなり、煮えたぎるマグマの姿が露わになっています。辺りが暗くなったことで、爆発によって飛び出るマグマは、真っ赤は火柱となっていました。ヤスール火山は、地球の息吹を感じられる唯一無二の場所でした。

灼熱の火口へ空から大接近 ハワイ島のキラウエア火山

旅のはじまりは太平洋の楽園・ハワイ島。世界遺産のキラウエア火山国立公園へ向かいます。ここは直径4.5キロに及ぶ巨大なカルデラで、勢い良く活動を続けるさまから、地元では火の女神「ペレ」が宿るとあがめられています。今回はキラウエアの中で最も迫力ある絶景が見られるというプウ・オオ火口へ空から大接近します。直径400メートルもの火口は溶岩が煮えたぎり、その熱はヘリコプターにまで伝わってくるほどです。火口から流れ出た溶岩はやがて海へ。冷えて固まり今もハワイ島の大地を広げています。エネルギッシュな火山の姿に、火の神ペレの存在を感じずにはいられませんでした。

闇夜に現れる幻の青い炎 インドネシアのイジェン火山

アジアにも摩訶不思議な火山の絶景があります。インドネシア、ジャワ島東部の町バニュワンギでガイドさんと待ち合わせをし、車でイジェン火山へ向かいます。登山口からおよそ3キロの道を登ると、目の前にエメラルドグリーンにミルクを混ぜたような美しい湖が。不思議な色の正体は、強い酸性の湖に硫黄の成分が混ざってできたものだそうです。やがて夕闇が近づくと、ここからがイジェンの本番だよ、というガイドさん。すると闇夜に幻想的な青い炎が現れました。これは火口から出る高温ガスと硫黄が化学反応をおこして見られる風景なのだそうです。翌朝、辺りが明るくなるにつれ炎は見えなくなりました。まるで不思議な夢を見ていたかのようなイジェンの夜でした。

島の人々に愛される火山 イタリアのストロンボリ火山

イタリア・シチリア島から高速船で北へ50分。地中海に浮かぶストロンボリ島は今も活発に活動を続ける火山の一つです。火山にほれ込み島へ移住したというガイドのマリオさんの案内で、火山に最も近づける標高700メートル地点を目指します。荒涼とした山道を登ることおよそ3時間、目の前で突然噴煙が立ちのぼりました。夕日に照らされキラキラと輝く地中海とバラ色の噴煙。その風景をじっと見つめるマリオさんは、今も火山に恋しているよ、とつぶやきます。夜が近づくにつれ、噴煙はさらに赤みを帯びてきました。それはまるで巨大なかがり火のようです。地中海を焦がす火の絶景に、ただただ心を奪われました。

煮えたぎる溶岩を間近に エチオピアのエルタ・アレ火山

旅のクライマックスはアフリカ・エチオピア東部にあるダナキル砂漠。砂漠の中にこつぜんと現れるというエルタ・アレ火山を目指します。火山を見るには気温50度にも達する砂漠を横断しなければならず、世界一過酷ともいわれるツアーです。旅の途中で立ち寄ったのは、ダロル湖と呼ばれる場所。硫黄と塩分を含む地下水が噴き出した一面黄色の世界は、まるでこの世の果てのような光景です。さらに車を走らせた後、今度は灼熱の砂漠を延々4時間も歩きます。しかし、ようやくたどりついた火口は赤く染まったマグマがわずかに見える程度。しばらく待っていると、日暮れとともにマグマが鮮やかさを増し、ドロドロと噴き出してきました。それはまるで地球の胎内をのぞき見ているかのよう。漆黒の闇の中、マグマだけが生きているようでした。