「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#346 巨大要塞と奇岩の森へ!エルベ川を行く(ドイツ) 2017/4/19 O.A.

旅の始まりは美しき古都 ドレスデン

2泊3日の絶景旅、はじまりはドレスデン。ドイツを横断するエルベ川のほとりの町で、かつてはザクセン王国の都でした。第2次世界大戦で壊滅的な被害を受けましたが、戦後に建物が忠実に復元され、華麗なバロック様式の建物がたくさん残っています。ザクセン地方の歴代の君主を、時代を追って描いた名所「君主の行列」。これはザクセンの特産であるマイセン磁器のタイルで作られています。バロック建築の傑作「ツヴィンガー宮殿」を訪れると、現在は美術館となって東洋から集めた磁器や、マイセンが3万点も集められています。この日は150年前に建てられた古いお城を改装したホテルへ宿泊。まるでザクセン王国の時代にタイムスリップしたかのようです。夜にエルベ川沿いに戻ってみると、川面に街並みが水鏡のように映し出されアウグスト王の時代をしのぶように、ひときわ美しく輝いていました。

奇岩の森「ザクセンスイス国立公園」

2日目はドレスデンから船に乗って、ザクセンスイス国立公園を目指します。130年前に作られた蒸気船で優雅な5時間のクルーズ。途中にはザクセンワイン街道と呼ばれる、ワインのためのブドウが作られています。最寄りの船着場から、絶景ポイントまではかつて「画家の道」と呼ばれた豊かな自然が広がる1時間のハイキングコースを登ります。頂上にはごつごつした奇岩が木々の間から突きだす、なんとも不思議な絶景が。まるで人が造った塔のようです。9千万年前、海の底だった時に砂の層が積もって砂岩を作り、海の水が引いた後エルベ川の流れに削られたとのこと。この風景を一目見ようと、世界中から観光客が訪れていました。国立公園の中にあるレストランでは、自家製のソーセージとジャガイモがほろほろになるまで煮込んだスープと、生産量が少なくこの地方でしか味わえないというザクセンワインをいただきました。

ドイツ最大の要塞「ケーニヒシュタイン」

エルベ川の岸辺をめぐる旅の最終日は、ケーニヒシュタイン要塞へ。かつてのザクセン王国がほこったドイツでも最大の要塞です。400年前に巨大な岩山の上に建てられ、要塞の中は小さな町のようにいろいろな施設が残っています。この要塞はザクセン王が戦争の時に身を守る避難場所でもあり、王だけでなく兵士たちが家族と暮らす住まいや生活するためのパン屋や肉屋、病院、子供達のために学校もあったとのこと。城は断崖絶壁の壁に囲まれ、その険しさから400年の間攻撃されたことも、攻略されたこともないそうです。ザクセンの王たちは世界中からやってきた客人をこの要塞に招待し、かのナポレオンも訪れたとか。最後はバウツェンの飛行場からエルベ川の上空を遊覧飛行。
ザクセンスイスの砂岩や森、要塞などが連なったとても美しい景色が楽しめました。ドレスデンの輝きと、ザクセンスイスの雄大さ。エルベ川の岸辺で、はるかなザクセン王国の、2つの顔に出会いました。