「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#339 太古の自然が生きる島 アジナーラ島(イタリア) 2017/2/24 O.A.

魅惑の港町 ジェノバ

旅の始まりはイタリア随一の港町、ジェノバから。高い建物が入り組んだ街の中、路地裏を歩いていると「なんでも直す」という修理屋のおじさんに出会います。ジェノバ出身のこのおじさんが言うには「ジェノバはボロを身にまとった美しい女性」なんだとか。簡単には美しさを見せてくれない、恥ずかしがり屋のジェノバ。
なかなかお洒落なことを言うな〜と思いながら再び街を歩いていると、ジェノバの名産・ジェノベーゼのお店を発見。そこで出会った女性にアジナーラという自然豊かな場所を教えてもらいます。まだ間に合うというので早速その夜、大型船に乗ってアジナーラへ向かうことにしました。

地中海の中心 サルデーニャ島

ジェノバから南へ9時間。まずは地中海の大きな島サルデーニャ島に到着します。アジナーラへはここから車と船を乗り継いでいかないといけないそうなので、タクシーで一路西北の港町へ。途中、ドライバーがおすすめする美しい村に立ち寄ります。そこはカステルサルドという村。道具を使わないかご編みの文化は、この村の女性たちで紡いできた伝統なんだとか。すると村の頂上に石造りのお城が現れました。中には古い時代に作られたと見られるかご細工が。声をかけてくれた館長の案内で城の中を巡ることに。なんでもこの城はかつて「カステルジェノベーゼ」、そして「カステルアラゴネーゼ」と呼ばれていたんだとか。それはこの島が様々な民族に支配されてきた島だったから。だからこそサルデーニャ島がサルデーニャ人のものに戻った時、島民たちの誇りをかけて「カステルサルド」に改められたと言います。地中海の中心という好立地が生んだ侵略の歴史。城から眺めた景色はその重みと相まってとても美しく見えました。

地中海に浮かぶ自然の宝庫 アジナーラ島

港町で出会ったガイドのヴェラさんと訪れたのは、サルデーニャ島の尻尾にある小さな島、アジナーラ島。島全体が国立公園というこの島では、季節が逆転した赤い植物や、2億5千万年前からある岩のような植物など、様々な不思議な植物に出会います。なかでも楽しみにしていたロバはなんと白いロバ!近づくと走って逃げる臆病な動物でした。さらに奥へ進むと廃墟の村が出現。なんとここ、元刑務所なんだとか。アジナーラ島は1997年まで刑務所の島として使われていた場所で、マフィアやテロリストなどイタリア中の犯罪者が集まっていたと言います。島の予想外の歴史にびっくり。でもそのためにアジナーラ島が100年近く隔離されることで、この特異な自然環境を守って来られたんだとか。そして最後は、そんな不思議な歴史で守られてきた大自然を見下ろす頂上へ。入り組んだ島の形が紺碧の海に映える絶景は、ユニークな島の美しさとして輝いていました。