「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#310 幸福を呼ぶ3本の塔 パイネ(チリ) 2016/7/1 O.A.

プンタアレーナス

今回の旅の起点は南アメリカ大陸最南端の都市プンタアレーナスです。マゼラン海峡に面したこの町では魚介類が豊富。新鮮なチリ産のウニや生のムール貝に舌鼓を打ちます。この町で出会った観光客に、パイネ国立公園に行くように薦められました。なんでも、湖や氷河がある自然の宝庫で「チリ南部に来たら誰もが訪れる世界一美しい場所」ということです。早速、近くの観光案内所で情報を集めることに。ここで必ず見るように薦められたのは公園内にある「パイネの塔」と呼ばれる巨大な岩山でした。パイネの塔は紙幣の絵にもなっている3つの連なる山で、チリでは有名なスポットなのだそうです。

自然の宝庫 パイネ国立公園へ

バスに揺られてパイネ国立公園の玄関口の町であるプエルトナタレスへ。玄関口といっても公園まではまだまだ100キロほどあります。翌朝、観光ガイドのセルヒオさんの車で早速パイネ国立公園に向かいました。絶景ポイントが豊富なパイネの園内では、グアナコと呼ばれるラクダ科の動物の群や、巨大なエメラルド色の滝や、青く輝く氷河の壁など、手つかずの大自然が残されていました。パイネでは天気が目まぐるしく移ろい、晴天だと思えば突然に霧がかかって視界不良に変化して、強風で歩くこともままならない時があるそうです。人間の常識が通用しないのがパイネなのです。今回の目的のパイネの塔も普段は雲に隠れて姿を見せることが少ないそうです。しかし幸運にも青空の下、2000メートルを超す3つの岩山の雄々しい姿を見ることができました。

朝日に照らされる パイネの塔

パイネの朝は特に曇りや霧が多いそうです。だから朝日を浴びて真っ赤に染まったパイネの塔を見られたら幸せになると言われています。そこで最後に運試し。翌朝7時、真っ暗な中、セルヒオさんの車に乗って絶景スポットに移動します。薄闇の中、うっすらと3本の塔のシルエットが見えます。雲がかからないことを祈りながら、じっくりとその時を待ちます。そして朝日が昇り、パイネの塔は上の方から徐々に徐々に赤く色づき、最後は根元まで燃えるような姿に染まっていました。人の力を超えた壮大なイリュージョンに息を飲みました。