「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#304-305 美しい欧州の町並みSP 2016/5/6 O.A.

パリ、光をまとうエッフェル塔(フランス)

旅の目的はエッフェル塔のライトアップ。でも、まずはパリジェンヌ気分で町歩きです。パリって本当にきれいな町ですね〜。どこを切り取っても、とってもオシャレ。しばらく歩いて見えてきたのはセーヌ川。地元の足でもある水上バスに乗って船から町を眺めることにしました。ルーブル美術館にノートルダム大聖堂。丘から見るのとはちょっと違う雰囲気で、これがまた良い感じなんです。そして夕方。セーヌ川に架かる橋の上はたくさんの人たちで満席状態。パリの人はこうやって日没のひと時を楽しむんですねえ。やがて太陽はゆっくりとセーヌの彼方に沈み、いよいよお待ちかねの時。夜のエッフェル塔です。ライトアップされたその姿は・・・やっぱりきれい!パリが一番ロマンチックな顔を見せてくれた気がしました。

霧の絶景 カステルッチョ(イタリア)

続いてはイタリア。天国と呼ばれる絶景の村、カステルッチョです。広い大平原の奥に、丘の上にぽつんと立つカステルッチョ。なんだかかわいい村だなあ。村の中にはきれいなお家がたくさん並んでいます。昔は800人くらい住んでいたそうですが、今では14人ほどしかいないのだそうです。なんだかもったいないなあ・・・。そんな数少ない住人の一人、農家のアルマンドさんに特産品であるレンズ豆をご馳走になることに。お母さんと奥様、そしてかわいい双子ちゃんと食べた自家製ソーセージ入りのレンズ豆の煮込み料理。とっても美味しかったなあ。そして翌朝、日の出前。宿の人が薦めてくれた、霧に包まれるカステルッチョを見るため、大平原が見渡せる場所へ。そこで見た景色・・・。それは霧に覆い尽くされた大平原。そのてっぺんから顔を出すカステルッチョの姿でした。まるで雲に乗っているみたい。本当に、本当に天国を見た気がしました。

甦った絶景 ドゥブロヴニク(クロアチア)

アドリア海に面したクロアチアの世界遺産の町・ドゥブロヴニクへ。まずは旧市街の外にある埠頭にやってきました。出会ったのは海水浴を楽しんでいたニキシャさん。豪快な飛び込みを見せてくれた愉快なオジサンです。なんでも戦争で足を痛めてから水泳を日課にしたのだそう。90年代に起こった旧ユーゴからの独立戦争です。旧市街に入ってみると砲撃の痕がたくさん残っています。トレードマークである鮮やかな赤い屋根瓦は再建されたもの。そして色あせているのは戦火を免れた古いもの。こんな美しい場所で戦争があっただなんて・・・。でもそんな悲しい時代からドゥブロヴニクは見事に甦ったんですね。旅の締めくくりは町を見下ろせる山の上へ。アドリア海の青さに映える赤い瓦屋根の家々。新しい瓦が多いのは内戦で傷ついて直したから・・・。この町が乗り越えた悲しみを思うと美しさがより心にしみるような気がしました。

アスティパレア島 エーゲ海の白い町(ギリシャ)

続いてはエーゲ海の国ギリシャです。向かったのはアスティパレア島の白い町・ホラです。丘の上のどっしりとした城壁と真っ白な町並み。とても美しい町なんです。どの家もドアや窓は青くて、壁は白一色。でもどうして白いのかなあ。そのわけは壁塗り職人さんが教えてくれました。なんでも暑さを和らげるために白く塗っているんだそうです。おかげでこの町だけの景色が出来上がったんですねえ。その後、町で出会った親切な方に、島一番の場所へ連れていってもらえることに。ほんと、やさしい人がたくさん住む町なんです。向かったのはホラが一望できる高台でした。ゆるやかな緑の丘に花嫁のベールをまとわせたような・・・本当に素敵な風景です。そして夜・・・。城壁が輝き出したのを合図に白い家々はやわらかい光を放ち始めました。それはまるで魔法を見ているようでした。

2500年続く古都 ナポリ(イタリア)

イタリア第三の都市ナポリへやって来ました。まずは市場を散策。港町らしい魚屋さんにオリーブ屋さん。チーズにサラミとナポリらしく美味しそうな食材でいっぱいです。しばらく歩くと長く真っ直ぐと続く一本の通りに出ました。ナポリを真っ二つに分けるスパッカナポリです。なんと1キロ以上も続いているそうです。通りにあるピッツェリアに寄り道。100年以上続いているというお店で代々受け継がれてきたのは具材を二枚の生地で挟んで揚げた、変わったピッツァ。皮はさくさく、中身はとろーり。その味はやみつきになりそうです。旅の締めくくりは高台にあるお城の上から眺めるナポリ。町を真っ二つに分けるスパッカナポリが一望です。2500年続く古都。お店や暮らしがぎっしり詰まった宝箱のような町でした。

鏡の町 ボルドー(フランス)

続いてはフランス南西部の町・ボルドーへ。きれいな町だなあ。青い空にやさしい色の建物がよく映えるんです。広場で出会った親切な人が教えてくれたのは「水鏡」。なんでも建築家のアイデアで地面に水が張ってあり、水面に建物が反射して映る仕組みになっているのだそう。さっそく向かってみると地面からミストが出ている場所を発見。薄く張った水面に向かいの建物が映っています。なるほど確かに水鏡だ。同時にここはたくさんの市民の憩いの場になっているみたい。子どもから大人までたくさんの人々が水に包まれて、とっても楽しそう。そして陽が落ち、やがて建物の灯がついた時・・・。水鏡は華やかなステージへと変わっていきます。水の中にもうひとつ町が現れたのです。夜に姿を見せるさかさまの町。なんだか夢の世界にいるようでした。

消えゆく断崖の村 チヴィタ(イタリア)

細い橋の先にある断崖の上に建つ村・チヴィタ。岩山と村が一体になっている不思議な場所です。長い、長い橋を渡り、いよいよヴィタの中へ。村で出会ったおじいさんが言うには3000年以上前にできたんですって。すごい歴史だなあ。ほんとにびっくりですよね。もろい土地の上に建つチヴィタは度々崩落をおこし、今でも崩れ続けています。なんとか残したいという人々の気持ちは強く、崩落を防ぐため常に修復工事が行われているのだそうです。3000年生きた村・・・絶えてほしくないですよね。翌朝、訪れたのは村の外にある展望台。朝焼けに浮かぶチヴィタのシルエット。とても幻想的な光景です。いつか消えてしまうかもしれない断崖の村。今、この時の姿を、そっと心にとどめました。

モノトーンの町 フロイデンベルク(ドイツ)

最後に訪れたのはドイツ・フロイデンベルク。白と黒の木組みで統一されたモノトーンの町。青空とのコントラストも抜群です!本当にきれい。でもどうしてこんな町が生まれたんだろう?その謎は立寄った博物館で解けました。かつてこの町は大火で全焼してしまったのです。その後、住民は焼け残って黒ずんだ木を拾い集め再利用したのだそうです。そして壁を安価な白いペンキで塗装して・・・。節約の知恵がこんな美しい町を生んだんだなあ。まさに暮らしが生んだ芸術ですね。旅の締めくくりは夜明けのフロイデンベルク。空がうっすら色づいた頃、ゆっくりと浮かび上がる白い町。世界がまだ色を手に入れる前のひととき。モノトーンの美しさが一番際立つ時間です。人々の想いが詰まった、この世に二つとない絶景でした。