「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#281 消えゆく大氷河ローヌ(スイス) 2015/11/13 O.A.

レマン湖

旅の起点は、スイス西部の町・ジュネーヴ。フランスとの国境近くに位置する、小さな国際都市です。町の東側に広がるレマン湖はスイス最大の規模を誇り、その面積は約580平方キロメートルにも及びます。まずはその周辺を散策。湖から噴き上がる巨大な噴水で水浴びをする人、ベンチでくつろぐ人、湖畔で開催されているトライアスロンの大会に参加する人など、レマン湖周辺はジュネーヴの人々の憩いの場となっています。そもそもこの湖は、ヨーロッパ随一の大河・ローヌの一部。スイスを流れるローヌ川はレマン湖を通り、フランスへと流れ、最終的には地中海に注ぐのだそうです。そんなローヌ川の水源は、スイスアルプスのローヌ氷河だと地元の人から聞き、遥かな水の旅に出かけることに。

ローヌ川の水源へ…

翌日、早速ローヌの源流を見に行くことにしました。ジュネーヴから船と列車を乗り継ぎ、一路東へ。道中で出会ったのは、レマン湖の東の端の港で作業をしている人。レマン湖に流れ込むローヌ川から砂利や砂を拾い上げ、建築資材として出荷する仕事をしているのだそうです。そのおかげで、レマン湖の水は濁りが無く、きれいな状態に保たれているのだとか。さらに、流れの速いローヌ川は、水力発電にも活用されているのだと、旅人に教えてもらいました。緑豊かなアルプスの自然を育むだけでなく、この土地に住む人々の生活をも支えるローヌ川の一面を知ることができました。

ローヌ氷河

そして、ローヌ氷河の玄関口の町・オーバーヴァルトに到着しました。いよいよ大河の源とご対面と思いきや、山間の展望台から見えるのは、勢いよく流れる川のみ。古くからこの地に住む人曰く、地球温暖化の影響で、ローヌ氷河は年々後退しているのだそうです。ひと昔前までこの展望台から見られた氷河は、もう完全に解けてしまったのだとか。いつかは消えて無くなってしまうかもしれない氷河の今をこの目に焼き付けるため、さらに上流を目指します。かつては氷で覆われていたであろう岩場を登った先で、ようやくローヌ氷河を見つけました。ここが、全長800キロにも及ぶ大河・ローヌ川のスタート地点。氷河の中に生まれた洞窟を抜けると、曇っていた空が真っ青に。太陽の光に照らされ、氷河が青く輝いています。その分、また氷は激しく解けていく…。身を削り、人々に恵みの水を与え続けるローヌ氷河。美しくも儚く消えゆくその姿に心奪われました。