「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#280 巨岩の村モンサント(ポルトガル) 2015/10/30 O.A.

ポルトガル リスボン

旅の始まりはポルトガルの首都リスボンから。早朝の街は人気も少なく、まだ静かです。準備中の生花店の人に教えてもらい、観光客に人気の市電、28番線に乗って、町をめぐることにしました。リスボンで最も古い街並みが残るという旧市街を訪れます。展望台から迷路のような細い階段を下りてゆくと、そこは静かな路地裏。実は1755年の大地震でも残った古い街並みなのだと、雑貨店の店員さんが教えてくれました。さらにワインを多く扱うその店で「今はワイナリーでブドウの収穫期よ」という情報も。
広場の近く、カフェのウィンドウに並ぶ美味しそうなエッグタルトに誘われました。そこで出会ったファドの歌手だという女性に「モンサント」という彼女の生まれ故郷の村を勧められます。「もっともポルトガルらしい村」「巨大な岩が村中にゴロゴロしている」いったいどんな村なのでしょう。ワイナリーに寄り道しつつ、モンサントを目指します。

エストレモス

リスボンからバスで向かったのはエストレモスという街。ポルトガル有数のワインの生産地です。広大な葡萄畑の中で、赤ワイン用のブドウの収穫をしている人たちに出会いました。収穫の最盛期、たくさんの人が葡萄の摘み取りを行っています。「この時期を迎えることができて本当にうれしいわ」と語る女性、「ここのワインは本当にうまいよ!」と自慢する男性もいます。その後、収穫した葡萄を醸造する工場へと案内してもらいました。最新の設備があるにも関わらず、足で葡萄を踏んでいる男性たちがいます。この方が品質のよいワインができる、とのこと。収穫期のワイナリーの活気に触れることができました。

モンサント

バス停近くのカフェで、モンサントで宿をやっているという男性と知り合いました。今日は宿も空いているし、案内もしてくれると。早速、村まで連れて行ってもらうことにしました。途中、車窓から見えるモンサントの村は岩だらけのゴツゴツした山の中腹にありました。さらに宿に案内されると…バスルームの壁から巨大な岩が飛び出しています。「頭をぶつけないよう気を付けてね!」巨大な岩が多いモンサントの村では、岩をそのまま屋根や壁に使って、家を建てたのです。村を歩くと、巨岩を活用した奇妙な家にいくつも出会いました。後日、宿のご主人の「とっておきの風景」に案内してもらいました。それは巨岩の間を抜けてたどり着いた城壁の上から見た村の風景。村人たちの多くが時々、この場所に来て、村を見下ろすのだそうです。「故郷が僕のすべてなんだ」巨大な岩の間でオレンジ色の屋根が光るその絶景は、ご主人の郷愁の風景でもあったのです。