「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#252 天空の渓谷ウマワカ(アルゼンチン) 2015/4/3 O.A.

サルタ

今回は、世界遺産「ウマワカ渓谷」を目指す旅。その美しさは、「南米のグランドキャニオン」とも呼ばれるほどです。まず到着したのは南米アルゼンチン北部、人口52万人の町、サルタ。サルタはウマワカ渓谷の観光拠点にもなっていて、多くの観光客が訪れます。町を歩き回っていると、なんだか少しお腹がすいてきました。どこかおいしいお店はないかな…町の人に聞いてみることに。あの、すみません、何かオススメのランチはありますか?…「エンパナーダがおいしいわよ」。え?エンパナーダ?初めて聞く名前です。どうやらこの町の名物料理だそうで、地元の人も大絶賛のエンパナーダ屋さんへ行ってみることに。中へ入ると、すごい賑わい。さすが人気店。エンパナーダは薄い生地の中にひき肉やチーズや色々な具材を入れて焼き上げる、パンのような食べ物。すごく食べやすくておいしかったです。腹ごしらえをした後で、町で一番有名な場所だという「サンベルナルドの丘」へ行ってみます。ロープウェイで丘までのぼると…わぁ、サルタの町が一望できるんですね。日が沈み、町にはあかりが灯り始めています。そうして太陽が完全に隠れると、目の前には美しい夜景が広がりました。こんなに美しい町だったなんて…始まりの町で、思わぬ絶景に出会いました。

雲の列車

翌日、ウマワカ渓谷に向け高原を駆け抜ける「雲の列車」に乗ることに。朝6時、駅に着くとチケット売り場は既にたくさんの観光客で溢れていました。切符を買って中へ。えっと…席は…あ、あった。ここですね。隣の席には、お母さん、お父さんと、かわいい5歳の息子さんの3人家族が座っています。朝7時半。雲の列車が出発しました。息子さんは大はしゃぎ。列車がとっても好きみたい。ここから列車はどんどん駆け上がり、一番高いところでは、なんと4200mもあるそうです。富士山よりも高い!出発して3時間・・・都会から出発した列車の車窓は、はみるみる変化していき荒野へ。そして列車は7時間ほどひたすら駆け上がり…標高4200mのポルボリージャ鉄橋に到着します。乗客もスタッフも降車し、一緒になって国歌を斉唱。ここに住むインディヘナの方々が演奏する歓迎の音楽も重なって、標高4200mでの大合唱は、荘厳な渓谷の空気を振るわせていました。

ウマワカ渓谷

列車を降りてからドライバーのマウロさんと合流し、ウマワカ渓谷の絶景を目指します。まず最初に向かったのは、ウマワカ渓谷の中でも特に有名だという「七色の丘」。なぜ七色の丘なんだろう…?と思っていたけれど、車を降り突如現れた巨大な丘を目の前にして…納得です。1つの丘なのに、色々な色が層になり、美しいグラデーションが形成されています。とっても神秘的な光景。七種類の鉱物が入っているので七色に見えるそうです。でも、偶然にも虹と同じ七色なんて…なんだか、ちょっとメルヘンチックですね。地元の人に勧められ、次に目指したのはイルージャという小さな村。七色の丘が見えるティルカラの町から約100km、4000m級の山々を越えたその先に、イルージャ村はありました。標高は約2800m。それでも、360度、山々に囲まれています。そして30分のぼり、村の高台「十字架の丘」からイルージャを望みました。静かな渓谷の奥地にひっそりと佇むイルージャ村。厳しい大自然の中に、こんなに小さな村がひそんでいたんですね。南米アルゼンチン、ウマワカ渓谷の秘境。イルージャ村の絶景に出会いました。