「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#247 色彩の古都グアナファト(メキシコ) 2015/2/27 O.A.

メキシコシティー

旅のスタートは首都メキシコシティー。人口2000万人を超える大都市です。最初に足を踏み入れたのは、ソカロと呼ばれる歴史地区。スペイン植民地時代に建てられたコロニアルな町並みが残ります。ソカロの中心には、250年もかけてつくられた中南米一の大きさを誇る大聖堂。「どちらから?」と声をかけてくれたのはメキシコ人の老夫婦。日本です。「どうですか?東京と比べて。古い町でしょう?」本当に。歴史の重みを感じます。「この先に44階建てのビルがあるから行ってみて。町を一望できますよ。」そう言われ、さっそく行ってみることに。ソカロを抜けると、メキシコシティーを一望できる地上182メートルのラテンアメリカタワーがありました。チケットを買い、エレベーターで44階へ…そこからの風景ははるかに想像を超えた大都会。迫りくるようなビル群。そして、その傍らに何百年も前の建物がひっそりと寄り添っていました。

グアナファト 昼

メキシコシティーからバスで4時間半、メキシコで最も美しい町の一つと呼ばれるグアナファトへ。まずはこの町の最高の絶景ポイントだと言われている「ピピラの丘」を訪れました。ケーブルカーでのぼり、展望台へ到着です。そこから見る町は…まるでおとぎの国。色鮮やかな家々が建ち並びます。本当にきれい…。「どうですか?この町並みは」話かけてきたのは、地元のカメラマンのヒールさん。彼によると、この町は17世紀頃に銀で栄え、豪華な教会や多くの家々が建ち、今もカラフルに輝いているそうです。
丘から降りて町を散策。ピピラの丘の下には、古い町並みが広がります。劇場や教会など豪華絢爛な建物…中世ヨーロッパを歩いているような感覚と、その繊細な彫刻に圧倒されます。古い町並みの先には、色とりどりな住宅街。まるで町全体が美術館です。色鮮やかな家々に囲まれて歩いていると、素敵な歌声が聴こえてきました。軒先でギターを奏でていたのは地元のバンドのリーダー、ホセさん。彼の話では、グアナファトは夜になると「歌う町」と呼ばれているほど音楽にあふれているそうです。「夜になると私たちが演奏するパレードがあるのでぜひ来てください」と誘われました。

グアナファト 夜と朝

そして夜8時すぎ。町はガス灯に照らされ、一層中世の雰囲気を漂わせていました。ホセさん率いる音楽隊の音色が町中に響き渡り、町並みがより輝きます。16世紀から延々と続いているというこの伝統的なパレード。音楽が見事にこの古都の哀愁漂う風景に溶け合い、独特な世界へと引き込まれます。3時間以上も、ホセさん率いるバンドは人々に対して、そしてこの美しい町に対して讃歌を歌い続けました。そして終了後、ホセさんに「あなたが最も好きなグアナファトの風景は何ですか?と尋ねると、「早朝のピピラ。それを見ないとグアナファトに来たとは言えないですよ」と言われました。
そして翌朝、まだ日が昇らぬうちにピピラの丘へ…。まだ夜の灯りが残る薄暗い古都に、山間に建ち並ぶ家々に、ようやく日が差し込み始めました。まるで太陽が町に命を吹き込んだかのように、家々は一気に色彩を取り戻し、鮮やかな輝きを放ちます。「色彩の町」と「歌う町」、2つの顔を持つグアナファト。そして、太陽の国と呼ばれるメキシコならではの絶景に出会いました。