「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#23 アルプスの輝き ドロミーティ(イタリア) 2010/9/17 O.A.

驚異の大自然 ・ ドロミーティ山群

イタリア北東部の大山岳地帯「ドロミーティ」。アルプス山脈に属するこの地域には、東西150キロに渡り、3000メートル級の尖峰が連なっています。去年、世界遺産にも認定され、世界中から観光客が押し寄せる絶景エリアです。今回の旅では、その「ドローミティ」を西から東へ横断します。
まず最初に訪れたのはオルティセイという小さな街です。この辺り一帯はガルデーナ渓谷と呼ばれ、ドロミーティの中でも人気の高いトレッキングスポット。ベテラン山岳ガイドの案内で標高2149メートルのセウラサス山の山頂を目指すトレッキングを満喫します。緩やかな高原の散策路から、徐々に針葉樹の森の中へ入って行きます。万年雪を抱く荒々しい岩山や野生の子ジカ、色鮮やかな高山植物のお花畑など、大自然の美しい光景と出会いながら、3時間かけてセウラサス山の山頂に到着。するとそこには、360度の大パノラマが広がっていました。ゴツゴツとした岩山や切り立った崖、針葉樹の大渓谷、大地の力が生んだ絶景です。

霧に佇むミズリーナ湖

オルティセイを出発してさらに東を目指します。途中、「木彫り細工の村」や「壁画の村」など、まるで童話集の挿絵のようなかわいい村々に立ち寄りながら、さらなる絶景を求めて進みます。ところが進むほどに車窓が霧に包まれ視界が悪くなってきます。濃霧の出迎えに気を揉んでいると、霧の中から突如、美しい湖が姿を現しました。「ドロミーティの真珠」と呼ばれるミズリーナ湖です。アルプスの雪解け水を満々とたたえた湖面は、穏やかで、しんと静か。霧に佇む姿がとても幻想的です。ミズリーナ湖の湖畔を散策していると、マス釣りを楽しむおじさんと出会いました。釣ったマスは炭火焼にして食べると頬が落ちそうなほど美味なのだとか。でも、ミズリーナ湖では乱獲しないように一日5匹までと決められているのだそうです。きちんとルールを守りながら釣りを楽しむ。人と自然が寄り添うスローライフ…素敵な光景に出合いました。

ドロミーティ屈指の峻峰 トレ・チーメ

ドロミーティ横断の旅もいよいよクライマックス。終点コルティナ・ダンペッゾの街に到着しました。 ここには『ドロミーティ屈指の絶景』と言われる奇岩の山「トレ=チーメ」があると聞き、さっそく向かいます。けれど相変わらず霧が深く、山に近づくほど視界が閉ざされてしまいます。見晴らし台に到着したものの、この日は深い霧に包まれてトレ・チーメは全く見えませんでした。
翌日、再チャレンジのため快晴の下、見晴らし台へ向かいます。車からの眺めも前日とは大違い、霧は晴れ次々とドロミーティの雄大な景観が目に飛び込んできます。車を止め、見晴し台へ…。すると、待ちに待った大迫力の奇岩の群れ、トレ・チーメが姿を現しました。標高2999メートル、見る角度によって様々な姿を見せる“大自然の彫刻=トレ・チーメ”。凄まじい大地のエネルギーが作り上げた絶景です。