「地球絶景紀行」世界にたった1つの絶景を探す、大人の紀行ドキュメンタリー

毎週水曜日よる9時オンエア

地球は絶景の美術館。世界にたった1つの絶景旅行ガイドをあなたに。2泊3日で行く、夢の旅にご案内いたします。(旅人:森高千里)

#134 大自然の回廊 アルペン街道(ドイツ) 2012/11/30 O.A.

アルペン街道 出発の街 リンダウ

今回はドイツアルプスの観光ルート「アルペン街道」を辿ります。旅の始まりはドイツ南部の都市ミュンヘン。ここから列車でアルペン街道の起点リンダウへ向かいます。リンダウは石畳が敷き詰められた静かな古都。旧市街を散策していると、潮の香りがどこからともなく漂い、突如開けたところに出ました。目前には、大きな湖が広がっています。ドイツ、オーストリア、スイスの国境に位置するボーデン湖です。まるで海のように雄大な水辺の風景に旅の疲れも癒されました。リンダウでは素敵なお婆さんにも出会いました。かつて父親がツェッペリン号(1928年に世界一周を成功した飛行船)の乗務員だったという女性です。リンダウの隣町のフーリドリヒスハーフェンは飛行船発祥の地。現在も飛行船の製造や遊覧飛行を行っているそうです。そこでお婆さんを誘って空の旅を楽しむことにしました。飛行船の窓下に現れたのは、濃紺の水をたたえたキラキラと煌めくボーデン湖でした。

ドイツ最高峰 ツークシュピッツェ

翌日、アルペン街道に沿って東へ向かいます。車窓にはアルプスの山並みが次第に近づいてきました。この日に訪れたのはガルミッシュ・パルテンキルヘン。ドイツ最高峰ツークシュピッツェ(2962m)の麓の町です。さっそく登山鉄道とロープウェイで一気に頂上を目指します。頂上には、なんと立派なテラス席のあるビアガーデンがあり陽気な登山客たちで賑わっていました。ドイツで一番、空に近いビアガーデン。眼下には青く輝くアルプスの山々が連なっていました。

アルペン街道の終着点 ベルヒテスガーデン

ガルミッシュ・パルテンキルヘンを出発して、ミッテンヴァルトという小さな町に立ち寄りました。この町の名物は、民家に描かれた壁画です。宗教画や童話の挿絵のような鮮やかな絵画が家々の壁に描かれているのです。聞けば、200年以上も続いている伝統なのだそうです。アルペン街道の終点ベルヒテスガーデンに辿りつきました。周囲をアルプスの山々に囲まれた小さな町です。旅の最後にこの町でパン屋の男性と出会いました。彼は毎朝、山間の民家やレストランまで焼きたてのパンを配達しています。パン屋さんから「レストランの近くに絶景があるよ」と聞いて、配達の車に一緒に乗せてもらいました。お得意先のレストランは山頂にあって、そこまでリフトを使ってパンを届けるのだそうです。リフトに乗って山頂へ登ってみると、エメラルドグリーンに光るケーニヒス湖を抱えたアルプス山脈の雄大な景色が遥か彼方まで広がっていました。