コラム
第9回
激闘の決勝戦!3点差で中国を退けた日本が4連覇を達成!

 中国との対戦となったFIBA女子アジアカップの決勝戦。中国とは昨年の女子ワールドカップで敗れており、また今年度の中国遠征でも完敗を喫した相手。それだけに日本はリベンジとなる試合でもあった。

 試合は序盤、高さを生かしたインサイドプレーや3Pシュートなどを中国に決められ、先行を許す展開に。それでも第1Q終盤から#15本橋菜子のドライブからのバスケットカウントや#88赤穂ひまわり、#8髙田真希らの3Pシュートで追い上げを図ったが、再び第2Qでも中国のインサイドとアウトサイドをバランスよく使い分ける攻撃に、日本は後手に回ってしまった。

 だが第2Q、「コミュニケーションのミスが多かったが、第2Qから落ち着いてきて、少しずつ日本のバスケットになっていった」とトム・ホーバスヘッドコーチが言うように、終盤には途中出場のシューター#27林咲希が3本の3Pシュートを決めて日本は流れを引き戻す。残り3秒には#52宮澤夕貴の3Pシュートも決まり、34-35と1点ビハインドで前半を折り返した。

 後半、前回の女子アジアカップでは準決勝で日本に負けている中国も力強いドライブや巧みなステップからのシュートなど、気持ちのこもったシュートをねじ込んでいく。特に200cmの#14リ・ゲツジョと#15 203cmカン・キョクのインサイドには手をこまねいたが、#10渡嘉敷来夢が体を張ったディフェンスで奮闘。中国の得点を抑えると、攻めては指揮官が「本橋タイム」と言うように、本橋がドライブにジャンプシュートにと面白いようにシュートを決めていく。

 3点リードで迎えた第4Qでも本橋の勢いは止まらず。日本は5点前後のリードを保つと、残り2分半を切った時には宮澤のドライブが決まり、8点のリードを奪った。

 だが、中国はここからインサイド、そして日本のシュートミスのこぼれ球を拾って3Pシュートと立て続けにシュートを決めて3点差に詰める。それでも最後は中国のラストチャンスの攻撃を防いだ日本がその3点を守り切り、女子アジアカップ4連覇を達成した。

 「本当に最高です。(チーム作りの)準備が4月から始まり、きつい練習もしてきた選手たちを尊敬します」と喜びを表現したのはトム・ホーバスヘッドコーチ。

 大会MVPを獲得した本橋も「信じられなかったですが、本当に感無量ってこういうことなのかなという感じです」とコメント。また、「ゾーンに入っているというか、積極的に攻めた方が勢いにも乗るし、手応えを感じたので行きました」と後半の自身の攻撃についても振り返っていた。

 4大会連続5度目の優勝を果たした日本。4連覇を達成したのは3チーム目(7~10回大会の韓国、13~16回大会の中国)という快挙は、来年の東京オリンピックに弾みを付けるものとなった。

【写真】fiba.com