コラム
第6回
予選ラウンド全勝でグループAを1位通過。危なげない戦いで準決勝へと駒を進める

 FIBA女子アジアカップ予選ラウンド最終日。前日のチャイニーズ・タイペイ戦とは打って変わり、日本は韓国を相手に見事なスタートダッシュを見せた。

 「空いたらシュート行く、積極的に攻めようとは思っていたので、自分の所が空いた時に積極的にリングにアタックしたことが良い結果につながりました」と言うように、試合は、#8髙田真希の2本連続のドライブが号砲に。続いて#52宮澤夕貴の3Pシュート、#10渡嘉敷来夢のリバウンドからのシュート、そして再び髙田がインサイドでバスケットカウントをもらい、一気に11-0とした。

 韓国のタイムアウト後も日本の勢いは止まらず。髙田と渡嘉敷を中心に得点を重ねて第1Qは24-5と大きなリードを奪った。

 結局、その後も得点を重ねた日本は全員出場。5人が2ケタ得点を奪う働きで102-61とダブルスコアで日韓戦を制した。

 「勝って本当に良かったです。試合の出だしがすごく良く、第1Qは3Pシュートが10本打って1本だけしか入らなかったけれど、オフェンスリバウンドを10本取っていて、選手たちのエネルギーがすごくありました。ディフェンスも完璧。後半も気持ちやエネルギーで韓国に負けていなかったし、最高です。ベンチメンバーも、良いプレーをしたので、本当にうれしいです」

 試合後、ミックスゾーンに現れたトム・ホーバスヘッドコーチは笑顔でこう試合を振り返った。

 それでも、クォーターだけを見れば21-21の同点となった第2Qを例に挙げ、「このチームは波が結構ある」と課題も。これはキャプテンの髙田も感じていることで、「良い時と悪い時の波がすごくあります。今日(韓国戦)も良い時は出だしようになりますし、悪い時は2Qのように同点になってしまいます。この波を減らさないと。出だしで相手にやられてしまったら、準決勝以降の相手に対しては、取り返すことは難しくなってしまいます」と、予選ラウンドの3試合を総括した。

 とはいえ、確実に3連勝を飾り、グループAの1位で予選ラウンドを通過。これにより、決勝トーナメントは準決勝からの戦いとなる。そのため、準々決勝が行われる大会4日目は、日本は試合がなく、休息日に。

 予選1位通過でなければ6連戦というハードな大会日程の中で、休息を勝ち取ったことは大きく、「プレータイムが長い選手もいるので、(休息日は)チームにとってもいいと思います」と宮澤。しっかりと体を休ませるだけでなく、あらゆる面で準決勝に向けた準備に時間を使うことができるのはメリットになるだろう。

 準決勝の相手はオーストラリアとチャイニーズ・タイペイとの勝者。結果はまだ分からないが、「出だしからしっかり自分たちのバスケットをすること。また、ディフェンスが一番大事になると思うので、チームディフェンスでしっかり守って、自分たちの持ち味であるブレイクにつなげていきたいです」と髙田は、どんな相手でも自分たちのバスケットを貫く構えを見せていた。

 なお、予選ラウンドグループBは中国がオーストラリアとの激戦を制して1位通過。日本と同様に準決勝進出を決めている。

【写真】fiba.com