Q.災害医療、救急医療の違いは?
災害医療は、マスを考える医療、たくさんの被災者を考える医療。一方、救急医療は、個人の患者さんを診る医療といえます。災害医療においては、多数の傷病者に対する人的・物的な医療資源が限られています。限定された資源を有効に投下し、最大多数の傷病者に最大の医療を行わなければなりません。災害時においては助かる可能性が低い一人の重症患者を救うために、明らかに救命の可能性がある10人の命を捨てることを避けなければならないのです。
Q.トリアージとは?
傷病者の緊急度、重傷度の判定を中心に行う、治療優先度の決定のこと。
助けなければならない患者をいかに助けるか、いかに多くの方を助けるかがトリアージの基本となります。トリアージタッグは4種類あります。
赤=緊急治療
黄=準
緑=軽症
黒=死亡または明らかに生存の可能性がない場合
黒タッグは血圧が測れないような出血性のショック、全身のやけどなどの症状の場合、残念ながら黒タッグに選別しなければならない場合あります。トリアージに際しては、傷病者の生存の可能性が非常に低い場合、躊躇なく生存の可能性が高い別の傷病者の救命に移行するという、医師、傷病者にとっても過酷な選択がなされるのです。
Q.軽症のトリアージの問題点とは?
難しいトリアージは軽症の場合です。災害の時、軽症の傷病者が圧倒的に多いので、多数の軽症者が病院に押しかけると病院の機能が麻痺してしまいます。災害時は重症のトリアージだけでなく、軽症のトリアージにも苦労します。軽い外傷程度の場合は、自分で消毒、応急処置をし、被災日当日に混乱している病院へ行く事を自粛するという必要も理解しなければいけません。
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