Q今回のケースは?
喉が渇いて軽い脱水状態の時に長時間サウナに入り、熱中症に。熱中症は炎天下の中のスポーツが想定されますが、今回のケースのようなケースも少なくはありません。体温が42、3度に上昇すると、脳が数十分で死んでしまいます。風をあて、水や氷、冷たい点滴などで一分でも早く体温を冷やすことが大切です。
Q.熱中症とは?
高温下での労働や運動は、発汗機能や循環系に異常をきたします。そのため体温をコントロールする機能が障害され、体温が上昇してしまう状態を言います。
症状は、軽症度(T度)、中等症(U度)、重症(V度)にわけられています。重症になると体内の血液が凝固してしまう播種性血管内凝固症候群(DIC)や、全身の臓器の障害を生じる多臓器不全となり、死亡にいたる確率が高くなります。
■軽症度(T度)
四股や腹筋などに痛みをともなった痙攣や呼吸回数の増加、顔色が悪くなる、唇がしびれる、めまいなどの症状が見られます。
■中等症(U度)
疲労感、虚脱感、頭重感(頭痛)失神、吐き気、嘔吐などいくつかの症状が重なり合っておこります。
■重傷症(V度)
意識障害、おかしな言動や行動、過呼吸、ショック症状などが中等度の症状に重なり合っておこります。
Q.今回の要因?
サウナは高温の上に湿度が高く、汗が蒸発せずに体内の熱を放散できないため不健全といえます。室内は風もなく、体温よりも気温が高いので熱中症になりやすい、その他にも車の中、換気の悪い作業場など高温、多湿、無風の3要素が揃う場所は極めて危険と言えます。
日常でも熱中症の危険性がないわけではなく、地球の温暖化やヒートアイランド現象(アスファルトの多い都市部でエアコンの排気熱や排気ガスなどによって気温が高くなる現象)の影響が見られる都会においては、熱中症になる危険性は増しています。
主に働き盛りの男性を中心に毎年多くの人々が熱中症で病院に運ばれており、年々死亡者も増加傾向にあるのです。
Q.処置は?
多臓器不全をきたしているような重篤な場合には、CHDF(持続的血液濾過透析・合成高分子膜を通して、24時間持続的、緩除的に脱水し、溶質を除去する方法 四六時中血液をろ過する機械を通すことで老廃物を出す)で対処します。痛んだ臓器が元に戻るまで、CHDFでカバーします。
Q.日射病との違いは?
日射病は熱中症の一部で、熱中症の原因の中で特に太陽光線の過剰暴露により起こるものを言います。また「熱射病」という言葉も一般的に使われますが、いずれも熱中症に含まれるものです。
Q.予防法は?
暑いときに無理な仕事はしないで下さい。特に疲労が蓄積している時、お酒を飲んでいる時、二日酔いなど体調が悪い時は要注意です。規則正しい生活をおくることを心がけてください。
世の中には熱中症を知らない方がたくさんいます。家の中、オフィスの中など、どこでも熱中症は起こりえること覚えておきましょう。
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