Q.失神とは?
血圧が下がり、脳に十分な血液がいかなくなる、もしくは、血圧を下げるような危険な不整脈が出て、脳に血液がいかなくなる。そのため脳が働かなくなり意識を失ってしまう状態です。
Q.失神の危険性は?
- 倒れたときに受身を取れないのでドンと倒れる
(転倒型)。
- 気分が悪くなり次第に下を向き、立っていられなくなる(しゃがみこみ型)。
- いすに座ったまま気を失ってしまう。
いずれの形も意識を失っており、顔色が真っ白になります。
今回の主人公のケースのように中途半端に血圧が下がり、突然正気を失い、異常行動をとる場合もあります。
Q.失神が起こるシチュエーションは?
排尿、お酒を飲んだ後、お風呂に入った後、風邪をひいて激しい咳をした後などは神経反射による失神が起こりやすい。
Q.失神の原因は?
人間が4つ足から立位に進化する過程で獲得した体の仕組み=立っている状態、横になっている状態でも血圧を一定にする仕組みは、心臓・神経・脳・血管などが相互に連携して成り立っています。それらをコントロールしているのが神経反射です。神経反射がある条件で壊れると血圧が下がり、失神になります。
Q.今回の主人公の失神はどんな失神なのか?
神経調節性失神といい、神経反射が原因でおこる失神。失神の中にはこのタイプが一番多く、長時間立ちっぱなし、精神的疲労、ストレスの蓄積、寝不足などが原因となります。
Q.対処法は?
しゃがむこと。しゃがむことには3つの利点があります。
- 位置エネルギーが低くなるので、転倒によるケガを最小限に抑えます。
- 足の静脈がつぶれることで足の中の血液が心臓に戻ってきやすくなり、血圧が正常に戻りやすくなります。
- 無意識に歩き回れないので、事故防止(正気を失った状態でも)になる。
Q.失神の判別、診断は難しい?
失神は1980年代から色々なデータをキッカケに進歩してきました。最近になってようやく医療従事者に理解されるようになったのが現状です。
Q.失神の判別方法は?
80度まで起こした時の心拍や血圧の変化を検査する“チルトテスト”は、1985年ぐらいからヨーロッパで行われてきました。神経反射によって起こる失神の診断に有効です。
だれでも失神する可能性があります。子供の中には転倒により頭を打って死亡する場合もあるので、予防のために失神を勉強して頂いて、日常の中での健康を守る知識として身につけて下さい。
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