Q.熱傷のケースは?
火災などの火によるもの、お風呂などの熱湯によるもの、熱いものに触れた場合などいろいろなケースがあります。熱傷は皮膚だけでなく、火事の場合は煤や熱い空気などを吸いこんでしまうため、気道が熱傷する場合もあります。
Q.熱傷の重症度は?
熱傷はその深さと面積が重症度を決める要因となります。もちろん受傷した場所により、予後の程度も変わってきます。基本的に熱傷の深さは次の3つの度合いに分類されます。
I度熱傷 |
表皮の熱傷で、皮膚が赤くなり痛みを伴います。 |
II度熱傷 |
表皮の下(真皮)まで及び、水疱ができたり、ただれたり、激しい痛みを伴い、身体の30%以上にII度熱傷を負うと重篤な状態に陥ります。 |
III度熱傷 |
更に下の皮下組織まで及び、皮膚は黄色や黒褐色になります。皮膚組織が完全に破壊されるので、痛みを感じなくなり、また皮膚の再生も得られないため、形成外科による植皮術が必要となる場合が多い。身体の10%以上にIII度熱傷を負うと重篤な状態に陥ります。 |
Q.%の目安になるものはあるのか?
調べる方法として最も簡単な方法は、患者の手のひらが体の表面積の1%なので、これを基準にする方法がありますが、%を気にせず、専門の先生に診てもらうという姿勢をお忘れなく。
Q.後遺症は?
治癒の過程では皮膚が縮んでしまい、形成外科の処置が必要となる場合があります。
熱傷は治るまで長い期間を要し、元に戻らない場合もあるのでメンタルケアが必要となります。
Q.メンタルケアについて
今回のドラマのように、熱傷はそのもので終わらない場合が多く、熱傷で将来自分がどうなるかを考えたときに考えすぎて精神的に落ち込んでしまう患者さんもいます。女性の場合、顔面の熱傷が精神的に問題を来たすケースがあります。熱傷は精神的なサポートが大切です。周りの家族・友人は精神的な面のサポートをしていただきたいです。
Q.熱傷による感染症は?
皮膚は人体を細菌から守るための大切なバリアとしての機能があります。熱傷によりその機能が失われてしまうと、細菌感染は予想以上の脅威となります。また、感染が起こると熱傷の深さが深くなっていく場合があります。感染をどのように予防、治療していくかが課せられている大きな問題のひとつです。
Q.民間療法について?
民間療法を行った熱傷というのは、時に感染が早期に起きることがあります。例えばアロエについていた菌から感染する場合など。民間療法はなるべく避けてください。
痛みを取り、熱傷の深さを食い止めるには冷却が一番です。水道水を流しっぱなしにして痛みが取れるまで、できれば30分以上患部を冷やし、病院への搬送中も冷却を続けてください。 |