#5 2019年1月6日(日)放送

鑿一丁から生まれた木彫刻美術館 井波 富山県

富山県南砺市、合掌造りの里「五箇山」で知られるこの地に、日本屈指の木彫刻の町、井波がある。瑞泉寺を中心に広がる門前町には200人を超える彫刻師が暮らし、美術館の如く町中が彫刻で飾られている。瑞泉寺の再建時、京都の名工・前川三四郎が地元の大工に彫刻の技を伝え、井波彫刻が始まった。その技は、寺社仏閣、住宅欄間などに昇華された。町を歩けば、トントンとノミの音が聞こえてくる。そんな彫刻の町誕生の秘話に迫る。

山寺が支えた紅花文化 山形

紅花交易の歴史と紅花の魅力に迫る。山形の名刹、山寺こと立石寺では、かつて寺領地内で紅花の栽培を行っていた。紅花の花びらにわずか1%しかない紅色の色素は高価な口紅や、紅色の染料の材料として非常に貴重だった。江戸時代、最上川を利用した船運ルートが確立されると、山形の紅花は最高級の「最上紅花」として高値で取引された。山形の豪商や大地主の邸宅には紅花を売った代わりに京都や大阪から取り寄せたひな人形などの高級品が残る。