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#3 「破壊と創造の火の神 三原山 東京・伊豆大島」(4月27日 放送)

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大規模な火山活動により、伊豆大島が誕生したのは数万年前とされる。今も活発な活動を続ける三原山は、幾度も大噴火を重ねてきた。その際に吹き上げる火柱や炎は「神の業に他ならない」として、島の人々により、古来より「御神火」と呼ばれ、崇められてきた。

頂は千メートルにも満たないものの(標高758メートル)、三原山は、とても表情豊かな山だ。山の北西面がいわば表の顔。一九八六年の大噴火による溶岩流の後が、今も生々しくその時の様子を伝えるものの、植物の再生も進み、なだらかな山裾が印象的な美しい山容を誇る。山の南東面は、一転して荒々しい雰囲気を醸し出す。流れ出た溶岩やそのしぶきが生んだ、漆黒の森。そして、黒く細かい噴出物が敷き詰められた「砂漠」と呼ばれるエリア。月面、あるいは火星に降り立ったかのような、異世界が広がる。

今回、伊豆大島をめぐり、三原山を登るのは、女優の田京恵。独特の景観が生まれた海岸線や、溶岩流による破壊、そこから再生した生命の力を目の当たりにする。

悠久の時の中で、生まれては消え、また生まれる、地球の胎動を感じ、活火山・三原山による破壊と再生の歴史に思いを馳せる旅をする。