AQUOS美術館 かくて名画は生まれた。

メニューへジャンプ
毎週土曜日よる22:00〜22:30
毎週日曜日7:00〜7:30再放送

今から100年以上も前に描かれた一枚の絵画。
名画の放つ色彩…そしてその筆遣い。
画家が持てる情熱を全て注ぎ込んだ絵画に向き合う時、あなたはそこに何を見るであろうか?

絵画の数だけドラマがある。そして見る者の数だけ感動がある。
絵画は人生を変える。画家も、そして見る者さえも…

スーラ Georges Seurat

#10 「グランド・ジャット島の日曜日の午後」

6月7日O.A.(6月8日7:00 再放送)
9月6日O.A.(7日再放送)
声の出演 津田寛治(スーラ役)
テーマ音楽:宮川彬良
『グランド・ジャット島の日曜日の午後』

「グランド・ジャット島の日曜日の午後」

所蔵:シカゴ美術館(アメリカ・シカゴ)

19世紀フランスの新印象派主義の中心にいたジョルジュ・スーラ。
彼の代表作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」は、美術界に新風を巻き起こした。縦幅およそ2メートル、横幅は3メートルを超える大きなカンヴァスに描かれた、たくさんの人々。その数は、なんと50人にも及ぶ。スーラは、一体なぜ、この大きなカンヴァスにこんなにもたくさんの人々を描いたのか?スーラが何よりも大切にした「調和」。そして、その「調和」が生み出す「感情」。この作品には、描かれた人々の数以上に様々な感情が込められている。日々孤独な研究を積み重ね、他の誰も想像し得なかった手法を生み出したスーラ。その手法とは一体どのように生まれたか?

『ポーズする女』

「ポーズする女」

所蔵:ナショナル・ギャラリー(イギリス・ロンドン)

スーラは、この絵の左半分に「グランド・ジャット島の日曜日の午後」を置き、右半分にも4枚の小さな絵をかけている。画家のアトリエでポーズをとっている、ごくありふれた情景のようにも見える。
この「ポーズする女」には、様々な対比が見られる。
室内と屋内、人工と自然、そして流行と永遠・・・。
本来、人目に触れることのない下着や女性の裸体と着飾った女性を描くことの対比の構図を使った意味とは?


グランドジャット島でスケッチするスーラ

グランドジャット島でスケッチするスーラ

パリはフランスの中心である。ナポレオン3世は、この大都市を美しくし、その住民の運命改善に全力を注いだ。新しい道を開き、空気と太陽に欠けた庶民の地域を健全にし、どこにでも太陽の恵みある光が届くように・・・
そして、広々とした道路は、どこかに通じて、使われるだけでなく、動き、仕事、そして「喜び」などの目的地に向かわなければならない。
その「喜びの目的地」として、当時の人々にとても人気のあった場所、それが、ジョルジュ・スーラが、大きなカンヴァスに描いたグランド・ジャット島でした。

ジョルジュ・スーラ
Georges Seurat (1859―1891)

直感的に描く印象派芸術の筆触分割の技法を光学、色彩の面から科学的に分析し、規則的な点描によって画面をつくりあげる独自の絵画技法を作った新印象派の代表的画家。作品を仕上げるまでに多数の素描や下絵を制作して、入念に構想を練り、かなりの時間を要して数々の大作を完成させた。パリのブルジョア家庭に育ち、私生活については秘密主義を貫いた。