バックナンバー

8月 ドミニカ/サントドミンゴ
  • 8月9日放送

    カリブ海に浮かび、眩しい太陽に照らされるイスパニョーラ島。ドミニカ共和国は、島のおよそ3分の2を占める小さな国です。

    この国で生まれたダンスが、軽快なリズムに乗り、陽気に踊る「メレンゲ」です。「メレンゲ」の音楽は、カリブ海の国々で愛されているサルサやレゲエよりも軽快で陽気なリズム。踊りは、細かいステップを刻み、時々ターンをはさんでいきます。

    小刻みな腰の振りも特徴で、これが、卵の白身を泡立てる仕草に似ていることからメレンゲと呼ばれるようになったと言われています。男女がペアになって踊ることが多いのは、スペインから持ち込まれた社交ダンスの影響で、そこにドミニカのセクシーな動きがミックスされました。まさに、男女が愛を確かめ合う「恋のダンス」です。

    毎週日曜日の夕方には、街角に人々が集まり、夜10時を過ぎても踊り続け、老いも若きも、陽気なリズムに体を委ね、甘い夜を過ごします。


  • 8月14日放送

    ドミニカ共和国のダンス「メレンゲ」。「ドミニカ人はみな、血の中にメレンゲが流れている」という人もいるほど、人々の生活の中に溶け込んだ踊りです。

    市内のマーケットでは、店員が楽器を鳴らし始めると、皆、その場で踊り出します。気分が乗れば、どこでも「メレンゲ」を踊り出すドミニカの人々。一方、街ではプロのダンサーたちによる「メレンゲ」のショーを楽しめる場所もあり、情熱的でセクシーなパフォーマンスに、世界中から訪れた観光客が酔いしれます。

    「メレンゲ」の特徴の一つ、足を引きずるようなステップは、植民地時代、黒人の奴隷たちが足かせを付けられ働かされていた時代にルーツがあると言われます。不自由な生活の中から生まれ、彼らの心のよりどころになったダンス「メレンゲ」。希望を見出すダンスだからこそ、明るく陽気に踊る「メレンゲ」は、今や欧米をはじめ、世界中で人気をよんでいます。


  • 8月21日放送

    陽気な音楽にのせて踊るダンス「メレンゲ」が生まれたドミニカ共和国。実は、日本と同様「米」を主食としています。ドミニカでお米が主食となったのは、1950年代に移民としてやって来た日本人が現地の人々に米作りを指導、普及させたからだと言われています。

    そんなドミニカの代表的な料理が「サンコーチョ」。鶏肉や豚肉、バナナやカボチャなどをハーブで炒めたあと、じっくりと煮込み、米と一緒に頂きます。スパイシーな風味と見た目はカレーに似ていますが、まったく辛くありません。

    地元のレストランでは、フロアにお酒の瓶が置かれるとそれが、「メレンゲ」のショーが始まる合図。瓶の上につま先だけで立ち、見事なターンを披露。華麗なダンスもお店の名物のひとつです。ドミニカの人々にとってダンスは生活の一部。どんな場所も「メレンゲ」を踊るステージなのです。


  • 8月28日放送

    ドミニカ共和国の首都サント・ドミンゴを訪れると、ドミニカの人々にとって「メレンゲ」が生活の一部であることがよくわかります。人々は、気分が乗れば場所を選ばず、どこでも踊り出すのです。

    街では、「メレンゲ」のリズムを響かせながら、通りを練り歩く3人編成の音楽隊をよく見かけます。サント・ドミンゴに50組以上もいると言われているこの音楽隊は、民族楽器の「グイラ」、「アコーディオン」「太鼓」でメレンゲのリズムを刻みながら街をまわり、チップを貰い演奏します。

    ドミニカでは、メレンゲが踊れなければパーティーでも周りから取り残されて、寂しい気分を味わうことになります。その為、外国からこの地に移り住むようになった人々は「メレンゲ教室」に通い、人並みに踊れるようにレッスンを重ねます。踊れるようになって初めて、ドミニカの文化に溶け込むことができるのです。

    ドミニカの人々が愛する情熱のダンス「メレンゲ」は、人と人との繋がりを作り出すダンスなのです。