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2013年5月11日放送

99円台で足踏みしていた円安が、ついに100円台に突入した。9日に発表された米国の新規失業率の申請件数が減少したことを受けて、NY市場で1ドル=100円を突破。中国が外貨準備でドルの比率を再び引き上げるのではとの噂が、ドル高を加速する一因となった。さらに、米30年国債の入札では、海外中銀などの入札状況を示す「間接入札比率」が上昇し、ドル買いに拍車をかけることになった。

10日の東京市場でも101円台まで円安が加速。日経平均も円安を受けて1万4600円台まで急騰している。

4月には100円台突入を阻止する主因となったバリアオプションの防戦売りが今回はほとんどなかったとみられ、日本の輸出企業のドル売りを飲み込む形で円安が進行。「シカゴ筋からの仕掛け的なドル買い」が直接的な原因との見方も出ていた。

日本の機関投資家は、まだ本格的なドル買いを入れておらず、今後はドルが少しでも安くなったところで買いに出ざるを得ないだろう。こうした動きは、ドルの下値を支える要因として働くだけでなく、今後の展開次第ではドル高円安を加速するエンジンとして働くかも知れない。

今月に入ってECBが利下げを行い、ユーロ圏では「マイナス金利」も現実的な課題となっている。日銀では「量的・質的金融緩和」が着々と実行されるなか、FRBでは量的緩和の「出口戦略」を巡って激論が交わされている。金融政策の方向性の違いを考えれば、1ドル=100円突破は必然だったともいえる。

今回の100円突破を受けて、100円が逆方向の心理的な壁として意識されるため、円ドル相場は当面100-105円のレンジに移行した可能性が高い。

当面は1ドル=105円49銭が円安ドル高のテクニカルな抵抗線となる。円が多少買い戻される場面でも、100円18銭か99円95銭がメドとなるだろう。

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