榊原・嶌のグローバルナビ


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第470回 2010年2月6日 放送

大型船舶のエンジンに使われるクランクシャフト。ピストン運動を回転運動に変換する重要な部品は、神戸製鋼所が世界のトップシェアを誇るオンリーワン製品のひとつです。その製造工程は圧巻の一言。数百トンものインゴット(1200度に熱せられた鋳塊)を1万3000トンの巨大なプレス機で押して、かたちを作っていきます。しかも、そのプレス機は自動ではなく職人の手による手動で、「鉄の裏側まで予想がつく」と語るクランクシャフト一筋40年の小山さんら、匠たちの豪快な技の見せ所でもあります。「鉄の塊から様々なカタチを作っていくこと自体が芸術」と話す小山さん。神戸製鋼グループ=コベルコのものづくり力への姿勢を象徴しています。

2009年に社長に就任した佐藤廣士さんは技術系出身。ことのほかものづくりへのこだわりが強く、コベルコの未来はライバルが容易に真似の出来ないオンリーワンの技術にかかっていると考えています。例えば、自動車に使われる高張力鋼板=ハイテンと軽いアルミのハイブリッド溶接は、これからの自動車産業の主役・エコカーを支えていく技術。軽量化によって燃費の向上、CO2の削減に貢献しようとしています。また、新幹線の速さと強さも支えているのもコベルコの独自技術。N700系に採用されている床材にはアルミハニカムパネルと呼ばれる技術が使われています。ハニカムは蜂の巣状の6角形の構造で、鉄の10分の1の重さで同じ強度を実現、1編成(16両)で16トンの軽量化に成功しています。更にもう一つ注目を集める音の技術も…コベルコのアルミを使ったオンリーワン製品、騒音を吸収する吸音パネルです。従来の吸音材には繊維系の素材が使われていましたが、吸音パネルでは0.1ミリの穴を開けた薄いアルミ箔を使用。従来品以上に音のエネルギーの吸収が可能になり、道路や鉄道の防音壁やパーティションなどに使われています。

日本の最先端のものづくりを支える素材を供給し、自らも素材の特性を発揮させるものづくりを実践する。それが、数々のオンリーワン技術を持つ神戸製鋼グループ、コベルコの総合力です。

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