榊原・嶌のグローバルナビ


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第413回 2008年12月13日 放送

バイクや自転車、ラジコンに釣り、更には犬のレトリーバーに日本旅館まで…。様々な趣味の雑誌や書籍、文庫を発行しているのが枻出版社です。その数、年間400冊以上。「編集者自身がやりたいこと、知りたいこと、そして伝えたいことが雑誌を作る基準」と角社長。そして狭く見えても実は奥行きがある世界ということを見極めることが大切だといいます。

そんな枻出版社の編集現場を覗いてみると、バイクや自転車、ラジコンやミニカーなどが所狭しと並んでいて、そこはまさに大人の趣味の部屋。熱帯魚の雑誌編集部では、実際に熱帯魚を飼って長期リポートも行っています。

また、一般の出版社ではデザインは外部のデザイン会社、編集もプロダクションに外注することが少なくないといいますが、枻出版社では「僕らは一番楽しいことを他にやられたくない。だから全部自分たちで」と、取材から撮影、デザインまで全て自ら行っています。さらに、その「自分たちの手で」というこだわりは、オリジナルのフォントまで作ってしまうほどです。

では、業績の方はというと、ここ何年か出版不況と言われ続けていますが、枻出版社は、その独自路線が功を奏して不況知らず。07年度の売上高は68億円と右肩上がりの成長を見せています。

そんな枻出版社は、ライフスタイルを提案するだけでなく実践もしています。その取り組みがデンマーク式家庭菜園「コロニヘーヴ」。土に触れる北欧の週末を神奈川県小田原市で再現しました。そこは、もともとはみかん畑だった土地で、遊休農地になっていました。それをコロニヘーヴとして転用することによって、再び食物を生産する土地へと生まれ変わらせたのです。

コロニヘーヴは小屋が隣接しているのが特徴で、野菜を作ったりバーベキューをしたりと基本的には何をしても自由。都会で暮らす人々が、週末、自然に囲まれて過ごすための空間なのです。枻出版社とともにコロニヘーヴを作ったデンマーク出身のイェンス%イェンセンさんは、コロニヘーヴを「地域と都会の架け橋にしたい」と意気込んでいます。

最後に、角社長から「みんなの笑顔が見たい!」というキーワードを頂きました。これは、作る側だけが満足するのではなく、読者が喜ぶ顔をイメージながら本を作ろうという思いを表したもの。まさに枻出版社そのもののようでした。

「1万5000部も売れればターゲットになる。そして編集者は好奇心旺盛でお節介でなければならない。細かいところまで教えてあげたいと思う気持ちが大切」


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