榊原・嶌のグローバルナビ


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第361回 2007年12月8日 放送

「日本の株は、今、全部で3700〜3800億株あり、時価総額で500兆円です」。証券保管振替機構:通称ほふり の竹内克伸社長は、日本の株式市場の規模を語り、手がけている改革のスケールの大きさを話してくれました。

2009年1月のスタートを目指し、準備の進んでいる、株券電子化。電子化されるのは、全ての上場企業の株券で、これまでの紙の株券は無効となり、株主の権利はコンピュータ上の電子帳簿で管理されることになります。この改革によって、証券市場全体で、株式の発行から流通における事務処理が大幅に合理化・効率化されます。「ペーパーレスによるコスト削減効果は、1000億円」という試算もあります。

そもそも、ほふりは、株主から証券会社などを通じて株券の預託を受け、それを集中的に管理するという役割を担ってきました。10年前には、市場全体の2割程度だった預託率も、今では、およそ8割に。すっかり、市場に浸透してきた感があります。電子化以降、その「電子帳簿管理の中心的な役割を果たす」ことになる、ほふりの責任は、より一層、大きなものとなります。

解決しなければならない問題もあります。それは、ズバリ、「タンス株」。自宅のタンスの中や、貸金庫の中に保管したまま、株主が忘れてしまっている紙の株券のことです。電子化まで、あと1年に迫った今も、このタンス株は推定で150億株もあり、200万人から300万人が保有していると言われています。この場合、信託銀行などが発行会社設定口座(特別口座)で管理し、株主の権利は確保されますが、特別口座では、原則として、「振替」と呼ばれる事務手続きができません。つまり、持っている株が売れなくなるのです。特に、株券が本人以外の名義になっている場合、電子化以降は、煩雑な手続きが必要になるだけでなく、株主の権利を失ってしまう可能性もあるので、注意が必要。「こうした事態に陥らないためにも、早めにほふりに預託して欲しい」とのことです。

今、日本の株式市場は、国際競争力強化という課題を抱えています。その当面の目標が、「株券電子化」なのです。国内の投資家や国内企業だけなく、資金調達を目指す世界中の企業にとっても「魅力的な市場」と映るために、何をすべきか?今、日本の株式市場が取り組まなければならない問題を、竹内社長は三つのキーワードで示してくれました。(1)間接金融から直接金融へ (2)仲介業者の競争力向上 (3)インフラの整備。まだまだ、道は半ばであり、立ちはだかるハードルは高いものばかりですが、グローバルな展開を目指すならば、どれも、避けては通れないポイントばかりです。果たして、株券の電子化から始まる改革によって、日本の株式市場は、さらなる飛躍を遂げることが出来るのでしょうか?

株券電子化は、日本の株式市場全体の競争力強化につながる。


グローバルナビにご出演頂くゲストの方々の中には、榊原さんと嶌さんの知り合いという方が時々いらっしゃいます。高校や大学時代からの友人、或いは社会人になってからの知り合いなどですが、今週の竹内社長は榊原さんの中学時代の同級生でした。お二人は、学校の裏にあった榊原さんの家でよく遊んでいたそうです。ちなみに竹内社長は卓球部のキャプテンでした。

それはさておき、竹内社長はとても真面目な方というのがよくわかります。一つ一つの質問に対して丁寧に答えられ、手元の進行台本には書き込みも。そんな竹内社長が率いる「ほふり」では、株券の電子化に向けて着々と準備を進めていますが、気がかりなのは150億と推定されている“タンス株”の存在。そもそもこんなに“タンス株”が残っているのか、というのがびっくりで、全国で200万人から300万人くらいの人が貸金庫やタンスの奥に仕舞ったまま忘れてしまっているようです。しかし、手続きは早くしたほうがいいようですよ。2009年1月の電子化直前に証券会社に駆け込む方が多くなりそうですが、きっと窓口が混雑して大変な思いをしますから…。

株券の電子化で、少し心配していることがあります。株券の“重み”が無くなってしまいそうなことです。例えば、昔、給料が現金で支給されるときには、手渡された袋に重みがあったと思いますが、口座振り込みでは同じ金額でも不思議と軽く感じませんか?ということは、株券も…売買で損をしても痛みを感じないかも?なんて思ってしまうのは、私に計画性がないからかもしれませんね。反省。

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