榊原・嶌のグローバルナビ


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第344回 2007年8月11日 放送

7月17日 埼玉スタジアムで行われた親善試合、浦和レッズvs名門マンチェスター・ユナイテッド。浦和レッズは世界のビッグクラブを相手に2対2と互角の戦いを展開し、5万8000を超えるサポーターを熱狂させました。

かつてJリーグのお荷物と呼ばれた浦和レッズですが、J1優勝、天皇杯連覇とその実力はトップクラスに成長。しかも、観客数や収益力といった経営面での実績は他のJ1チームを圧倒しています。06年度の平均観客数は4万5000人超。これはJ1チームの平均1万8000人の倍以上です。営業収入71億円(06年度)もJリーグでは突出した数字。しかも、この中には親会社からの支援は入っていません。05年に三菱自動車工業との損失補てん契約を解除し、経営的には完全に自立しているのです。

そんな浦和レッズを支えているのは日本一熱いと言われるサポーター達です。収益構造を見ても、入場料収入とグッズ販売が38億円と、営業収入全体の半分以上を占めています。藤口光紀社長が「サポーターが我々を成長させた」と語るように、サポーターは浦和レッズの最大の財産であり、強固な経営基盤だと言えるのです。

浦和レッズとサポーターとの緊密な関係はどのようにして作られたのでしょうか。それは、1993年のJリーグ開幕以来、地道に積み重ねられてきた地元密着の取り組みが大きく貢献しています。Jリーグでは浦和レッズだけという地元へのチケット優先販売。優勝賞金の地元還元(サッカーボールの寄贈)。サッカー教室「ハートフルクラブ」などなど、浦和レッズは、常に地域と共に歩もうというスタンスが徹底しています。更に、2005年から総合スポーツ施設「レッズランド」の運営も始めました。サッカー場だけでなく、フットサルコートやテニスコートなどがあり、ドイツの総合スポーツクラブをモデルにした施設です。そもそもJリーグには「百年構想」と呼ばれる理念があります。地域に根付いたスポーツクラブが、誰もが好きなスポーツに参加できる環境を提供する、というものですが、浦和レッズでは他のチームに先駆けてこの構想を具現化したのです。

J1連覇を賭けたリーグ後半戦がスタートしました。9月にはアジアNO.1クラブを決めるアジアチャンピオンズリーグ・決勝トーナメントも始まります。日本のビッグクラブ・浦和レッズは、これからもサポーターと共に歩んでいきます。その視線の先にはアジアがあり世界があるのです。

「アジアや世界を目指すのは地元、ホームタウンがあるからこそ。グローカルに活動し、欧州のようなクラブライフを地元の人と作り上げていきたい。今後、アジアが世界のサッカーの中心にとって変わる時代が来てもいいのでは」

今回は、浦和レッドダイヤモンズの藤口光紀社長にお越し頂きました。私は、2003年からテレビのお仕事をさせて頂いているのですが、サッカーの取材に初めていったのが2003年のナビスコ杯の決勝。そこで優勝したのが「浦和レッドダイヤモンズ」でした。ですから、個人的には、なにか縁みたいなものを感じていました。

皆さんもご存知の通り、浦和レッドダイヤモンズは素晴らしい選手がたくさんいます。日本代表にもたくさん選出されています。そしてサポーターの皆さんも本当に心の熱い方たちばかりです。スタジアムに行くと真っ赤にスタンドが染まっていて、ゴーっとスタジアム全体が震えているようなそんな迫力があるんです。

そして、2006年のJ1年間優勝。あの感動の瞬間にも私はスタジアムにいました。そのときも取材をさせて頂いたのですが、選手たちの結束の固さは圧巻でした。決勝ゴールは、闘莉王選手がワシントン選手にアシストして生まれたのですが、闘莉王選手は「本当は自分でゴールを決めたかったが、ワシントン選手に得点王を取らせてあげたかったから、アシストした」と話していて、チームがひとつになっているということを強く感じましたし、だからこそ優勝できたのだなと改めて思いました。サポーターやスタッフも含めてチームがひとつになっているからこそ喜びも何倍にもなるんでしょうね。

レッズランドの運営で地域との密着度がますます高まり、一層人気を集める浦和レッズ!みんなの想いを力に変えて今季もがんばってください!!

本番が終わり、藤口社長と写真を撮って頂きました。笑顔が素敵なとても素晴らしい方でした。

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