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第342回 2007年7月28日 放送

少子化の時代の到来… 今、日本の大学が大きな転機を迎えています。  私学の雄、早稲田大学では、「学部教育の充実」、「個の力の強化」、そして「国際化」という3つの重点テーマを掲げ、大胆な改革に取り組んでいます。

具体的には…
 (1)学部の枠を越えた横断的な授業を受けることが出来る
   「オープン教育」
 (2)語学力を高めるために、ネイティブの教師と少人数で
   「生きた英語」を学ぶことができる「チューター方式の語学講座」
 (3)理系強化のために、理工学部・大学院理工学研究科の再編
などが、挙げられます。

特に、理工学部・大学院理工学科の再編においては、シナジー効果や、学部・大学院一貫教育、都市型教育研究拠点などをうたった、「新理工系宣言」を掲げ、「ビジネスの世界とのつながりを深めて行きたい」(白井総長)と、最も力を入れて取り組んでいます。

例えば、医学部を持たない早稲田大学ですが、医学と工学の境をなくした「医工学」という新しいジャンルへの挑戦にも積極的に取り組んでおり、2000年から学術交流を開始している東京女子医大との連携により、共同の医工学教育研究施設を開設するプロジェクトも進めています。学生たちの「理系離れ」が深刻化する一方の日本であるだけに、こうした改革には、各方面からも熱い期待が寄せられています。

国際化への取り組みとしては、外国人留学生の受け入れ態勢の強化が挙げられます。この10年の間に留学生の数は倍増。いまや、早稲田は、日本で最もインターナショナルなキャンパスとなっているのです。また、彼らとコミュニケーションをはかることで、日本の学生たちも「国際感覚を学ぶ機会が増えた」と、大歓迎。期待以上の効果が生まれています。

今年、創立125周年を迎えた早稲田大学。創設者・大隈重信氏が唱えた「人生125歳説」に因み、この節目を「第二の建学」と位置づけて、今、教育改革・大学の経営改革の両面で、「攻め」に 転じているのです。

「『在野の精神』、『早稲田らしさ』を失わず、世界の人々のための大学に育てて行きたい」

今週のゲストは早稲田大学総長、白井克彦さんをお招き致しました。少子化時代を迎え、変革を求められている大学経営と、21世紀型の教育のあり方についてお話を伺いましたが、創立125周年を迎えた早稲田大学では、この節目を「第二の建学」と位置付けて様々なことに取り組まれていました。学部教育の充実。個の力の強化。国際化。そして理工学部、文学部の再編。スポーツ科学部など新しい分野の学問の開拓等々…

中でも印象に残ったのは社会人教育。ネットのインタラクティブ特性をフル活用し、従来の通信教育とは全く異なるeスクールという教育を始めているのですが、驚いたのは、学生の半数が社会人で、しかも女性の比率が高いことです。学費は一単位2万9000円。卒業するにはおよそ400万円が必要であるにも関わらず、4割ほどが卒業して学士の資格を取得されていること。私も勉強したいので、eスクールに興味津々!みなさんも挑戦されてみてはいかがでしょうか!

早稲田大学の学生を羨ましいと思ったのは、「教育の国際化」に力を入れているところです。外国人留学生の受け入れ状況は10年の間に倍増し、国別でいうと中国からが最も多くて850人。次いで韓国、アメリカと続き、この他にもドイツやベトナム、チリからなど世界中から留学生を受け入れています。国際コミュニティーセンターというコミュニケーションの場所を設け、ダンスパーティなど学生同士の心の交流も積極的に行われています。こうした活動は、授業だけでなく普段の生活の中でも国際感覚を身につけることができ、大変素晴らしいことだと思います。

少子化が進み、大学経営は難しい時代になってきました。優秀な学生の囲い込みを競うようになり、大学の再編劇すら珍しくありません。そんな環境にあって、「学生たちが自分で学びたいことを選択できる時代だからこそ早稲田は強いのではないか」と白井総長はお話しをされていました。創立125周年!早稲田大学の改革はまだまだ続きます!!

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