榊原・嶌のグローバルナビ


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第341回 2007年7月21日 放送

今、世界中で話題となっている「セカンドライフ」。"もう一つの別の人生"をおくることができるという仮想空間にアクセスしてみました。

「セカンドライフ」はアメリカのリンデンラボ社が運営しています。3DのCGで創り上げられた空間で、インターネットに接続できる環境があれば誰でも楽しむことが出来ます(ただし、ストレス無く楽しむには有る程度のパソコン性能が求められます)。まずホームページから専用ソフトをダウンロード。参加費は基本的に無料です。次に「アバター」と呼ばれる自分の分身を作成します。このアバターがセカンドライフの中での自分自身で、仮想空間の空を飛んだり、買い物をしたり、家を建てたり、更には世界中から集まるユーザーとコミュニケーションをとったりと、アバターは自由に行動することができるのです。

「セカンドライフ」には「リンデンドル」と呼ばれる通貨も流通しています。といっても、あくまでも仮想通貨で、ゲームを楽しむためのポイントのようなモノですが、米ドルに交換することができ、その交換レートは需給を反映して日々動いています。リンデンドルを使った取引も1日に2億円以上にのぼっていると言います。それだけに、新しいビジネスチャンスが生まれる場としての期待も高く、既に多くの企業が参入。セカンドライフ内の土地を扱う不動産業や広告・マーケティングを行う企業、現実世界とのリンクを考える企業など、展開されているサービスは実に多様です。

勿論、ユーザー数も急増中で、7月20日現在では800万人以上。しかし、セカンドライフの本格的な普及はまさにこれからです。みずほコーポレート銀行の試算によると、2008年末のセカンドライフの人口は2億4600万人。セカンドライフ内での年間取引額も1兆2500億円に達するだろうとしています。

まさに無限の可能性を秘めているセカンドライフですが、課題も山積しています。ここでは現実世界と同じことが出来るのですが、例えば、トラブルが起きたときに問題を処理する法律がありません。収入を得ることも可能ですが、その場合、課税という問題も生じてきます。三淵室長は、今後、何らかの法的な整備が不可欠だと指摘しています。仮想世界の広がりの前に現実の問題が迫っています。

企業の取り組みはまだ実験的な立ち位置だが、3次元空間を使った体験型のコミュニケーションツールとしての可能性は大きい。特に時間のある団塊の世代の方にセカンドライフはぴったり

セカンドライフと聞くと、つい定年退職後の生活を想像してしまいますが、今日の話はとてもデジタルなお話し。でもデジタルでありながら、この仮想生活の中は現実の世界とあまりにも似ています。仮想世界なのに土地が高騰したり、人と話しをしたり、物を買ったり、商売をしたりもできる。面白い世界です。

ちなみに、セカンドライフに参加している人は世界で800万人以上。中にはセカンドライフ内での土地の賃貸で億万長者になった人もいるそうです。今後はそういう人がますます増えそうですが、ということは、税金や著作権など仮想世界だけれども現実世界の対応が必要になるのは目に見えています。ただ単にセカンドライフを楽しんでいる人達だけでなく、これからは法曹界の人も税金関係の人もこの新しい世界を理解しないといけないと言うことでもあります。大変だ!

でも、やっぱり仮想世界。性別や年齢、住む家や車などは自分の理想を叶えることができます。例えば日本人の場合、現実世界で狭い部屋に住んでいるせいでしょうか、セカンドライフでは大きな土地にマイホームを建築する人が結構いるそうです。参加者の理想、といくか欲求が見えてしまうという面白さがあるのかもしれません。セカンドライフの利用者数は、来年末には、世界で2億4600万人にもなってしまうという試算もあります。びっくりです!それだけ現実とは違う理想の世界を求めている人が多いということなのでしょうか。そう考えてしまう私は、時代についていっていないのかもしれませんね。

さて、私事ですが、このたび産休を三ヶ月頂くことになりました。生まれてくるわが子は、きっとこのセカンドライフが当たり前な時代に生きていくことになると思います。ということは、仮想の世界と現実の世界をすみ分けられるバランス感覚が必要になりそうです。アナログな私にそんなこと教えられるのでしょうか?取りあえず、実際にセカンドライフを体験して、その世界観を理解しないといけませんね。はまっちゃったらどうしましょう!?

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