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第193回 2004年8月28日放送国際科学振興財団 大竹美喜会長

しゃべるアヒルのコマーシャルで知られる生命保険会社AFLACの生みの親であり、最高顧問を務めているのが大竹美喜氏。(財)国際科学振興財団の会長でもあり、とても順風に見える大竹さんの人生だが、本人は「32歳までは自分探し。夢を追いかけていたが、どれも実現できなかった」という。

大竹さんは常に夢を持っていた。1939年に広島の山深い豪雪地帯に生まれ、小学生から高校生まで、片道3〜4時間の道を歩いて通学していた。この長い通学時間、いつも「将来どんな人になりたいか?」と考えていたそうだ。そこで芽生えた夢が「小説家になること」。早速、早稲田大学の通信講座を受講するものの「小説家には人生の挫折が必要である」と思い、大阪に家出をしたが、親に連れ戻され最初の夢を断念した。

次は20歳の時、世界を見ようとアメリカへ留学。しかし、まだ外貨の持ち出しがあまり出来ない時代だけに生活費を稼ぐためにカリフォルニア の葡萄農園で働く。炎天下での労働は厳しく仲間が次から次へと倒れていく。この経験で大竹さんは忍耐と挑戦心を身につけたそうだ。そんなときに出会ったのがキリスト教。 そこで大竹さんは「宣教師になりたい」という夢を抱く。しかし日本に帰国してア フリカへ行って宣教師になる夢を実現しようとした時、アフリカのコンゴで 内乱が勃発。結局、夢はまた実現できなかった。

様々な挫折をしたことで「多くの知識を身に付け、見えないものが見えるようになった」そうだ。そして32歳のときにAFLACと出会う。日本での現地法人の設立をアメリカの創業社長から任されたのだ。「私の天命の ように思えた瞬間だった」という。

このような波乱万丈の人生を歩んでこられた大竹さんが、今の若者やビジ ネスマンに身に付けて欲しい事が3つあると言う。

  1. 歴史感覚・・・「日本人とは何か?」が分からなければ国際人にはなれない。
  2. 国際感覚・・・現在の1年はかつての10年に相当するほどスピードが 速い。だからこそ物事を大きく捉えることが大事である。
  3. 倫理観・・・人々の間から倫理観が失われつつある。倫理観がなければ自分 が何者かも分からず、自分のことが分からなければ、勇気ある決断や行動が取れない。

様々な夢を持ち、その夢に向かって行動を続けている大竹さんは「実現しない夢は夢ではない」と断言する。そして「その夢を実現させる75%の要素は自分自身にかかっている」という。夢を叶えると言うことは自分との戦いに勝つということなのだ。

語録 〜印象に残ったひと言〜
  • 挫折の連続の中で様々な知識を身につけ、見えないものが見えるよう になった
  • 毎日「自分がなりたいもの、やりたいこと」を紙に書いてきた
  • 実現しない夢は夢ではない
  • 夢を叶える要素の75%は自分自身にかかっている
  • 歴史感覚・国際感覚・倫理観を持て!
亜希のゲスト拝見

物腰柔らかな語り口から、「かつて宣教師になりたかった」というお話には納得。思わず耳を傾けたくなる雰囲気を大竹さんは持っていらっしゃいます。 しかし、その穏やかな語り口からは想像できないほど様々な経験をされています。それも大竹さんのご両親に起因するところがありそうです。

常日頃から、ご両親は大竹さんに「人生という大学の優等生になれ。だからこそ、やることは命がけでやれ」と教えられていたそうです。良い大学に行くより、自分が納得する『人生の大学』の優等生になる方が、どれだけ大変なことかと思います。私は自分の『人生の大学』の成績表をまだ見たくありません・・。

番組の中では、夢の実現のヒントをたくさんお話し頂きました。大竹さんは毎日、「自分がなりたいもの、やりたいこと」を紙に30回も書いているそうです。書くことによって、その思いが自分の中に入っていくそうです。すべてが上手くいっているように見える人でも、たやすく夢を手に入れたわけではないのですね。